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サクラ姫と自由騎士とオークの娘

※今回、キャラの設定の過去話として、ガイドラインのR15の問題になりにくい例のシーンの

性的描写がありますので、それらの苦手な方は、プラウザバックをお願いいたします。

イザナミ神殿side


サクラside


ここは…… 何処だ、何故、私は戦場(こんな所)に居るのだ? 

辺りには見渡す限りの地獄絵図が広がり、転生前、見てきた私でさえ息を呑む無残な光景に恐怖を覚える、そして、その光景の中心には父上が見るも無残な姿で立っていた……。

私は父の元に駆け寄ろうと走り出すが、父との距離が一向に縮まらず

どんどん、父が遠い所に行ってしまう、そして、何かに足を捕られその場に転んでしまい

もがいているうちに、父の姿は見えなくなってしまった。

私は必死に、父の名を叫んでいた、所で周りの景色が深い闇に飲まれていった。


「はぁ、はぁ、はぁ、ゆ……めか……? いや、夢にしては恐ろしく現実的な光景だった

もしかしたら、この3年間の巫女の修行で、自ら封じてきた、最高位の神の未来視の力が

抑えられない位に強力になったのかも知れない」


改めて、先ほどの夢の光景を、ゆっくり視て見よう、そうすれば、朧げながらも、何かしらのヒントが見えるかもしれない、先ず、父の最期の光景だが、あれは父の現在の年齢と合致する

つまり、近時か内戦か遠征で【フヨウ王国の王】が戦で討ち死にをする事と言う事だ、しかし、フヨウ王国の国内は父やその忠臣達によって、政治は安定をしている

それに、父が最後に立っていた場所は国外の可能性が高い、恐らく、海外への遠征が原因だろうか?


(どうする、誰かに、相談をするか? いや、それでは、私が気がふれたとみなされる

かと言って、このような事を迂闊に私が公言をすれば、かえって平穏を享受している民達が動揺する……)


辺りは、夜の帳が支配をし心地よいひんやりとした風が私の部屋に入って来るが、今の私には薄気味が悪い空気を感じていた。

さて、どうしたものか、否、これが一つの結末なら甘んじて受け入れよう、その為に、冥王に無理を頼んで転生をさせて貰ったのだから。

この夜、私は眠れぬ夜を悶々と独り考えながら過ごすのであった。


※※※※

冥王宮:ミミの書斎side


ミミside


冥王様の仕事のお手伝いを終えた、私は、最高位の神様が転生なさられた

世界の事を考えていた、だって、そこは私が、かって魔王時代に支配をしようとしていた

世界で、その時に私と共に女神イザナミと戦った、かっての親友を思い出していた。

魔神の眷属の一人にして、私の愛馬【グレイルニル】君ことグレイル君の事が気掛かりだった

彼は、私がイザナミに敗れた後、自らをあの戦いで生き延びた巫女達に【主が去った、今となっては俺も暇を持て余すから、さっさと封印しろ】と言って、自ら封印を望んで眠りに付いた。

あれ以来、私は、彼が眠り続けているものと思っていたのだけれど……。

どうやら、彼の封印が破られたようだ、それで、私はかっての故郷に里帰りをする事に決めた。


「と言う訳で、冥王様、暫く里帰りをしてみたいのですが、宜しいでしょうか?」


「うーん、グレイル君の封印はそう簡単に破れる物でも無いですが、確かに【何かしらの力】が働いてますね? 判りました、ただし、ミミさん、貴女の力は全盛期の頃とは比べ物にならない程、弱体化をさせていますから、サクラ姫と合流して下さい、僕はイザナミさん達に少し状況を聞いてみます」


冥王様は、本当に困りました的な表情で、私の里帰りを見てくれた、ただ、気になる、私のフルネームは既に遠い昔に忘れ去られているので、誰も魔王が再臨したと考えないだろうが、念入りに偽名を考えて

