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第3話 嘘と事実と友達 (2/6)

うーん。3人招待かぁ……。

お父さんとお母さんには、頼めば引き受けてもらえるかも知れないけど、もう後1人足りないなぁ。こんな時、兄弟がいればいいのになと思ってしまう。

去年同じクラスだった友達に頼めばやってくれるだろうけど、普段遊んでない子にこんな時だけ頼るのも、またどうかなと思うし……。


私以外の2人もこの衣装が欲しくなったのか、なんとか3人にならないかと計算しているようだった。

『みんなDtD続けてるんだ?』

アイカの問いにひまりが答える。

『続けてるっていうかさー、一昨日インストして昨日ちょっと遊んだだけっしょ』

そうだよね。まだ今日で3日目だもん。

私は夢での事が残ってるかどうか朝から一度ログインしてみたけど、前と同じで私のレベルはちゃんと25になっていた。

『レベルは?』

アイカの問いに遥とひまりが答える。

『12だったはずー』

『14だよー。へへー、私の方が上だねっ』

『みさみさは?』

問われて一瞬迷う。でもこれは嘘をついたってゲーム内で会えばバレてしまうわけだし……。

パーティーを組めば相手のレベルが分かるのを、私はもう知っていた。

『25……に、なったとこ……』

『ええーっ!? みさみさなんでそんなにレベル高いのぉ? うち22なんだけど!?』

『あはは……(←スタンプ)』

あー……。アイカのレベル超えちゃってたか……。ちょっと気まずいな。

『私の方が一週間も前からやってるのにーっ』

『たまたま親切な人がレベル上げ手伝ってくれたんだよ』

『えー、いいなー』

『それって、仲良くなって、君どこに住んでんのー? とか聞かれるやつでしょー?』

『ヒョェェェェ(←スタンプ)』

『キモッッ(←スタンプ)』

『みさき、騙されやすそーだよねー』

『気を付けなよぉぉぉ!!』

どうして良く知らない人の事をそんな風に言えちゃうのかな。

……知らないからこそ、言えるのかな。

確かにそういう人はいるのかも知れないけど、カタナはそんな人じゃないと思う。

『アイテム貸してくれたり、壁してくれたり、いい人だったよ。矢も買ってくれたし……』

リボンの事は、流石に貰いすぎな気がして言えなかった。

また騙されるって言われそうだったし。

『ええー、いいなぁー。紹介してっっ!!』

アイカの言葉にぎくりとなる。

紹介したら……、どうなるんだろう。

カタナは、アイカにもひまりにも遥にも、私にしてくれたみたいに優しく色々教えてくれるんだろうな……。

『その人とはフレンド登録しなかったから』

『ごめーん(←スタンプ)』

『残念無念(←スタンプ)』

私は思わず嘘をついてしまっていた……。

カタナならきっと、DtDのプレイヤーが増えるのを喜んだんだろうに……。


『じゃあさー、今日は4人でDtDする?』

『いいねー(←スタンプ)』

『賛成ー(←スタンプ)』

『わーいっ(←スタンプ)』

嬉しそうな笑顔のスタンプを、私は小さなため息と一緒に押した。


ログインすれば、パーティーチャットでカタナから声がかかる。

今日はここに行こう。とまた私の行ったことのないワールドを挙げられる。

一緒に行きたいなぁ……。そう思いながらも、私はそれを断る。

『ごめん、今日は友達と遊ぶ事になっちゃって……。せっかく声かけてくれたのに、ごめんね……』

『約束をしていたわけでもなし気にする事はない。何か困った時にはいつでも個別メッセージを送ってくれ』

そう言うと、カタナはパーティーの抜け方を説明してくれた。

カタナと一緒のパーティーを抜けるのはなんだか酷く残念な気分だった。

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