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スガル諸島海戦の大敗

今回海戦を中心にしてみました。

スガル諸島side

スガル諸島第2艦隊旗艦戦艦:イワシロside

モリキ提督side


我がフヨウ王国第二艦隊はフヨウ王国第1艦隊の通るスガル諸島より何も無い海域を航行している。第一艦隊は、スガル諸島付近の周辺に在るとされるイストリア王国海軍の前線司令部を制圧する為、旧式の木造軍艦を主体とした艦船で編成されている通称【年寄り艦隊】の目くらましの為、最新鋭の戦艦で編成されていた。しかも、【レーダー】などと言う自分の位置を晒してしまう危険極まりない装置を搭載しているせいで、私は常時落ち着かない程、神経をすり減らしていた。敵艦隊と最新鋭の戦艦同士の艦隊決戦を私は主張したが、国王陛下が採択なされた【作戦】は敵艦隊の拠点を奪い、スガル諸島周辺の制海権を掌握するものであった。


(陛下が決定されたとは言え、最新鋭の艦隊を囮にしての制圧など馬鹿げている! やはり艦隊決戦で敵艦隊を撃破してこそなのだっ!)


私は、出港後、偵察の飛竜を飛ばし、何処から現れる判らない敵艦隊を警戒しながら、無線封止を徹底させ味への定時連絡すら禁じていた。いざとなったら、伝令を飛竜に任せれば良いと判断したからだ。

そんな事を考えていたら、参謀の一人の若造が私に意見を言ってきた。


「意見具申! モリキ提督、やはり最新のレーダーを使用すべきです、スガル諸島は大小さまざまな島々からなっていて、艦船は隠しやすく敵に見つかりにくいのですが、万が一の時は逆に敵の待ち伏せにされてしまいます、第一艦隊は木造戦艦主体の奇襲部隊ですが、その分、レーダーも最新の機関も無いので、敵に一度でも捕まれば、ひとたまりもありません」


「だまれっ! 貴様、私をフヨウ王国男爵と心得ての発言かッ、現に偵察は出している、何かあれば飛竜が直ぐ様に各艦隊の伝令に向かう手筈だ、貴様ごとき爵位も持たぬ若造めがっ、戦の何たるかも心得よっ」


「し、しかし、幾ら飛竜でも、海上では行動範囲が限られています、疲れ知らずの飛行機とは違います

小官も飛竜だけでは、索敵網に穴が開きますゆえ、秘匿暗号で連絡を密にすべきと考えます」


ええぃ、どいつもこいつもふざけた意見ばかり、勝手にほざきおって、私は艦隊指揮を副官に任せると

自室で休む事にした。しばらく休めば気分も落ち着くだろう。

※※※※

スガル諸島side

スガル諸島第3艦隊旗艦重巡:トガside

オオトモ提督side


第二艦隊は無線封止をしているようで、先ほどからの此方からの定時報告の暗号にさえ反応しない。

どうやら、モリキ提督の個人的な貴族癖が出たようだ・・・・・・ これが最悪の結果の出ずに、モリキ一人が大恥をかくレベルで済めば良いのだが・・・・・・ 恐らくかなりの厳しい処分が下る可能性がありえる。

我が艦隊は、フヨウ王国の特務情報局よりもたらされた、敵の【秘密兵器】を発見しだい撃破もしくはは拿捕せよとの任務を受けていて、該当海域をくまなく探していた。その秘密兵器は人力潜水艇と言って文字通り人力で潜行航行が可能で活動範囲は限られているものの、この世界初の無音潜水艦のような設計になっているとの事だった。なお、この潜水艇の搭乗員は犯罪者かもしくは奴隷で構成されていて

命の使い捨てにも似た訓練を乗り越えてきた精鋭だと推測されるため、拿捕が難しい場合は撃沈も・・・・・・。


「司令ッ! 第一艦隊より死宮電ですっ、敵の攻撃を受けているそうです」


「何だとッ、第二艦隊は何処を警戒してやがったッ」


「あの貴族の坊やめぇ」


「静まれッ! それで、現在、即救援可能な戦力は、何処の部隊だ?」


怒り任せに喚く士官達を一喝し、私は報告に来た士官に状況を確認する、一番遠いのは偵察に出ていて

いるスガル諸島方面偵察分艦隊、二番目は我が第3艦隊、一番近いのは第2艦隊が最短距離にるが……

恐らく間に合わんだろう。私はすぐさまに高速巡洋艦の【イオキ】に旗艦引継ぎを命じ、私自身は第2艦隊に直接向かう事にした。あの男に雷の1つや2つを落としてやらんと、第2艦隊は動かんだろうと判断したからだ、それに第1艦隊もむざむざ海に散ったりはせんだろう。

