プロローグ
短編の同作品の長編となります
プロローグSide
ワシは最高位の神の神だったのじゃが、どうやら、最近、ワシ自身の【力】が衰えている事がはっきりとしてきた……。
ん、なんじゃ? 【神様も衰えるのですか?】じゃと?
ふむ、そうじゃのぅ、存在するものはやがて【死】を迎える、これは自然の理じゃ、それはワシ等にも当てはまる事じゃ、永遠不滅の存在などと言われてはおるが、やがて消え去る。
まぁ、ワシの場合は、ただ単に寿命が来てしまったと言う事なのじゃが……
生憎とお主らのように【何かに転生する】事は出来んのじゃ。
まぁ、ワシの知り合いにちょっとだけ【輪廻の輪】に入れてもらえるか相談をしてみる事にしてみるとしよう。
※※※※
冥王宮Side
冥王Side
やぁ、皆さん、おひさ♪ 相変わらず、僕は仕事をこなしているよ~
たまに、チョンボな失敗で誰かを異世界に転生させたら、そのつど始末書の山で小悪魔系秘書のミミさんに残業してもらって、事を片付けていたりする。
ミミさんは赤毛のショートカットに胸は関しては【永遠にゼロ】
はっ! 何だか、ミミさんからとてつもない殺気を感じた……
訂正しよう、衣装が男っぽい執事風の衣装なので、そう見えるだけだが……
彼女はああ見えて、恋文はここではダントツそのものさ。
「コホン、冥王様、1つ訂正を、私の胸は無くは無いですよ?
あと、恋文は、大半が私を男と勘違いしたサキュバスさんたちですよ、うふふふふ……」
うん、相変わらず、冥王宮は平穏そのものさ
しかし、その静かな平穏も長くは続かなかった、冥王宮の警備を担当している警備兵から、とんでもない方が来訪したと知らせがあった。
「め、冥王様ーーーっ、た、大変ですっ、城内に突然、最高位の神様が来られましたっ!」
「ぶはぁっ!」
「あぁぁっ、冥王様ーーーっ、書類にお茶が、兎に角、このハンカチで拭いて下さい」
なんで、最高位の神様が、わざわざ此処に? いや、兎に角、今はお茶で汚れた自分の机とかを綺麗にしないと、最高位の神様に怒られる、なんだって、この僕より物凄く偉くて、力あって
何でも見通す事ができる、チートなお方だから。
手渡されたのは、かわいらしい狐と狼が合体した感じの魔獣のプリンとが施されているものだった
あーあー、今日はこの書類再度作り直さないと……
そうこうしている内に、最高位の神様が此処にたどり着いてしまいました。
「ごめんね、めーちゃん、いきなり、尋ねてきて、少し迷惑じゃたかね?」
「い、いえ、この、冥王、最高位の神様にあられましては、お日柄も良く至極光栄の極みでございます」
「最高位の神様、すみません、今、お茶をお持ちいたしますっ」
ミミさんは、ダッシュいやマッハでお茶を用意するため、僕が居る玉間から姿を消した
うん、機転は良いけれど絶対逃げた。
しかし、最高位の神様はそんな事は気にも留めず、僕に一つの無茶苦茶な【お願い】を要求して来たのだった。
「うん、今日はね、ワシの【転生】をお願いしたくてね、此処に着じゃ
勿論、ワシが【輪廻の輪】から外れているのを承知の上でね、どうじゃ、少しばかり融通してはくれんかのぉ?」
うーん、あいも変わらずの無茶をお言いになる、そもそも【輪廻の輪】は世界に生きている人々が死後、別の存在に生まれ変わるもので、その転生のサイクルから外れている存在、最上級魔王や最高位の神様の転生は言わば輪の外の【昼寝】で、一度眠ると次は長い時を掛けて再生する。
勿論、再生後は若返っての身体や能力がそのまま継承されるから、一々転生なんてしなくても
今のままで、十分良いと僕は思ったが、最高位の神様はそれを真っ向から否定した。
「うん、めーちゃんの気持ちも解らんでもい、しかし、ワシが転生したい理由は、二つじゃよ
まず、一つ目は、このチートすぎる力が余りにも万能すぎて、解りやすくいえば、誕生日に貰う贈り物が遅くとも半年、その年の早くて1日で解ってしまっては、詰らんじゃろ?
