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11 標本泥棒

 11 標本泥棒



 ある日、また野生の虹色蝶の採集から帰って来た時の事だ。

 研究所が荒らされ、貴重な虹色蝶の標本の一部が盗まれた事態が起こった。

 サモンは大切な虹色蝶の標本を盗まれて彼にしては怒気を露わにしていた。


「何と言う事だ……折角の標本が」


「サモンおじさん。私が犯人を捕まえてきます」


「何!? 危ない、それは危険だ」


「私には魔導眼があります。この眼は最強の眼……人間に遅れは取らない」


 ルインは魔導眼を発動させる。意志の強い紅き瞳は、既に犯人の痕跡こんせきから、

 罪人の特定できている。後は空間移動で、犯人の前に移動するだけだ。


「ルイン、私も行く。子供一人を行かせるわけには……」


「ドラン様……分かりました。サモンおじさんは研究所で待機。

 私はドラン様を連れて空間移動で、犯人の元へ行きます。私の手に触れて」


 ルインは魔導眼の力で、現場の痕跡から犯人の匂いを辿り、空間移動で犯人の前に姿を現した。

 犯人は研究所近くの切り立った崖付近に腰を下ろしていた。


「虹色蝶の標本……売れば莫大な財産になるぜ」


「その通り。これで俺達は大金持ちだ」


 犯人は髭面で悪人顔のデコボココンビだった。ルインはゆっくりと犯人の前へと躍り出る。


「人間共……虹色蝶を手に入れて満足か?」


 真紅に輝く魔導眼で、犯人二人を示威する。犯人は突然、現れたルインに驚く。


「何だ!? 俺達の邪魔をするな!」


 痩せ細った方の犯人が剣を抜いて、ルインに斬りかかる。

 しかし、ルインは魔導眼の凄まじい動体視力で、犯人の剣戟けんげきを容易くかわしていく。

 そして犯人の持つ剣を素手で掴む。バキッと音を立てて剣が砕け散る。


「化け物……これならどうだ!」


 太っている方の犯人が、拳銃を取り出し、ルインに向けて発砲し、銃声が切り立った崖で鳴り響く。


「ルイン!」


 ドランが銃を向けられたルインに叫ぶ。だが、ルインは全く動じてはいなかった。

 ルインの魔導眼には銃弾が、止まっているかのように遅く見えるのだ。

 そして、ルインは自身に向かってくる銃弾を右手で掴んで、その辺に放り投げた。


「これが限界か? やはり、人間は下等種族だ。

 人間だけではない、この世のありとあらゆるもの全てが魔導眼の力に平伏すのだ」


 ルインは一歩、また一歩と犯人たちに間合いを詰めていく。

 犯人達の後ろには崖がある。ルインは構わず距離を詰める。次第に追い詰められる犯人。

 ルインは無論、このまま追い詰めて崖下に転落させる気だ。例えようのない緊迫感が辺りを渦巻く


「ルイン! そこまでだ!」


 ドランの一言でルインは我に返った。

 ルインはハッとして自分のやろうとしていることに気付いた。

 ルインは魔法で縄を作り出して犯人達を拘束し、事なきを得た。

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