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グランドスター  作者: 東メイト
第四章 ペンタス王国編
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第19話:難攻不落の城ペラル

ティラミスが出発したその日の朝、カナン達はペラルの砦へと向かった。

ペラルの砦は難攻不落の砦と言われていた。なぜならば、砦の前には激しい川が流れており、砦に行くためには一本しかない橋を渡って行かなければならなかった。そのうえ、その橋はペラルの兵士達によって厳重に守られており、簡単には通ることができなかった。そこでカナンは予めクルーにペラルの砦の偵察を頼んでいた。

クルーは急ぎ足でペラルの砦へと向かった。そして、クルーはペラルの砦に着く直前、知り合いの女盗賊に出会った。

(クルー)

「レイチェル姉御っ!」

(レイチェル)

「なんだ、クルーじゃないの?ずいぶん、久しぶりね。あんた、またこの国に戻ってきたのかい。前はこの国を出て一攫千金を狙うと息巻いていたくせに……」

(クルー)

「相変わらず、姉御は手厳しいでやんす。今はあっしはあるお方に仕えているでやんす。そのお方の頼みでちょっとペラルの砦に偵察に行くでやんす」

(レイチェル)

「なんだい?ペラルの砦に行くのかい?だったら、悪い事は言わないよ。あそこは止めときなって……とても普通の盗賊じゃ忍び込める様な所でないわよ」

(クルー)

「忠告はありがたいんでやんすが……どうしてもあっしはあそこに行かなければならないでやんす」

(レイチェル)

「ふ~ん……そうなのかい?足の軽いあんたにしてはずいぶんと入れ込んでいることだね」

(クルー)

「昔のあっしとは一味も二味も違うでやんす。それだけ今の主が大切なんでやんす」

(レイチェル)

「なるほどね……仕方ないわね。昔、つるんでいたよしみだよ。あたいも協力してやるよ」

(クルー)

「それはありがたいでやんす」

クルーはレイチェルの案内によりペラルの砦の裏側へとまわった。

(クルー)

「こんな場所に来て一体何をするでやんす?」

(レイチェル)

「しっ!いいから静かにして見てなって……」

レイチェルは仕切りに周囲を警戒すると入念に砦の壁際を見まわした。

(レイチェル)

「……あったよ。ここだっ!この場所から中に入るよ」

レイチェルは持ってきた袋の中から掻ぎ爪を取り出すと紐をつけて砦の一部に引っ掛けた。そして、塀の上へと登っていた。

レイチェルに続いてクルーも付いていった。砦の中に入るとレイチェルはクルーと違う方向へと向かった。

(クルー)

「姉御、どこに行くんでやんす?」

(レイチェル)

「あたいはここの偵察に来たんじゃないよ。ここの宝を貰いに来たのさ」

(クルー)

「抜け駆けなんてずるいでやんす……」

クルーは恨みがましそうにレイチェルの背中を眺めていたが、本来の目的である偵察へと向かった。

クルーが将軍の間にたどり着くと丁度一人の兵士がベルガー将軍と話をしていた。

(ベルガー将軍)

「何だとっ!アサシンギルドが潰されただとっ!」

(ペラル兵)

「はいっ!間違いありません。この目で確認して来ました。あったのは

瓦礫の山だけでした」

(ベルガー将軍)

「そうか……まぁ、それは丁度良かった。そろそろ奴等の使い道も無くなってしまったからな。それよりも……アサシンギルドを潰したのは一体どこのどいつなのだ」

(ペンタス兵)

「はい、申し上げます。街の噂によるとどうやら逆賊カナン一味の仕業と思われます」

(ベルガー将軍)

「何、カナンだとっ!それは何とも幸運な……という事はいずれここにも来るであろう」

(ペンタス兵)

「……そうなると思われます。ここを通らなければ隣国のフルーレ国には行けませんから」

(ベルガー将軍)

「これは国に貢献を示す良いチャンスなのだ。カナン一味を捕まえる何か良い手はないものか?」

ベルガー将軍が頭を悩ませていると一人の傭兵が意見した。

(???)

「将軍、こういう手はどうだ。まずカナンにアサシンギルドを潰してくれた英雄としてこの砦に招くのだ。そして、カナン達を完全に油断させた所で睡眠薬入りの料理を食べさせて眠らせるのさ。そうすれば、あとは将軍の煮るなり焼くなりすればいい」

(ベルガー将軍)

「おお、お主はトリンではないか。お主の噂はこの砦にも届いておるぞ。なるほどな……たいした切れ者だな」

(トリン)

「お褒めの言葉ありがたく頂戴するぜ」

(ベルガー将軍)

「では、早速カナン共に手紙を書くとしよう」

(トリン)

「それと宝物庫にこのような女ネズミが忍び込んでいたぞ」

トリンは後ろ手を縛ったレイチェルをベルガー将軍の前へと突き出した。

(レイチェル)

「痛いなっ!何すんのさっ!あたいは女なんだからもう少し優しく扱いなさいよ」

(ベルガー将軍)

「ふんっ!この砦に入ったネズミに男も女も関係ないな。この砦に忍び込んだ奴は死刑と決まっているからな」

(レイチェル)

