魔族自治領騒乱前編
今回、主人公以外の性転換者が出てきます
書いている途中で浮かんだにで、ストーリーに加えてみました
魔族自治領周辺の裏街道~Sidek
シロウSide
酒屋での食事を終えた僕らは一行は、今、ミミさん達と一緒に、魔王自治領に父さんと向かっている。
魔王自治領は、かって、魔族とその他の種族と長い間戦争を繰り広げて、お互いに疲弊してきて
魔王と女神イザナミが、確か、互いに勝負をして、魔王と女神イザナミのどちらが勝つかを決めた。
つまり、多くの犠牲の上の勝利かそれとも、自分たちが従う魔王か女神の一騎打ちで決めるか?
のどちらかで決めようと提案し、その結果、2代目魔王と女神イザナミが百回勝負をして、最後に女神イザナミが魔王に勝った、そして、魔王は潔く、この世界から去り、残された魔族の将軍達や兵士達は自分達の住む国を永遠に失う代わりに、自治領が誕生した。
その後、魔族は世界各地に暮らすものと自治領に残るものに別れ、現在、魔族の大半が傭兵または
各国の兵士になっている、僕が知っているのは、これ位の話で、ミミさん達の話では魔族の世界を破滅に追いやったのが、初代魔王で、二代目は、その初代魔王の行った行為の敗残処理を押し付けられた形で、話し合いでの解決は、ほぼ不可能な位、お互いに沢山の犠牲を出していたそうだ。
魔族自治領には、ミミさん達を送るついでに、特産の魔石を買い付けようと思う
これは、純度の高い魔力の結晶で色々な物に使われていて、僕の場合は転生前に、最高位の神様から
僕の前世の話のお礼にと、死んだ者以外の病や怪我を治せる【力】を授かったので、少しづつ、自身の成長に合わせて、その力を使えるように鍛錬をしてきた。
そして、余りにも、僕の魔力が高くなりすぎたので、最近は宮廷魔術師のロア様と言うお爺さんに
魔術のコントロールの仕方を教えてもらっているお陰で、最近は徐々に力を制御が出来てきたが
それでも、まだ、身体が幼いので、頻繁に使うことが出来ない。
さてと、黙々と歩いているのも退屈なので、ミミさんにこっちの世界に来た理由を尋ねる事にした。
「ところで、ミミさんは、どうして、魔王自治領に?」
「うーん、シロウ君、里帰りかな? 私、最近まで忙しくて、実家に帰ってなかっいたのよ
この前、ようやく仕事がひと段落着いたから、たまには、みんなの顔が見たくなってね?」
「ああ、そうだな、あれからかなり帰ってないな?」
「グレイル君、ミミさん、魔王自治領の検問所が見えてきましたよ」
父さんの言う通り、裏街道の魔王自治領の検問所の門が見えてきた、でも、今日に限って兵士の数が何時もより多い気がする、何かあったのだろうか? なんだか物凄く嫌な予感がする。
※※※
ミミSide
シロウ君達と一緒に里帰りの為、裏街道を、グレイル君と歩いているのは
私達は、これでも、元魔王とその愛馬で、あの戦いから、随分時間が経ったけれど、私の顔を覚えている者が居てもおかしくないし、素顔だと何かと私達には都合が悪いので、私はフルフェイスの仮面を付けている、グレイル君は外見は魔術師の法衣に杖を持って、短くした黒髪に額に赤い角が出ているが、人間の奥さんが出来るまでは馬の姿のままだったので、この姿を知っている者は殆ど居ない
から、私達の正体に気付かれる心配はない、問題の検問所で、どう、誤魔化そうか?
幾つか、考えてみたけれど、まず、越後の商人…… これは、即却下、だって、この世界に、越後と言う地名は存在しないし、時代劇でもない、おふざけで言ったら、即牢屋送りになる、次に、別大陸の旅人、これも、かえって怪しまれる、だって、私の知っている国は大半がこの世界の歴史で滅亡した国ばかりだ、悩んでも仕方が無いので、念話でグレイル君に相談をする事にしよう。
《グレイル君、一番の問題は、自治領の検問をどう摺り抜けるかね?》
《そうだな、力ずくは、NGだから、おもい切って、見張りの兵士に暗示を掛けるのは?
でも、それだと、折角、此処まで案内をしてくれた、フユクサ親子に面倒を掛けるしんな?
