復讐者2異世界の魔力強化への苦痛
先ずは辺りを見回して拠点にする場所を探した。
この場所は赤道より北、つまり北の岩肌を掘り南からの光を取り入れる様に掘るつもりだ。
危険な魔物がいないこの安全地帯は、周りを岩壁の様な山の斜面に囲まれていた。
拠点は硬い岩壁に作るつもりなので、木が少し拓けた場所を探知魔法で何ヶ所か見付け、何処が拠点に最適か辺りを近くに行き、詳しく調べる事にした。
北の岩肌に移動中に各自に1人だけで動物を狩って貰った、全員が問題無く魔法でウサギや鹿などを狩ることができた。
この世界の体と知識で、食べるためと割り切ることで動物は殺せる様だ。
(後は人型の魔物、そして敵対者の人間を殺せるかだな)
狩った後の運搬に問題が発生した、獲物を運ぶ為のアイテムボックスに問題が有った。
狩った獲物が俺とサチの収納には抵抗があり中に入らなかったのだ。
まあ、コウとミウの収納には何の抵抗無く入ったので取り敢えず2人に収納してもらったのだが。
拠点にした場所は少し離れた所から見ると岩肌の上の方に遠くからも見える位置に木が1本生えていたので、それを目印にした。
すぐ近くの岩肌からも湧き水が見つかり立地条件は最高だった。
この場所を拠点にする事にしたので、各自に色々と試してからここに戻る様にと言い、辺りの散策と魔法試してもらうことにしたら、みんな楽しそうに散っていった。
その理由を後で知ったのだが。
知識の本の勇者召喚の事について書いてあった内容によると、どうやらこの世界に魂が引っ張られた人は、魔法に憧れる気持ちが強く、その中で魔法適性のある者がだけが来たらしい。
つまり、来るべくして来たという事だ。
ただ今回は、召喚の仕方に問題があった、周りを巻き込んで殺すという怒りを買うという問題だ、
家族を殺したこの世界は嫌で、他の異世界に行った俺達以外の人も、魔法の適性があった様だ。
この世界の魔法とは曖昧な物で、同じ属性でも人によって出来ることが人と出来ない人がいるみたいだ。
曖昧な例としては、アイテムボックスで、自分のインナースペースは、基本属性により収納物が変わる、他に人により入る物や量の違いもあるらしい。
「まぁ俺の場合、個体で鉱物だと思えば、何でも入りそう、以外に魔法って、アバウトだな」
属性に関しても、神が言った通りで、光と闇などの反属性だと魔力量がゼロになる、片方が風以外の半々だと魔力が有っても使えない、割合が6:4なら多い方の2だけ使える。
風の5割未満の副属性の者だけが200%の増幅作用がある、つまり基本属性が20になるそうだ。
(それが4人か、それだけでチートだな)
因みに風が基本のエルフだと、風だけの100%で風の10となる、しかし風だと強めの風しか起こせないので弓や槍などを投げ、その加速などに使っているそうだ。
ドワーフは土が5以上の基本で副属性は火で5未満になり必ず土魔法が使える種族だ。
そして獣人は、お約束なのか、基本も副も5:5で魔法は使えないが、闘気と言う力がどの種族より使えるそうだ。
基本属性だけしか無いのは、魔物だけで人族だと絶対に有り得ないそうだ。
「エロフに、合法ロリ、そしてモフモフ、いゃ〜、ファンタジーですなー」
「シン兄が、だらしない変態っぽい笑顔で笑ってるよ」
「コウ、見ては駄目、お父さんも言ってた、見ないフリするのが優しさよ」
「シン、あなたやっぱりファンタジーオタクなのね、結婚して子供がいたみたいだから、危ない人では無いみたいだけど、引くわー」
今、俺は自分の発言により戻って来たみんなのビミョーな空気から逃げる様に、森を軽く散策して収納を確かめた後、穴を掘っている。
湧き水が湧き出ている裂け目から、少し離れた崖を魔法で掘り雨が降った時の為に住むための穴を、みんなに目線を合わせ無い様に掘っている。
ついでに、森で採取した物や掘った土や石を使って魔法を色々と試しながら掘っていた。
俺の土属性のアイテムボックスだと、液体や生物は当然駄目、死体は駄目だか剥ぎ取った牙や皮は入る、折った木の枝や抜いた植物は入らない、
枯れていれば木の枝や枯れ葉も入り、石や鉱物は問題無く入り、収納限界もまだ感じられない。
気を取り直して、土の方を色々試してみた。
「面白いな、乾いた土は勿論、水を含んだ粘土でも形を変えて固めたり、硬い物でも魔力を込めれば形を変えたり、粉にしたり、まとめてひと塊りにしたりできるな。
もしかして水銀みたいな液体の金属なら俺でも使えるかも。