おかないと、色々面倒になってくる、色々、偽名を考えながら、私はふるさとに向かった。

それは、ともかく事が全て終わったら、冥王様にお土産をご用意しないと、今回は有給で無いので

全て、私の自腹となる。


※※※※


イザナミ神殿付近の街道Side


レイラSide


ボク達は襲って来た、賊を粗方片付けて、ミオさん達と壊れた馬車の車輪とかを治している

幸い、襲ってきた賊の大半は、山賊になって、日が浅かったのと軍の装備をしていたが戦術に明るくなかったので、此方の被害は死者は殆ど無かった、デュランは皆を纏めて地図を見ながら、どのルートを選ぶべきか、ミオさん達と相談しているし、エルミナは怪我をしている冒険者仲間を治癒魔法で手当てをしていた。


「おや、レイラさんの馬、毛並みが真っ赤ですね? それに、レイラさんに良く懐いていますね?」


「ええ、ミオさん、この子の名前は<グラム>です、そして、この子達は【闘馬】と言って、名前どおり気性は荒くて、余ほど、気を許している相手にしか背中に乗せてくれないんです

この子も、始めて出あった時は、ボクも認めて貰うまでが大変でした」


この子は、王様が馬狩りで捕まえて連れてきた愛馬の娘で、その母馬は気位がとても高くて、並みの騎士では乗る事すら、おぼつかなかった、それで、一度は殺処分が決まっていたが、父さんが、この馬を気に入り、引き取る事にして、もし乗りこなす事が出来なかったら、この母馬の故郷に帰そうと

決めていたのだけれど、そのうち互いに気が合うようになって

今では、父さんの愛馬として活躍している、この子はボクとよく喧嘩をした子で、認めてもらうまで

時間は掛かったが今では良い相棒になってくれた。


「へぇ、そうだったんですか、お、クレイブ副将の部下の方々が来た様です

おや、シェリーさんもご一緒なんですね」


「ほんとだ、それにしても、くっくっ、似合わないよあの衣装は……」


確かに、儀礼用の軍服を綺麗に整えたオークを主軸に各種族の混成の騎馬隊が隊列を乱す事無く此方に向かってくるのが見えた。

※※※※


リンside


どうやら、威力偵察に向かった、ミオ達は臨機応変に事を済ませた見たいだな?

まぁ、お父様から、もし民間人に賊の被害が出ていたら、撃退をしても良いの命令も出ていたから

問題は無いけれど、そろそろ彼女達も、きちんとした部隊に編成させた方が良い頃かもしれない。

ただ、問題は、彼女達の前歴が前歴だけに引き入れてくる部隊が余り無いのが現実で、どれ位、編成が難しいかと言うと

先ず、翼人部隊を率いている飛将軍<リディ>様は

「飛行兵団に陸戦部隊を加えるのは面白い提案だけれど、偵察なら我々でも出来るからね

でも、地上軍の連携も言い提案だね、参考にしておくよ」

と、此方の提案を丁重に辞退してしまうし、魔術師兵団を率いる大魔導師<ロア>様は

「ふむ、それだと、彼女達の持ち味の隠密行動や潜入等の任務が、こなせなくなるぞ

魔術師兵団としては、その提案は受け入れることが出来んな」

と、彼女達の編成を拒否され、最近、編成されつつある竜騎士団は勿論、海軍からも丁寧に、変入先を拒否された、それで、最終的に、お父様が我々黒馬騎兵団に編成させた。

私のお父様はオークのクレイブ・リンガー副将で紅い肌色から【紅い猛牛】の異名を持っているが

猛将と言うより、波状攻撃や騎兵の機動戦が得意な方だ、でも、私は人間の(・・・)だ、ただ

お義父様の影響と芯が強い、お母様の影響で男勝りに育ってしまった。

年齢は16歳で髪型はプラチナの切りそろえたショートボブヘアーに、やや釣り目の蒼い瞳が特徴なのだけれどお母様は、あまり、私の事を嫌っている、理由は、お母様は、もう滅んでしまった小国の姫君で腹心の臣下や騎士に守られながら、故国を脱出し、隣国に亡命をしようとしていたが