※※※※

スガル諸島side

スガル諸島方面第1艦隊旗艦戦艦:オオツside

イブキ提督side


それは、突然の事だった、この天下の難所のスガル海峡は様々な無人島が数多く点在し潮の流れも速い上に岩礁や浅瀬も多い、おまけに近年では海賊も数多く出没していて、厄介な難所として知れ渡っていたが、上手く島影を利用すればイストリア海軍の前線基地に近づけることが出来るが、どうやら、敵にも同じ事を考えていた指揮官がいたようだ。囮の第2艦隊にも目もくれず、最大の戦力の30隻からなる我が艦隊を真っ先に狙ってきた。そして、海域の幅が狭くなり戦列が延びきった我が艦隊に向けて敵の小型艦や中型艦が次々と砲火を放ってきて、たちまち我が艦隊は混乱に陥った物の何とか体勢を立て直しつつあった。


「報告します、駆逐艦アオイ・キリ・ネズマ轟沈、軽巡シラト大破」


「大変です、大型揚陸艦フジ艦首より浸水、航行不能!」


「いかん、フジに万一に備え艦を放棄するように伝えろ」


「りょ、了解」


フジが被弾? 改めて双眼鏡でフジの周りを確認するが敵はいな・・・・・・ いや、何本かはっきりと水中に移る泡の筋が見える、魚雷の航跡が見えた、潜んでいたのか・・・・・・この海域に、敵の秘密兵器が。

※※※※

第一艦隊の襲撃の一時間前side

イストリア軍side

特殊人力潜水艇:イブカside

マリーside


あたしはマリー・アメジスト、この特殊人力潜水艇に、こっそり【密航】している、勿論、今回の作戦もあたしら奴隷が使い捨て同然だと言う事も承知の上で此処(戦場)にいる。そう、フヨウの巨大艦を沈めて、生きて還り、奴隷から伸上がってやると決めたんだ! 特殊人力潜水艇は居住性は最悪であたしよりよりガタイのいい男達が5人乗り込んでやがるから、偉く狭いしおまけにクランクで漕いで潜水艇が海中を進むから、エラくしんどい、あと、一番気を付けなくてはいけないのが、潜行時に深度計と酸素濃度系を見ておかないと、最悪、操舵ミスで一気に海に沈むか酸欠でそのまま死ぬかだ。

そして、あたしがこっそり【密航】を出来たのかと言うと、出撃前に、この潜水艇の漕ぎ手の一人が体調を崩して、原則女の出入り厳禁の潜水艇に舐められない様に、男として振舞っていた、アタシがソイツの代わりに急遽搭乗する事になった。

そして、その1時間後・・・・・・。


「潜望鏡確認、おーし、敵艦隊が見えたぜっ、10・・・・・・15・・・・・・30、間違いない、情報通りだが、此処からでは距離が遠いな?」


「よし、再度潜行して、近づいて、魚雷を打ち込むぞ」


そう艇長と副艇長が放していた時、物凄い爆発音が聞こえ、潜望鏡を確認していた艇長が興奮気味に叫けぶ。


「キャッホー! 巨大揚陸艦(デカイ)のに魚雷命中! 更に取り巻きにも命中、こりゃぁ、カモだ、お俺達は手短な軽巡をやるぞ」


「よし、潜行して目標まで近づくぞ! 連中もバカじゃない、俺らの事に気が付いた初だ。深度に注意をしながら、俺達も獲物を狙うぞっ」


そして、あたし達の潜水艇潜水艇も潜行して、目標を決めると全力で漕ぎ始める、直後、後ろからガクンとすごい衝撃が来て、隣のトーマスと言う大男にぶつかった、潜水艇が後ろから傾き始めてきて、咄嗟に艇長が判断を下す。