次に、潰して液体にした物の中で、個体になる物は・・・オッ、固めて取り出せるな、見えないフィルターで掬ってるみたいだ」
その後、掘っていて分かった事は、土の中から掘り出した物はなぜか固まりになっていて、その固まりがかならず1つの物で出来ていた事だ。
知識を探るとこれはスライムによる現象らしい。
この世界のスライムは生命体を攻撃しないバクテリアや虫の役目をする以外に、金属や小さい石を分解して固まりにして土の中に集める性質がある様だ。
元々は魔法金属類がこの世界には無く、今この世界に有る魔法鉱物はすべてダンジョン産で、スライムはこのダンジョン産の魔法金属類だけは山に運ぶそうだ。
魔法は使える範囲は自分から離れるほど簡単な事しか出来ずに魔力だけは多く使うようだ。
「ウーン、俺の魔法は何か素材を使わないと魔力消費が大きく過ぎて使えない属性だな」
その後、穴を掘りながら出て来た石や鉄や銅で食器や包丁を作り、柔らかい土でテーブルや椅子を作り壊れないように固めてから収納した。
粘土が塊で有ったので、その都度色々作った。
細かい部分を形作る時に手先に痺れが腕を痺れが這い回る感じが少し有ったがなんとか使えるレベルの物が出来た。
掘った住居用の穴は、四角い部屋にした、外から入ってすぐにリビング、その奥に2部屋、右に2部屋、リビングと4つの部屋を掘る事が出来た。
念のために壁や天井を固めて床は平らにして掃除が楽になる様にした。
外に出て、入口が崩れないように、更に固めている処で急に気分が悪くなった。
「ウップ、これが魔力の、枯渇か?、ウェ、枯渇、すると、気持ち悪くなり、吐き気が、くっ、クルものなのか、しっ、しかしここまでは固めないと、何とか、良し、ウップ」
穴の近くで吐きたくないので吐き気に必死に耐え少し離れてからキラキラを吐いた。
皆んなも戻ってから魔法を試したのか青い顔をして外で休んでいた、因みに、吐いたのは俺だけだった・・・。
みんなは1時間程で吐き気は止まり、気分は最悪らしいが3時間程で平気になったが、自分は吐き気が治るのに倍も時間がかかり、フラつきながらも動ける様になったのは6時間も後だった。
「これはキツイな、今ので俺は魔力の最大値は10上がったが、みんなは5か、アレ?肉体魔力の限界値が2上がってる、
アレか。あの痺れが這いずる感覚が魔力制御の限界を超えてる感覚か、本気で上げるならばあれが全身に来る」
想像して余りのキツさにブルっと震えた。
「無理!、制御を意図的に上げるのは無理だ、みんなは制御限界の感覚は感じた?」
みんな首を横に振った。
「制御限界は無理に訓練したら限界に精神的ストッパーが出来そうだからやらない方が良さそうだ。
何か他に集中していれは耐えられるが、制御を上げるためだけにやったら全身にあの感覚、・・・無理!、完璧にアウト、変態でもないと、とてもじゃないが耐えられない!」
痺れを思い出し身悶えながら震えていると、みんなが若干引いていた。
「えーと、話しは魔力枯渇に戻すが、俺は枯渇で気分が悪くなる前の前兆だが、俺には分からなかったんだがみんなは分かたんだな」
「えぇ、私は分かったわ、そこで一旦魔法を使うのを止めてからここまで歩いて来て、試す為に無理して魔法を使ったら直ぐ吐き気が来て、更に使ったら我慢できなくなり吐いていたわ」
「オレもそんな感じ」
「私もです」
「俺って、もしかして鈍感?、イヤイヤ、集中してやり過ぎていたから気が付かなかったのかなー?、
イヤー、でも、気分が悪くなってから使った分の魔力が回復時に増える事は分かったな!、
回復するまでが真面に動けないのと最悪の気持ちが悪い状態でいなければならないのはキツイけど、何とか魔力量は増やしていこう」
「オレ、戦う為の魔力量を増やすためでも、あんな状態になるならもうやりたくない」
「私も魔力量を上げる為でも、この吐き気は無理です」
「ごめんなさいね、私も遠慮したいわ」
「そうか、分かった、俺はもう少し頑張ります、せめて前兆が分かる様にならないと、いざという時に使い過ぎで吐きまくり、なんて事になったら、死活問題ですから」
「多分、シンは集中していて、吐き気を感じても無意識にキリの良いところまで使い続けたんじゃない?、
物作りの方の集中力は作業のキリになるまで途切れずに作業をやりきるのが習慣になるみたいだから、作業をしないで使ってみれば分かると思うわよ」
「分かった、回復したら物作り以外で魔法を使ってみるよ」
「兄ちゃんは物作りの職人さんか?」