そこで、腹心の臣下や騎士に裏切られたそうだ、理由は、その隣国が既に裏切って、故国に攻めて来た敵国に裏切り、それを知った臣下や騎士が自暴自棄になって、お母様を洞窟に連れ込んで襲ったそうだ、その後、彼らは盗賊となって、フヨウ王国に流れ込んでくる。

そして、臣下や騎士の誰の事も判らない私を身ごもり、自殺をしようと考えていた時、甲冑におびただしい返り血を全身に浴びた、お義父様が現れた。

そして、お母様は、オークに乱暴されるならと、いっそ、一思いに短剣で喉を掻き切ろうとしようとして、お義父が、それを寸前の所で引きとめ、人間の女性の使用人と心の傷を癒せる神官医を手配して、良く宛が見つかるまでと言う条件で、お母様の身元引受人になった。

その後、私が産まれると、お母様がお義父様にプロポーズを申し出でて、正式に夫婦になったそうだ。


「よっ、リン、どうやら、そっちも大丈夫だったようだな?」


「ケネスか、ああ、問題は無い」


私に声を掛けて来たのは、ケネス・ビッカー、黒馬騎兵団の騎士の仲間で、私とは所謂、悪友で喧嘩相手だ、彼と始めて合った時、私が義父クレイブ副将の娘だと知って、その時の彼の余りにも

義父やお母様を愚弄した発言に、ついカッとなって彼と乱闘を仕出かし、二人揃って営倉に送られた

のは愉快いでは無かったが、看守の目を掻い潜っての互いの過去話とかで意気投合し

現在は、私の信頼出来る仲間の一人になっている。


「所で、ケネス、自由騎士レイラ殿が気絶させた、オークはどうなった?」


「ん、ああ、あいつか、既に他のヤツに頼んで、首都まで護送されているよ

それにしても、凄いな、白銀の自由騎士レイラは、オーク10体一人で倒して汗や息を切らせていないんだからな?」


「おほん! リン百騎長、準備が整いましたので、ご出発の号令を願います」


部下に急かされて、私達はイザナミ神殿に大急ぎで向かう準備を始める。

※※※※


???Side


???Side


此処は女神イザナミと古の魔王の最終決戦の地にして、魔神グレイルニルが封じられている場所だ、

そして此処には、たった一つのかなり古い封石が一つ墓石のように置かれていた。

そして、此処に、古の魔王を信仰している集団が、この地に集まっていた。


「ふふ、遂に、古の魔王の愛馬のグレイルニルの封印された場所を見つけた。

これで、グレイルニルの封印が解ければ、我々がフヨウ王国に代わって、トア地方一帯を支配下にお置くことが出来る、何しろ、グレイルニルは伝承通りの魔神なら【殺神馬】の異名に恥じない怪物だ

それに、古の魔王を信仰する我等の力になってくれるだろう」


辺りには、忌まわしい、イザナミの封石があるだけで、この広い平原に、それが、ぽつんと、まるで墓標の様に置かれているだけだ。


「よし、魔神グレイルニルの復活の準備に取り掛かる、生贄を此処に連れて来い」


(ふん、生贄……だと? 生憎、オレは、そんな無粋な者は要らん

全く、詰まらない奴等が来たものだ、さてと)


彼は、ゆっくりと目を開くと邪教徒の数を瞬時に把握する、数は10人前後で、生贄の少女は一人

まだ、あどけなさの残る黒髪の人間族の少女だ、表情からして、何処からか攫われて来て、無理やり生贄にされたのだろう、オレは余り人助けは好みではないが、こいつ等にはオレの恐ろしさを容赦なく叩き込んでやろう。

彼は魔力を解放すると、封石を砂に変えて、その姿を、眼前の愚か連中の前にその姿を現した。


「ひっ!」


「「おおっっ」」


彼等の前に現れた、一体の魔神は黒い馬でその姿は、恐ろしげな漆黒のユニコーンに似ていた。

紅いたてがみに多くの犠牲者の血で染まったかのような紅い角が更に、その姿を圧倒的な物にしていた。


「ふん、詰らない連中に、昼寝を叩き起されるとは、オレも随分甘くなったな。

で、そこの娘、生贄になったのは、己が意思か?