「きゃっ」


「うぉ、マーシュ! 直ぐに、母船との回収ワイヤーを切れッ、お前の後ろのレバーをおもぃきり手前に倒せ」


「ちっ、ジーンは後部魚雷を全て捨てろ、こんな所で死にたくなかったら、急いで重いものは全部、潜水艇から外すんだっ」


「は、はい」


「あいよ」


「大丈夫か? マーシュ、いや、お嬢さん」


トーマスにそう言われて、あたしは、ハッとなった、彼にぶっかった時彼の手があたしの胸に当たったのだ、思わずあたしは反射的にグーで彼を殴り飛ばす。


「んなろっーーーッ、何処触ってんだバーローッ!」


「ぐはっ! てててっ、それくらい元気があればだ丈夫だな?」


「本来なら、ここいらの無人島にでも置き去りにしておきたいが・・・・・・ 今の母艦への攻撃で、回収用のワイヤーが切れちまったし、おまけに魚雷は、全部棄てちまったし、なんと水平を保ってるが、浮上して、敵さんの厄介になろうと思う、なんせ、今更、イストリアに戻れても、待ってるのは敵前逃亡で銃殺かしばり首だしな」


ふぅ、幸か不幸か、この艇の艇長はマシな判断が出来るようだ、みんなが文句を言わずそれに従って

あとは、運任せで浮上し、発光信号と手旗信号で近くにいた、フヨウ王国の軍に投降した。

他の潜水艇はいくつか不幸にもフヨウの軍艦と衝突をしたり、魚雷の爆発範囲にいて誘爆を起こしたり

操舵ミスで海のそこに沈んでいって、投入された30艇内生き残れたのは僅か5艇余りだった。

※※※※※

大型揚陸艦フジside

クリュウ大佐side


本艦は海中からの魚雷攻撃で艦首に一発くらったが、現在、ダメコン班が多い急ぎで修復に当たっている。イブキ提督からは「万が一の時はフジを放棄しても構わない」との命令が出たので、同型艦の【コウエイマル】と【フジシロ】に救援を要請し、何とか防水に全力を注いでいる。

コウエイマルは搭載していた物資を生みに投棄し、臨時の病床船として行動していたので、本艦が大破した時は、負傷者の救助を任せよう、フジシロは果敢にも本艦の右舷に付き乗員の救助の準備をする気行動を取っていたので、海に飛び込む事はしなくて済みそうだ。


戦いのほうは、護衛の船団とイストリア軍艦との乱戦になってきている、潜水艇の攻撃は絶大だったが

魚雷の航跡がはっきりと見えていてので、やり過ごす事ができた、以前、とある酒場で前世の記憶のある男が教えてくれた事が役に立った。こんな事なら、名前を聞いておけばよかったな? 生きて還ったら、あの店で一番高価な酒をおごるとしよう。

しかし、敵も用意がいい、潜水艇の攻撃が失敗したら、今度はご丁重にも爆弾艦を用意してやがったので、今は爆弾艦のマストや舵を狙って攻撃をしている。

敵通常艦と爆弾艦の攻撃でこちらは徐々に船が少なくなってきた、そろそろ覚悟を決めないといけないかもな? その時だった。軽快なラッパの音と共に、援軍の飛竜の竜騎士団が来たのは、彼らは急降下攻撃で炎のブレスを敵艦に撒き散らすと、そのまま飛び去っては、また炎のブレスをこ食らわせると言った波状攻撃を連続で行い、敵艦を次々と火だるまに変えていった。

そして、生き残っていた敵艦隊も撤退を開始して言ったが、こちらの第一艦隊の被害は甚大で、30隻いた木造戦艦も今や10隻余りとなっていた。

幸い本艦も被害が少なかったのと浸水が食い止められたので、多くの敵味方を問わず救助を行っていた。全てが終わった時はわたしも含め全員がぐったりと付かれきっていた。


帰港して、数日後に、モリキ提督と彼の参謀の何名かが【職務怠慢】【保身の為に多くの将兵が犠牲になった】と軍法会議で、オオトモ提督の証言とモリキ提督に意見を述べた士官の証言で、彼は軍階級と貴族特権及び爵位を剥奪され、絞首刑とされた。

そして、失われた海軍戦力を増強するために、同盟国からの軍艦の購入や鉄鋼艦船の建造が議会で決まり、艦隊再建までは3・4年は掛かるとの事だった。

次回不定期ですが更新をがんばります

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