仕方が無い、素顔だけ見せて、取り合えず、二代目か三代目の魔王陛下に顔がよく似ているのて
紛らわしいから、顔を仮面で隠している魔族の騎士ですと言って、やり過ごそうか?》
うーん、私の素性の誤魔化しは良いとして、参ったなぁ、だって、里帰りは何時も、魔王城に直接転移で済ませてきたら、この世界の調査が加わると考えた事も無かった。
そう考えていたら、検問所が近づいてきた、警備に当たっているのは、魔族の下級兵士かと思いきや
オークにリザードマンとコボルドにミノタウロスの兵士長にダークエルフの弓兵に銃兵も居る
中々、装備が充実しているので、二代目としては関心したいが、今は平時で戦時ではない
明らかに、ピリピリしたこの緊張感も異常だわ、兎に角、兵士に事情を聞いてから、私の正体を明かした方が賢明かもしれないと思う。
「そこで、止まれ、お前達は・・・・・・ おや、フユクサ先生でしたか」
「ご苦労様です、ザルグ警備隊長、ええと、この方たちが、魔王自治領に用があると申されるので
此処まで、お連れいたしました、ところで、皆さん今日は、かなり物々しい雰囲気ですね、何かあったのですか?」
「ええ、この前、この森の付近で猟に来ていた、コボルド族とオーク族の若者が数名
何者かに、襲われまして、幸い命は助かったのですが、その者達の証言から、自分達を襲ってきたのは、どうやら、人間族だったと言うことですので、今、警備の強化をしている所ですので
先生達もご協力をお願いいたします、では、この台の上に手荷物を置いて、中の物を全てお見せください、そちらの、女騎士殿と魔術師殿も同様に、ご協力をお願いいたします
先ずは、女騎士殿、大変申し訳ないのですが、仮面を外して素顔を拝見させて下さい
手配書の人相書きの形式的なチェックですので、ご協力を願います」
確かに、普通、そう考えるのが自然だろう、仮面舞踏会でもないのに素顔を隠しているのは
大抵、犯罪を犯したものか、訳ありの者に限られてくる、私は自然に仮面を外した直後に
兵士達が驚きの声を上げる、無理も無い、私は二代目の魔王でしかも、私のひ孫は、私にそっくりな
顔立ちだから、この反応は自然なものだった。
整った顔立ちに紅いショートの髪型にやや、キリッとした目付きで彼等を見て、にっこり微笑んでから
「この通り、私の素顔は、恐れ多くも二代目魔王【ミレニアム・エレミア・サンダルフォン】陛下と
瓜二つなのですから、それで、魔王陛下の一族の方々に間違われやすいので、敢えて、仮面を付けて
誤魔化していた訳です」
「確かに、瓜二つ……」
私の顔を見た、ミノタウロスの兵士長の兵士長が重々しく、私の素顔の感想を述べようとした時
突然、森の奥から爆音と銃声と悲鳴が聞こえてくる、これは決して訓練ではない、間違いなく実戦だっ! 私は、グレイル君にアイコンタクトで本来の彼の姿に戻るように命令する
彼は少しめんどくさげな態度を取るも、魔力を開放して本来の黒いユニコーンに似た魔神の姿になった。
兵士たちは驚いて腰をぬかして【やはり只者では無かったか】と言う視線を私に向ける
フユクサ先生とシロウ君を尻目に、グレイル君の背に跨ると、手早く、私は彼等に指示を手早く出した。
「ザルグ警備隊長、直ぐに、魔王軍本隊と付近の農村や関所に早馬で伝令を、この街道の閉鎖を優先しなさい、また、この付近に展開中の魔王軍がいたら、ミレニアム・エレミア・サンダルフォンが加勢すると伝えて、私とグレイル君は現場に先行して、交戦中の相手の真意を計ります
あ、フユクサ先生達は、此処で居てて下さい、もしかしなくても、怪我人が運ばれて来ると思います」
「了解、しました、前魔王陛下、ご無礼の談の非礼の叱責は後ほど、言われたとおり通りに
早馬を出せ、ここは、守りを固めろっ」
「ミミさん、お願いします、是非、僕を連れて行ってください」
シロウ君の突然の懇願に、フユクサ先生は厳しい表情を浮かべて、彼の目をじっと見てから
一言「わかった、向こうでも沢山の怪我をしている人が居るだろうから、気を付けて行きなさい」とだけ彼に言い聞かせ、私に頭を下げて、息子の事をお願いしますとだけ、言い、私への同行を赦した。
私は、グレイル君は、シロウ君が自分の背に乗るのを手伝って、と言うか、彼を咥えて背中後ろに