そして、次に、万能過ぎる未来透視じゃな、これは時々、嫌な事を思い出すのじゃ、あれは今から、随分と子供の頃じゃった、たまたま、一つの種族の滅亡が見えてな、それを救おうとしたら、周囲に止められてしまてな……。
なんでも、それを引起こすとその世界だけではなく全ての世界が、解り易く言えば、列車の進路を全部変えてしまう事になる、その結果大惨事が起こると、きつく注意されてな、あれは見ているのが
辛かったぞ、ワシに助ける事が出来たかも知れんのに、目の前で次々と恐ろしい疫病で死んでいくのを見ていたのは、そんなんで、これらの力を封じて、転生したいんじゃよ、と言っても
一時的な転生で構わん、様は、ワシの骨休めじゃ、ワシ等の転生はただの睡眠と変わらんからな
どうじゃろう?」
ひとしきりの最高位の神様の転生したい理由を聞いて、僕は承諾する事にした
だって、万能すぎる力があっても、全ての世界の破滅と引き換えの救いは与えられない
そして、自分は余り娯楽も無くただ、それらの出来事を見て記憶するだけの仕事。
正直、僕じゃなくても、根を上げたくなる。
「……解りました最高位の神様、ただし、一回限りですよ?」
「おお、めーちゃん、感謝するぞ、では、早速、ミミを呼んで、休暇(転生)先を決めねばな?」
そう、最高位の神様は既に、今回の転生に関して、余分な能力はご自身で封印されていた
だからといっても、やはり、その力はかなりのもので、地球みたいな世界では化け物な扱いをされる
さて、どうしたものか……?
そんな時、最高位の神様が僕の疑念をいとも簡単に吹き飛ばしてくれた。
「かかか、安心するが良いぞ? ワシの力は転生先では大幅に弱体化していく
まぁ、最終的には伝承の英雄か神話の怪物レベルになるだろう」
「なるほど、それなら、問題ないですね? ただし、転生先は……」
「最高位の神様~ お茶をご用意いたしたました~ さ、さ、冷めない内にどうぞ」
ミミさんが用意してくれたお茶をゆっくり、お召し上がる最高位の神様、その時、ミミさんが一つの提案を切り出してきた。
「そうだ、最高位の神様、せっかくの御休暇(転生)ですので、行き先とご種族はビンゴゲームで
決められてはいかかでしょうか?」
「ミミっ」
「まぁ、まぁ、めーちゃん、良いではないか、ふむ、ビンゴゲームじゃと? ふむ、面白そうだのう早速、しようではないか」
僕は反対したんだけれど、二人に強引にビンゴ大会を決められてしまった、そして、最高位の神様の転生先を用意したのもミミさんだった。
僕は最高位の神様の転生先は無難な商人とかが良いかなと思って、いたら商人が当たってしまい
ミミさんは、イケメンな村人の男性が当たって半泣きに。
最後に、最高位の神様は…… なんと、妖狐の女将軍に転生が決まってしまった。
勿論、これは、ミミさんが用意した冗談だったのだが。
「ふむ、妖狐の女子で、しかも武勇に優れた女将軍とは、ふぉふぉふぉ、中々面白い趣向じゃな?
では、早速、珍しい転生を堪能するとしようかのう」
と言って、僕が止めるまもなく勝手に転生をしてしまった。
まぁ、ご本人がノリノリなんで、僕も納得するしかなかった。
※※※※※
最高位の神様Side
ふむ、これが、転生者が通る輪廻の街道と言う道じゃな? かなり殺風景な風景と思っておったが
色々な景色が見えるではないか? これなら、おにぎり弁当にお茶があれば言う事が無い。
なんせ、今、ワシが見ているのは、見事な山々に桜が舞う街道じゃな?
これは何時だったか、興味があって覗いて見た【江戸時代の街道風景】に近いものがある
おや、あれに見えるは、茶屋か?
まぁ、急ぐ旅でもないし、一つ、この景色と茶を楽しむのも、また一興と言うものじゃな。
そう、思い、ワシは街道の一軒茶屋の前で足を止め、茶屋に入る事にした。
のれんをくぐり、店内に設けられた机と椅子に腰を下ろす。
店に入ると、いかにも上手そうな団子と甘酒の匂いが食をそそる、そして店の調理場から年は外見なら丁度ワシと同じくらいの、人のよさそうな老婆が注文を聞きにやってきた。
すると、そこに、一人の若者が店に入ってきた、どうやら、今のワシと同じ【転生】をする者らしい
ん、何故、そうだと言えるのかだと? それは、この若者から【生者】の気配が全くしないからだ
ちなみに、この茶屋の主の老婆もワシ等【神族】の様じゃの?