嘘を偽っても俺には、直ぐに見破れるからな、恐れず、真実のみをオレに述べよ」


「ひっ、は、はい、わ、わたしは、この人たちに、無理やり此処に連れてこられました

魔神様、ど、どうか、わ、わたしを、た、食べないでっ!」


ほう、オレに睨まれて、泣き出すかと思いきや、中々、勇気の有る娘だな? しかし、それだけ(・・・)だ、さて、じわじわとか趣味じゃないから、邪教徒(こいつら)は、一気に片付けよう。


「貴様等、オレに覚悟が出来ていない、生贄を寄越したのか? ならば、此処で皆果てよっ」


「なっ、うわーーーっ!」


「身体が、身体がぁぁっーーーっ」


「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ」」


オレが力を解放すると、生贄にされていた、少女以外はオレの放った炎に焼かれて、一瞬で蒸発した

少女は、その光景を目の当たりにして、気を失ってしまったが、ま、人里で放って置けば、後は人間達がどうにかするだろう。

さて、眠りの邪魔をした連中は消えたし、これで、もう一眠りをしようと考えていたら

いきなり、空間が歪んでその中から、懐かしい主が姿を表した。


「グレイル君、お久ぶりね~ およ? 少し背丈が伸びたようね♪」


「ああ、主も性別が変わったのか? その執事姿、結構似合ってるじゃないか?

でも、やはり、永遠的なゼロだな、あいかわ……ぐはっ!」


俺は相変わらずの容赦のないツッコミの洗礼を受けた、今も主の禁句は健在なので注意しておこう。

主は、昔は如何にも魔王らしいオーラを纏って、それなりにカッコが良かったのだが

今の主はどちらかと言うと、世話焼きな雰囲気が似合っている。

もしかして、此処に戻ってこられたのは……? オレの心を読み取ったのか、主はオレの考えを否定した。


「うーん、残念だけれど、グレイル君の考えている事とは違うわね、どちらかと言うと

冥王様絡みのお仕事とついでの里帰りみたな?」


「そうか、それは残念だ、女神イザナミは封印されて、オレ達に手出しが出来ないというのに」


ん、主の表情が曇る、どうやら女神イザナミの事を知らなかった様だ、さて、少しばかり

オレが実際見たわけでもないので、渡り鳥の噂話でも聞かせておくか。

オレは知っている限りの事を、主に話した、主はオレの話を聴いてから

暫くして、何か思う所が有ったらしく、魔力を集めると、執事服から、どっかの物語に出てきそうな

如何にも、露出が高い悪の女騎士風の魔族の鎧にに着替えた、ちなみに顔をフルフェイスの仮面で隠している、そして腰には、薔薇をあしらった剣を帯剣している。


「さて、着替えは済んだ様だが、何故かを隠す必要が?」


「それはね、私の事をご存知の方がこの世界にいらっしゃるから、ここでは、謎の美少女魔族騎士を演じておこうと思ってね? それに、そこに倒れている女の子も、人里かフヨウのイザナミ神殿に保護して貰う事にするわね」


そう言って、かってオレに付けていた魔王の軍馬の鞍をオレに手早く付けると

気を失っている少女を抱えて、オレに跨りゆっくり進むようにオレに指示を出した。


「所で、グレイル君は人間になる事が出来る?」


「確かに、オレは有名だからな、神話や伝説にも出ているらしいから、変装は考えて置こう

ただし、生意気な子供にしか成れないが、それでも良いか?」


主は、それでも良いと頷き、この平原を後にした、さて、道中、主をからかったり、オレがからかわれたりのデコボコンビの復活だな? 当分は飽きる事が無い旅が出来そうだ。

ミミは登場予定に無かったのですが、グレイル君の主にぴったりだったので

以後登場が決まりました。

次回、不定期更新になります。

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