着地できるように、放り投げて私が彼を受け止める、これは、グレイル君には後でキツく言い聞かせないといけない、でも、それは後回しです。
「シロウ君、しっかり私に、しがみ付いて、グレイル君、行きます、ハァッ!」
「は、はい、うぁぁぁぁっ!」
グレイル君の腹をけり、疾風の如き速さで、検問所を私は単騎で駆け抜けていく
検問所の方からも、私に続こうとする騎兵たちが居るが、グレイル君に追いつける馬は
この世界に、もう居ない、それに、彼を乗りこなせる人物も、私とイザナミを除けば条件付で
1人か2人だろう、随分と寂しくなったけれど、昔しの干渉に浸るのは後でいい。
今は、戦闘が起きている所に、到着して一気にこの騒ぎを終らせてしまいましょう。
※※※
魔王自治領~Side
リリアSide
「うっ、くっう、はぁ、はぁ、はぁ、ぐっ!」
わたしは、心の中で、こんな筈じゃあ、こんな筈じゃあ・・・・・・ と、左わき腹に喰らった怪我を庇いながら、くり返していた、そう、わたし達は、イストリア王国の捕虜収容所から、ルーフ連邦に亡命したいと持ちかけてきた、イストリア王国の兵士から【脱走】の手引きで、逃げ出したて来たんだ、そして、脱走の時、イストリア王国の兵士から今は無くなった故国【レムナント王国】の騎士の装備一式を何の迷いも無く受け取り、捕虜収容所の警備兵に気付かれる事なく、此処までたどり着いた。
だけど、突然、彼らが襲い掛かってきて、わたしは、イリーナ姉さんを庇って、左わき腹に怪我をしてしまった、不快な血の味が口の中に広がり、剣を構えるのが精一杯だ、前髪が汗で額に、べったりくっついていて、わたしの自慢のワインレッドのショートポニーも、こいつ等との斬り合いで、バッサリ斬られてしまった、イリーナ姉さんは最後のレムナント王国の王族として、何時か国を再興しなくてはいけない女性だから、手負いのわたしが、こいつ等の囮になる事を決めて、姉さんに言葉を振り絞りながら、逃げるように促す。
「い、イリアナ姉さま、貴女だけでも逃げて、ぐっ」
「ダメ、こ、腰が抜けて・・・・・・ 動けない・・・・・・」
「へ、よく見れば、両方、あと、2・3年待てば、極上の美人に為りそうじゃないか?
手負いの女は、俺が貰うから、そこで、ウサギみたいにガタガタ震えているのは、お前達に暮れてやるぜ」
「「ヒューーーッ、流石、隊長話が早い!」」
わたしは呻きながら、イリーナ姉さんを逃がす為に剣を構え直して、レムナントの赤い鎧を纏った騎士達を睨み付けて、様子を伺う、彼等は最初からわたし達を利用するつもりでいたのだろう……。
下衆が……。 わたし達の前に立ちはだかる敵は10人、対して姉さんは、逃げる時、身分を誤魔化しために、騎士の鎧を身にまとっているが、武芸は殆ど知らない、そして、わたしは手負いの身、これで、この、連中に勝てと言うのが無謀と言うものだ、それを知っていて、連中は下卑た笑みを浮かべながら、彼等がわたし達姉妹に近付いて来たとき、炎を身に纏った黒いユニコーンの背に跨がった、魔族の女騎士が疾風の如き速さで此方に迫ってきた、そして、わたしの想像を超える速さで
わたし達を裏切った騎士達を倒していった。
「はぁっ、せっ、だりぁ!」
「ぐはっ!」
「ぐ・・・・・・ 貴様、なに・・・・・・」
「げはぁっ」
「つ、つぇえ、何者だ貴様っ」
魔族の女騎士が騎士達をああも簡単に倒したてしまった、彼女の容姿は人間とさほど変わりは無い
サラリとした赤毛のショートカットに切れの有る紫水晶のような瞳の女騎士だ、残りの騎士達は、相手がかなりの手誰だと判ると、隙の無い構えで、それぞれ得物を構え直す、わたしは彼女の愛馬を見る、その馬の姿は、わたしが子供の頃、宮廷魔術師の爺やに聞かせてもらった【伝説の魔王の愛馬グレイルニル】によく似ていた、だとすると彼女は・・・・・・。
「ま、人間同士のいざこざだけなら、私も目を瞑ろうかな? と思っていたんだけれど
流石に、元二代目の魔王としては、非流血で、君達を捕らえて後は娘に任せようかな?
そこの、人間の女騎士さん達は、私達(魔族)に敵対じゃなくて、そいつ等に酷い目に合わされていると言う事で合っている? ま、詳しい事は後で聞かせてくださいね?