「そうじゃな、ちと、疲れたので、お団子二つとお茶を、あと、食後の甘酒を所望したい
あと、此処はどの辺りかね? ワシは始めてきたので此処が何処なのか少々、教えてはくれんかのぉ?」
「ごめんください、お腹がすいたので、お茶とお饅頭をお願いします」
「いらっしゃい、何にいたしましょう? お団子二つとお茶を、あと甘酒ですね、かしこまりました、そちらのお客人は、お茶とお饅頭ですね、少々お待ちくだされ」
注文を聞くと、店の女将は奥に行き注文の団子やお茶の用意を始める。
その間、待つしかないので、ワシは若者に話をする事にした。
「どうやら、ワシと同じく【転生者】の様じゃのう、これは失礼、名前を先に名乗るが礼儀であったな? ワシは元神様じゃよ、名前は……そうじゃな【ただの爺さん】と名乗っておこう
若者よ、主の名はなんと申す?」
「これは、始めまして、えーと、神様でよろしいでしょうか? 私は嗣朗と申します」
そこへ、ワシ等の注文をした団子やお茶が運ばれて来る、なんとも美味そうな匂いがする
「お客さん方、お茶が入りました、さぁ、どうぞ、今日は良い日ですね、景色もよろしいので
御緩りとしていって下され、何か御用があれば、遠慮なくお申し付けくだされ、では、ごゆっくり」
女将は店の奥に戻って、丁寧に団子を作っている、若者はそれを珍しそうに長めながら
ワシは彼と話をする。
「すみません、つい、昔ながらのお団子の作り方に夢中になってしまいました。
えーと、僕は生前、こんな景色とは無縁でしたので、全てが新鮮に見えています
神様は、僕より沢山の出来事を見ていられますから、少し羨ましいです」
「いやいや、ワシなんぞ【転生】は、これが始めてでな、それに、一つの物を見ている暇さえ無かった、しかし、何時見ても四季折々の景色は良い、心が安らぐ、所で若者よ、主はどのような事をしておったのだ? なんじゃ、その【聞かなくても知っているくせに】と言った表情は?
ワシも此処に来る途中、神の力は不要と思ってな、大体の力は封じてきたので、お主が生前、何処で何をしてきたのかは、ワシには解らん、しかし、お主が悪人でなかった事だけは感じ取る事が出来る、ふむ、中々、美味しい団子にお茶じゃな」
そう言いい、ワシはこの若者とお茶を飲む、今度は若者の方からワシに尋ねてきた。
「そうですか、何故、転生を望まれたのです? 私は父の仕事を継いで平穏に暮らしていましたが
突然の病で親より先に、こっちに来てしまいました、医者の話では、私の病は前世の医療では治せない物だったそうです、その時の父の悔しそうな顔を忘れる事ができません
そして、死後、冥王様に転生を進められました」
「ふむ、それは、運命と言う奴じゃな、その世界で治せない病に侵されたのは、お主の運命じゃ
じゃが、君は最後まで諦めなかった? もし、諦めていたら、そんな清清しい顔はしておらんじゃろう? おお、この甘酒も団子も美味い、所で一つ最後に教えてくれ、この道を来たと言う事は
君は別の世界の王国【フヨウ】に転生する筈じゃな?」
少し、ワシはにこやかに、この若者に転生先を聞いてみる事にした
フヨウ王国はこの若者の産まれ故郷の日本の昔の姿にそっくりだと、ビンゴで貰った説明書きに書いてあったので、つい尋ねてしまった、ワシ自身、妻子がおらん身の上、どうも、この若者が孫みたいな感じで話しこんでいたようじゃ。
「そうですね、かなり昔の日本に近いみたいです、あと、ちょっとかじった程度ですが
中世のヨーロッパ時代の雰囲気も有るみたいですよ?」
「ふむ、それで、ワシの一度きりの転生が妖狐の女将軍じゃったのか」
ワシの独り言に、若者が驚いている、そりゃそうじゃろう、目の前にいる外見90を軽く超えていそうな爺さんがいきなり、女将軍に転生するのじゃから、驚くのも無理もない。
「それは、なんと言うか…… 驚きました、すみません、お詫びに、私の転生後は神官兼医者だそうです、参った事に、医学の知識は無いので、転生後は猛勉強だそうです、あははっ」
「ふむ、なら、ワシの能力を主に授けようとするかの? 勿論、人の病を治したり酷い怪我人を救う事が出来るが、死人は生き返らす事は流石に不可能だが、さ、受け取ってくれ」
若者は、少々と惑いながらもワシの提案を丁重に断ろうとした、心を読まなくても顔をみれば直ぐに解る、苦労して人を救う道を選ぶ覚悟が、とうに出来ている。
しかし、ワシは、この若者が気に入ったので、それを問答模様で受け渡す。
「主は茨の道を歩覚悟が出来ておるようじゃな? しかし、主が思っているほど
フヨウ王国の技術はこれから発展していく、技術が出来るまでは主の知識は半分は役に立たん、残りの半分は、長い時の中で忘れ去られていく、今はありがた迷惑でもワシの治癒の力を主が必要な時、思う存分使うがよい」
「で、でも、この力を私が悪用したら? たとえば、この力を使って人々を惑わしたり
あるいは、法外な金額で大もうけをたくらんだりするとか考えないのですか?」
ワシは、この若者の顔を見て穏やかに、あっさりと答えた。
「そうじゃな、ワシは一番偉い神じゃったから、人を見る目は有る、まして主のような心地よい魂を見たのは今に始まった事ではない、それとも、あらゆる事を見通して起こる出来事を全て見通す事の出来る、ワシを主は騙せるのかの? ふぉふぉふぉ」
「では、ありがたく、このお力をお借りいたします、もし、転生先でお会いいたしましたら、その時は、是非お礼をさせてください」
そういって、若者は笑っていた。
そういえば、この茶店の代金を払わんととな、ワシは女将を呼び出して
代金を払う事にした。
「まいどありがとうございます」
「女将、代金はこれで足りるかの?」
「すみません、私はこのお店の通貨を持っていませんので、できれば、カードかお皿洗いか蒔き割りでお願いします」
なんと、今時の者にしては珍しい、金が払えぬなら皿洗いか蒔き割りで食べた分を払うとな?
