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風のざわめき
「わっ!」
森から風に乗って空を駆けてきたジルバは、勢い余って洞窟前の広場につんのめった。
「わわっ!!」
追いかけてきたタンゴも、急に止まることができず、ジルバの背中に突進してしまった。
「ちょっとジルバ、気をつけてよ!」
「ごめんタンゴ。なんか、今日は風が思ったように飛んでくれなかったや。」
ジルバは緑のトンガリ帽子と、同じく緑のチュニックの埃を払いながら気さくに謝った。
「そうだね。今日は風たちがザワザワしてるみたい。なんだろ?」
タンゴも、ジルバとお揃いの赤いトンガリ帽子を被り直しながらうなづく。
「まあいいや。タンゴ、洞窟を探検しよう!毎日毎日、木の実集めばっかで退屈してたんだ。」
そう言うなり、ジルバは洞窟の中に駆けて行く。
「だから待っててば、ジルバ〜!」