「そんな……ちょっと待ってよ。あんた、こんな良い女を処刑するって言うのかい?」

レイチェルは豊満な胸元をちらつかせた。

(ベルガー将軍)

「ふんっ!色仕掛けか?無駄なことを……わしには効かぬぞ。すぐに死にたくなければ、この砦に忍び込んだ訳を素直に話すのだな」

(レイチェル)

「あたいがこの砦に忍び込んだのは……この城の情報を探るためさ。とある人物に依頼を受けたからね」

(ベルガー将軍)

「その人物とは一体誰だ?」

(レイチェル)

「さぁね……その人物とは直接会った事がないからね。盗賊ギルドから間接的に依頼されたのさ。さぁ……話す事は話したんだから見逃しておくれよ」

(ベルガー将軍)

「なるほどな……この盗人め。この女を地下牢にぶち込んでおけ。カナンを処刑次第この女も縛り首だっ!」

(レイチェル)

「何だってっ!話が違うじゃないかっ!本当の事を話したら命を助けてくれるって言ったじゃないのさ。この嘘吐きっ!薄情ものっ!」

(ベルガー将軍)

「すぐ死にたくなければとは言ったが、見逃してやるとは一言も言ってないぞ」

ベルガー将軍は狡猾な笑みを浮かべるとレイチェルのことを嘲笑った。

(レイチェル)

「くそっ!あたいをペテンにかけたなっ!この卑怯者っ!」

レイチェルは大声をあげながら地下牢へと連れていかれた。

(クルー)

「大変だっ!急いでこの事を旦那に知らせなければ……」

クルーはペラルの兵に見つからない様にカナン達の元へと急いで戻った。


その頃、ティラミスはジェラートと剣を交えていた。

(ジェラート)

「覚悟はできているだろうな、ティラミスっ!」

(ティラミス)

「ああ、承知している、兄上。私が兄上に負けたら素直に国へ帰るという事なのだろう?」

(ジェラート)

「 そうだ……その覚悟ができているのであれば、すぐにでも始めるとしよう」

ジェラートは静かに剣を鞘から引き抜くと剣を振り上げてティラミスの所まで迫ってきた。

ティラミスはその剣を自らの剣で受け止めると後ろに退いて再び前に飛び出して流星剣を放った。

ジェラートは2、3発食らいながらもそれらの攻撃をかわした。

(ジェラート)

「前よりも少しはやるようになったが……まだまだ甘いなっ!」

今度はジェラートがティラミスに向けて流星剣を放った。ティラミスは4発食らったが最後の一撃だけは何とか回避した。

(ティラミス)

「兄上の方こそまだ甘いのではないですか?」

(ジェラート)

「言ってくれるな……ならば、これはどうだ?」

ジェラートはティラミスに足を引っ掛けて転ばせた。

(ジェラート)

「剣だけが剣士の武器では無いぞ。この体だって立派な武器の一部なのだ……隙ありっ!」

(ティラミス)

「なんのっ!これくらい……」

ティラミスは横に体を転がすとジェラートの剣をかわして立ち上がった。そして、ティラミスは再びジェラートとの距離を徐々に縮めた。

ジェラートとティラミスは何時間もの間、流星剣を放つ、受ける、避けるという3動作を繰り返した。

(ジェラート)

「はぁ……はぁ……はぁ……そろそろ負けを認めたらどうだ、ティラミス?」

(ティラミス)

「はぁ……はぁ……はぁ……まだ負けは認めません、兄上っ!」

(ジェラート)

「お前も……なかなか……強情な奴だな……」

(ティラミス)

「兄上こそ……強情では……ありませんか?」

(ジェラート)

「次の一撃で決着をつけよう……でないと二人とも決着がつかぬまま共倒れになるぞ」

(ティラミス)

「……分かりました、兄上。次の一撃が最後です……」

ティラミスが頷くとジェラートは息を整えて先に攻撃を仕掛けてきた。

ティラミスにはジェラートの姿がとても大きく映って見えていた。そして、ティラミスは剣を持つ手に名一杯の力を込めて構えた。

(レクトル)

『……力を抜いて下さい。もっと楽に生きてもいいんですよ』

ティラミスはそんなレクトルの言葉を思い出すと手に込めていた力を抜いて剣を下へと向けた。

そして、ジェラートの動きをしっかりと目で捕らえるとジェラートが放ってきた流星剣を全てかわして反対に流星剣を放った。

(ティラミス)

「優しく……優しく……」

ティラミスはジェラートに剣で斬るのではなく剣で触れるというようなイメージをもちながら流星剣を奮った。

ジェラートは今までとは違う動きに気を取られてティラミスの流星剣を全くかわす事ができなかった。

ジェラートがティラミスの流星剣を全て食らうと空高くに突き上げられて地面へと叩きつけられた。

(ジェラート)

「ぐはっ!……見事な……流星剣であった……やるようになったな……ティラミス……」

ジェラートはティラミスのことを誉めるとそのまま気絶した。

(ティラミス)

「兄上……ご指導……ありがとうございました……」

ティラミスもジェラートにお礼を述べるとその場に倒れた。2人はそのまま何時間も倒れたままであった。

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