しかし、女将はワシは勿論、この若者からも代金を受け取らずに。
「いえいえ、御代は、うちのお団子を美味しく頂いていただければ、必要ございません
では、道中御を気よ付けて、ありがとうございました」
丁寧におじぎをする女将に見送くられながら、ワシ等は転生先のフヨウ王国を目指した。
※※※
フヨウ王国Side
此処は、フヨウ王国の王宮から、西に離れた王族の狩場、白馬を駆る一人の王が僅かな護衛を連れて
もう直ぐ産まれる、まだ見ぬ我が子の生誕を祝う宴の為の獲物を求めて狩りにでていた。
狩り等、配下の者に任せておけばいいと言う意見もあったが、それでは面白くないと王は判断をし
配下の四天王を始め有力者に、この季節に取れる旬の幸を集め皆で我が後継者の生誕を祝う事を決めた。
そして、その中には、それを取り決めた王自身も、この狩場へと赴いていた。
そして、森の中を慎重に馬を進める事、半日、彼は自身の後継者を祝うに相応しい獲物を見つけた
一頭の雌鹿だ毛並みから肉の付き方まで申し分ない、これなら祝いの席も盛り上がるであろうと
考え、長年愛用の弓を構え獲物に狙いを定める……
そして、無駄の無い動作で弓を放った、しかし、その直後、王は自ら戒めていた物を破ろうとしていた事に気が付き、自ら、放った矢を睨むと風を操る魔術で矢の軌道を変え、奥の大木に深々と矢が突き刺さる。
驚いた鹿がその場を離れていくのを見送りながら。
「済まなかった、まさか、そなたも身ごもっていたとは…… ここで、そなたを殺めては、産まれて来るわが子に、申し訳が立たん」
そこに、黒い馬を駆る黒い甲冑を纏った一匹のオークがやってくる
彼は、フヨウ王国に仕える四天王の一人【漆黒の斬鬼】と呼ばれる将軍だった。
「王よ、今日は良い獲物を逃がしましたな?」
「ルドルフ将軍、そう言うな、戒めを守れぬ王に比べれば、彼等の方がなお気高い
あれも、母となる身であった、鹿一頭獲れば誇る事も出来ようが、母となる鹿の腹の中の乳飲み子
まで殺めては、これから産まれる我が子に誇る物等、何一つも無い」
そう、王がルドルフ将軍に呟いた時、彼を見る視線を感じとった、それは敵意ではなくただ視ている
だけの視線であった。
「おお、立派な白い鹿とは、この森の鹿の王でしょうか?」
「恐らくな、視よ、ルドルフ将軍、先ほどの雌鹿は、どうやら、あの白い鹿の奥方であったようだ
これも、何かの縁だ、次に此処に訪れる時は、我が子を連れてこよう」
「フヨウ城より、伝令っ」
「何事だっ」
白い鹿の王は一瞥をすると伴侶と共に何処かえと去っていった。
その直後、城より早馬が王の元に到着した。
「陛下、お喜び下さい、奥方様が無事元気な御子をお生まれになられました」
「して、陛下の御子は、男子か? それとも、女子か? どちらにせよめでたい」
ルドルフ将軍が我が事のように、世継ぎ誕生の報告を喜び使者に聞く
使者は王に。
「はい、とても元気な御后様にそっくりな、女の子でございます!」
「それは、よい、さぁ、ルドルフ将軍、こうしてはおれん、城ま返るぞ
いや、手ぶらでは還れんな? よし、この近くに、余が幼いころ食べた果物の
なる木が有る、宴の余の馳走はそれで決まりじゃ、者共付いて参れ」
「「ハッ!」」
不定期ですが宜しくお願いいたします。