「イヤ違うぞ、作るのは好きだが仕事にはしてなかったな、面白かったからツイツイ魔法を使って色々作ってしまったんだ、今から作った物を出すから見てくれ」
次々に石や土で作られた物を出した。
「「・・・」」
「兄ちゃんスゲー!、ロボットも飛行機、自動車のオモチャも有る、俺もやりたい、作りたい、兄ちゃん作らせてー」
「いいぞ〜、最初から人形は難しから、皿からかな、今度釉薬を使った陶器でも作るか、仕上げはコウの魔法以外は出来ないから出来た時に感動もんだぞー」
「俺の魔法でしか作れない、ウン、作りたい、作らせて」
「良し、魔力が戻ったら土から粘土を作ってやるから一緒に作ろうな」
「わーい、作るー」
「シンさんは何者?、色々と知り過ぎてると思う、器用に色々な物を作ってるし」
「アー、これは多分駄目なタイプだわ、シンは多趣味で広く深くまでのめり込むタイプよ、
試すのが落ち着くまではシンは魔力切れで使えない時間がかなり出来そうね、
彼みたいな人種は完全に趣味に没頭すると周りが見えなくなるタイプなの、私達が管理しないと餓死か過労で机にうつ伏せに倒れて死んでる姿が目に見えるようだわ。
ハー、またこのタイプが家族にいるのね?、頭痛いわー」
「サチさん、私のお父さんも似たりよったりでした、父の手綱を引いてと死に際の母に言われやっていましたから、躾けを手伝えます、一緒に頑張りましょう」
「エッ、しつけ?、そっ、そうね、頑張りましょう」(この子もヤバそうね)
「ハッハッハッハー、どうだコウ、このロボットは土で作ったのに腕が動くんだ、凄いだろ〜」
「兄ちゃん!スゲー、俺もロボット作るー」
「ハァー、今は何言っても止まらないわね。
私達は料理を作りましょう、幸い包丁にテーブルに食器、かっ、かまどまで作ってある・・・。
食材もさっきの森の散策でみんなが持ち寄りましたから豊富に有りますし、ただ、調味料が在りませんから味は保証できませんけど」
「スルーして持ち直しましたね。
サチさん、壁に並んだこのフタ付きの壺の中身は塩と砂糖みたいですよ」
「エッ?」
「アー、それね、塩は掘っていたら岩塩が在ったので砕いて塩にしました、
砂糖は潰した果物から糖分だけを抽出してみましたので良かったら料理に使って下さい」
シンの言葉に唖然とする2人。
「凄いですね、お父さんは趣味は釣りだけでしたが、多趣味、恐るべし、下手に文句が言えない」
「この人、予想以上だわ、集中して掘りつつ、周りを観察して利用可能か判断して利用可能にまで直ぐするなんて、何とかと何とかは紙一重と言うけど、私達のすぐ側にも人知れず存在したのね、その何とかが」
「流石に何とかで誤魔化しましたねサチさん、でもシンさんは両方の面がありそうで手綱が引き辛いです」
「どちらにしろタイミングで止めるわよ、傍から見てどちらをやってるかは分かりそうも無いから」
「ハイ、シツケます」
「兄ちゃん、ゴーレムのコアにプログラミングして自動で動くゴーレムを作ろうぜ、あと、大きいヤツを造って4人が乗り込んで、この世界の軍隊なんか蹴散らしちゃおうぜ」
「人が中に乗れる程の大型のゴーレムは軽い素材なら作れるが、戦えるくらいの頑丈な素材を外殻だけでも使うと重すぎてまともに動かないぞ、遊びならいいが実用性は無いぞ」
「フッフッフー、 人型ならそうだけどー、アラクネみたいに足を増やした感じなら巨大でも速く動けて倒れない、ネッ、行けそうでしょ」
「確かにこの世界には色んなスライムが居て生態系を守っているせいか、何故か虫が居ない、
だからゴーレムの虫形は作られた事は無い様だな、これは試す価値はあるな。
虫型なら小型化もしやすいし、戦力だけでは無く、偵察や索敵様に小さい物や軽い素材を使い飛べる物を作れば凄い便利になるな。
フッフッフー、イケるぞー、だが、魔方陣の開発は俺の苦手分野なんだよなー」
「フッフッフー、その辺はオレがイケるよ、プログラム用の魔法陣も、重なる様にして魔法陣を繋ぎ合わせれば小さくまとまるのが分かる、本体を作って子機を操る様にすれば簡単な事しか出来ないけど凄い小さくする事も出来る。
でも、何で?、出来るのは分かるんだけど、何で出来るのかはわからない、まぁ、そんな事はこの際どうでもいいかー」
「・・・不味いこのガキ、完全にマッドの思考だ、考えを実行する時は絶対に許可制にしないと、俺達が危険に晒される」
「あんたも、大概だけどね」
「シンさんも、大概ですけどね」
「エッ、俺も?」
「「自覚しろー」」