その前に、シロウ君は、彼女の手当てをお願いしますね、そして、グレイル君は彼等の成敗を、ただし、彼等にも聞きたいことは山ほどありますので、死なない程度に痛めつけてください」
「はい」
「ああ、元よりそのつもりだ、我が主よ、ザコ相手にオレが本気を出すのも馬鹿げているしな?」
「「!!」」
イストリア王国の兵士達が殺気立ち、魔王を名乗る彼女に一斉に襲い掛かるが、突然、彼女の愛馬から紫の炎が円を描くように馬の周りに纏うように現れると、炎が拡散して彼等を襲う。
わたしは彼らが生きたまま焼き尽くされるものと思いその光景から目をそらしたが、恐る恐る目を彼等の方向に向けると、彼らは気を失ってその場に倒れてた、そして、魔王が辺りを見回している
時、。
「オレの殺気のオーラで気絶か、全く最近は貧弱なヤツでも騎士になれるんだな?
む、主、気を付けろ、新手が潜んでいた、オレ達の真上の木の上だっ」
「魔王覚悟ーーーッ!」
わたし達の頭上から、魔王目掛けて1人の少年が魔王に襲い掛かった、しかし、彼女は少年の攻撃を
一指し指に集めた魔力のシールドだけで防ぎきっていた、少し寂しそうな表情で自分を襲ってきた
少年を咎めるように、彼に穏やかに語りかける。
「今の私だけを狙った不意打ちは、100点中満点です、そして、グレイル君のオーラの攻撃を完全に防ぎきったのも満点です、ただし、キミが手にしている剣は頂けませんね? それ、自分の命を代価に、魔王だけを消滅させる呪いの剣なのは、マイナス1000点です」
「ぐぎっぃぃぃっ」
彼は何者かに操られているかのように、水色の髪を振り乱し、まるで獣のように魔王を恐ろしく早い斬撃で襲い掛かるその瞳は、異常なほどギラついていた、それらの攻撃を彼女は、まるで舞踏会に参加している貴婦人のように華麗に舞うかのように、その事攻撃を事ごく払いのけ、弾き返し、捌いていく、そして、彼が次の攻撃を繰り出す前に、彼女が先に動いた。
「うーん、キミと闘ってみて解りましたが、キミ自身も好くない呪いの類に掛かっているようですね? では、こうしますか? 母なる大地よ、この者を戒めよ」
「!?」
これは、植物に干渉して相手を拘束する魔法だ、木の蔓や草がまるで意思を持った触手のように
少年の身体をあっと言う間に拘束し動けなくする、そして、空かさず、魔王は彼を魔力で出来た
巨大な球に閉じ込める、球の中には緑色の液体が入っていた、そして、魔王は心底嫌そうな表情をすると、苦苦しく呟いた。
「はぁ、私、あんまり触手プレイとかその他もろもろは、あんまり好みじゃないんですよね?
ま、今回は、キミを助ける為に、行いますが、これを私にさせた時点で、キミは勇者としての末裔失格です」
えぇ!? この少年が勇者・・・・・・ わたしは驚きの余り、球体に閉じ込められている彼を・・・・・・
見ようとして、球体の様子がおかしい事に気がついた、球体に閉じ込められている、少年は水色の髪の毛が腰の辺りまで長く伸び、体つきも鍛えている女騎士くらいの体格になって少し背が縮んだ気がする、その容姿はわたしが見ても羨ましくなるくらいの美少女に変わっていた、そう、彼は【彼女】にかわっていた、わたしや姉さまが驚いている、時に魔王に連れられてきた少年がわたしに近づいていて来て。
「すみません、キズの手当てをしたいのですが、宜しいでしょうか?」
「ああ、頼む、今、起こった事を見ていて、自分の怪我を忘れていた、ところで魔王、一体、彼に
何をしたんだ、さっきまで少年だったのに、まったく、訳が解らないぞ?」
「ええ、そうですね、彼の持っている、剣は、勇者の命を代償に魔王を倒すだけの呪われたぶきです、アレと同じ物を持っていた、異世界の勇者がいたので、今でも、よく覚えています
彼を【女の子】にしたのは、彼が気がつかないうちに、誰かに、剣が発動した瞬間を知らせる、呪いが彼の身体に埋めこめれていたのと、彼が失敗もしくは、剣を破壊された事を知らせる呪いが掛けられていて、これを完全に解くには、彼が確実に私と死ななければいけないのが
この、呪いの厄介な点でして、それで、おもい切って、彼を助ける為に、彼の身体を作り変えました、勿論、この騒ぎの後で、【魔王三大巨柱】の1人、メイド長兼任の大錬金術士ミランダさんに
手伝ってもらわないと、色々、厄介な事になりそうですね?」
彼女は心底嫌な顔をすると、ため息をついた。
次回、不定期ですが更新を頑張ります。