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猫ツンガールは甘えベタ

こちらの作品は一部の男性向けとなっております

ジャンルで言えば恋愛系に該当します

近所に住むその女の子は素直で大人しくみんなから可愛がられるマスコットのような存在だった。

その女の子は外を歩けば色んな人から声をかけられ、それに笑顔で答えていた。

友達も結構いて、よく公園で楽しそうに遊んでいるのを見かけていた。

その子の周りの人間もにこにこしていて、その子がいるだけで世界が和やいでいた。

でも、そんな彼女に笑顔は作り物で

そこに悪意は一切なくて

その笑顔はまるで借りてきた猫のようだった。

その女の子はよく近所の人からお菓子を貰ったり

頭を撫でられたりしていた。

貰ったお菓子はすぐに食べて笑顔になり

頭を撫でられると顔をくしゃっとさせながらはにかんだ。


背後から視線を感じて振り返ると女の子は電柱の陰に隠れてしまった。

近づいていくと走って逃げ出し

近づく事に成功して頭を撫でようとすると、するりと避けられた。

一度彼女の好きそうなお菓子で油断させようかと思ったけど

その子は手のひらからお菓子を掠め取ると何処か遠くへと走り去ってしまった


ある日、家の都合で引っ越す事になった日の事

車に乗り込もうと家から出ると女の子が立っていた。

女の子は近づいてくると俯いたまま何も言わなかった。

じっとしてる女の子の頭に手を近づけてみても逃げなくて

撫でてみると甘い香りが拡がった。

はじめてその子に触れた気がする。

頭を撫でてから車に乗り込もうと歩き出すと後ろから服の裾を引っ張られた。

振り向くと女の子は手に何か持っている。

それは手紙で、こちらへ向けて差し出しているようだった。

違和感を覚えながらもそれを受け取ると女の子は何処かへと走り去ってしまった。


車に乗り込むと、車は走り出し

その中で違和感の正体に気づいた。

あの子が人から何かを貰うところは何度も見た来たけど

あの子が人に何か物をあげるのは今まで見た事がなかったからだ。


手紙を開け中を見るとそこには一言だけ『嫌い』と書かれていた。

その文字を見て、何故か笑みが零れた。

読んでくれてありがとうございます。

こういう素直になれない女の子って可愛いですよね

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