表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

4 捕まっちゃいました

一応この話で一区切り。

一ツ橋さんが“二階堂 祐”本人ってどういうことでしょう?

声優だったってことなら、声だけですよね?私の脳内彼氏は、アニメキャラの“二階堂 祐”です。そちらも一ツ橋さんって、どういう事なんでしょうか?


二日酔いでズキズキする上、理解できない事でグルグルする頭を抱えた私はもう、ショート寸前です。


「一ツ橋さん、降参です…。事実を教えてください……。」


さっさと降参して、真相を教えて貰いましょう!


一ツ橋さんは何だか、面白くなさそうな顔をしています。どうしたのでしょうか?

首を傾げて彼を見つめていると、「やっぱ、可愛いよなぁ。」という呟きと共にまたキスされてしまいました。

なんだか、祐ボイスにもイケメンフェイスにも、不意打ちのキスにも慣れてきたような気がします。


「あのアニメの原作者が俺の姉なんだ。二階堂 祐のモデルは俺なんだよ。だから、アレをアニメにする話が来た時、二階堂 祐の声が俺じゃないならアニメにしないとか姉がごねて、大学受験も終わってた俺がバイト代わりに引き受けたんだ。」


新事実です!

原作は勿論読んでいましたが、二階堂 祐にモデルが居たのは知りませんでした!!

大人気アニメなのに4年で終了したのは、一ツ橋さんの就職に合わせた為だったのですね!確かに“二階堂 祐”の声を変更するくらいなら、終わらせた方が良いので、原作者様(お姉さま)は素晴らしい判断をしたと思います!


「お前、しょっちゅうファンレターを送ってきてた“すばる”だろ?昨夜、寝顔を見てて気づいたんだ。なんか、写真で知ってるお前より、かなり細くなってないか?」


一ツ橋さんは、ニコニコと笑いとっておきの事を教えてくれるように、そっと耳元に甘い声で囁いてきました。


黒歴史!


この人は、私の黒歴史の全てを知っている!!

もう、諦めるしかありません……。


「あの頃は、ご飯も美味しく食べれたんです。あの頃が適正体重だったんですよ…。脳内“二階堂 祐”に失恋して、それからあんまり食べれなくなっちゃったんです……」


隠すだけ無駄だと思って、本当の事を言っちゃいました。

今でも油断すると、栄養失調になる事があります。

なんだかあの頃の悲しみが蘇って来ました。目の前にいる本物に抱きついて、癒して貰いましょう。


急に抱きついて来た私に嫌な顔一つすることなく、一ツ橋さんはぎゅっと抱きしめ返してくれます。そして、頭に沢山のキスが降ってくるのです…。


もしかして、私。すごく、愛されてませんか?


それを裏付けるように一ツ橋さんが、


「もう二度と失恋なんかしないから。今からは本物の俺が、脳内の俺以上の愛情をお前にやるよ。なんてったて、意志を持った生身だからな。」


甘く優しく囁いてくれたのですが、最後の一言にとても不穏なものを感じてしまいました……。気のせいでしょうか?


「ちゃんとした告白は、明日水族館デートの時にしてやるからな?取り敢えず今日は、昼まで寝てその後お前のアパートに行くぞ。当座の荷物を持ってこないとな。」

「はい?」


どういう事でしょう?

明日の水族館デートまでは、許容しましょう。昼まで寝るのも賛成です。でも、“当座の荷物”ってどういう事ですか?


「今日から、ココがお前の家だ。せっせと食べさせて、もっと肉を付けて貰わないと、壊しそうで、怖くて抱けないからな。」


良い笑顔で、凄い事を言われました。

私、ココに住む事になってます。え?何故でしょう??

嫌ではないですし、丁度来月がアパートの更新月なので、タイミングも良いのですが、何か納得できません。

でも、こんなに嬉しそうに笑って言われると、嫌とは言えない……。


「なあ、すばる。良いだろ?一緒に住もう?ずっと一緒にいてやるからさ?」


顔中にキスされながら、「すばる、お願い…」って縋るように言われてしまえば……

“二階堂 祐”も“一ツ橋 祐”も大好きな私が、断れる筈ないじゃないですか!!


こうして私は、一ツ橋さんから正式なお付き合いの申し入れをされる前に、同棲を許可してしまったのです……。



でも、この後本当に私の部屋に荷物を取りに行き、その日のうちに引っ越しの手配とアパートの解約手続きを済ませた、一ツ橋さんの「速効」とでも言うような行動に彼の本気を見たのです。

さらに翌日には、水族館デートと告白、観覧車での苺ミルク味のキスまで、全てを私の脳内よりも完璧に、素敵にこなしてくれた一ツ橋さんに、改めてメロメロにされてしまったのでしたーーー

後は、一ツ橋視点で補足と後日談を入れたら終わりです。

続きは、起きてから書きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