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クラス最弱だった少年と世界最強の大賢者  作者: 茶坊道化師
第一章
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プロローグー昔を思い出すー

 異世界転移なんて、フィクションの世界の出来事だ。

 今どきの流行りに乗っかった作品ばかりで、もう腹いっぱいなんだ。


「おい、昨日発売した異世界に召喚された織田信長世界を救う観たか?」


「観たみた!遂に異世界の勇者と直接対決ってところで終わって続きが気になってしょうがねぇよ」


 最近じゃ、武将だって異世界に飛ばされる。

 だから僕は異世界召喚モノなんて読まない。

 この世界は異世界モノ以外の漫画やアニメだって溢れてるんだ。

 しかし、僕はそのことに後悔することになるなんて、あの時は思ってもいなかったんだ。


「懐かしいな。()もこの世界に来て一年か」


 俺は元々日本で育った豊海累って名前がある。

 修学旅行中にこの世界に転移させられ、色々あって最弱認定。

 転移させた奴らにこの死の森に追い出された。

 すぐに俺は魔物に襲われたがそれはトカゲのような顔をした理性のある人型の魔物リザードマンだった。

 両腕は食いちぎられ、必死になって逃げた洞窟は行き止まり。

 このリザードマンに追われていて、瀕死になっていたのが懐かしいな。

 何故今、こんなことを思い出したかというと、目の前には目に傷のあるリザードマンが瀕死で膝をついているからだ。

 

「お前に恨みはないが判決は下されたんだ。お前に魔法を執行する」


 俺はそういうと、手刀でリザードマンの首を切り飛ばした。

 目の傷を触り、あの時対峙したリザードマンだと確認ができた。


「ほぅ、死の森の長を倒したか」


「遅ぇよババァ」


 後ろから現れたのは俺の師匠、大賢者シャルルだ。

 どう見ても幼児の見た目だが、これでも齢100歳は超えているぽいのが怖いところだ。

 もちろんババァなんて言った日には、こうして後ろからドロップキックをかましてくる。


「ババァとはなんじゃ愛弟子ルイよ!」


「いってぇな!ババァだろあんたは!」


「ワシの・この姿を・見て・ババァとは・何事じゃ!」


「長寿種のエルフのジジィと幼馴染のあんたがババァじゃないってんなら、なんだってーーーイデデデデデ!?」

 

 師匠は俺の右腕に纏わりついて、肘の関節と逆方向に力を入れ始めた。

 俺もかなり鍛えたが、この小さな体のどこに俺に対抗できる力があんだよとツッコミたい。


「いてぇよバカ!」


 俺は背中に水球を展開し、師匠を振りほどいた。

 それでも一瞬で立て直して着地するあたり、俺は一体この人の領域にどれだけ届いているのか図りしれない。


「ふむ。力はこの世界の強者と比べても見劣りせんくらいには成長したのぉ」


「あんたにはまだまだ追いついてねぇけどな」


「師匠は弟子を超えてこそじゃ。早く超えれるといいのぉ」


「元々俺はこの世界に最弱として呼ばれちまったんだ。気長に追いついてやるよババァ」


 内心ではこの人の事を師匠と呼んでるが、それを教えてやる義理はねぇ。

 今更気恥ずかしいしな。


「全く、お主は変わらんのぉ。それで?本当に学園に行くのか?ワシの指導だけでも十分やっていけるぞ。それに、お主のクラスメイトだった奴らもおるんじゃぞ?」


「あぁ、そいつらの事はどうでもいいさ。俺も逆の立場なら俺なんかに手を差し伸べはしねぇしな」


 別に元の世界でもあいつらとはあんまり話したことなかったし、もうほとんど覚えてないな。

 師匠は心配してくれているけど冒険者として自立する前に、世間一般の知識も取り入れたいところだったんだ。

 それに他にもいく理由はある。


「その学園に、あんたが認めた奴らの弟子ってのが学園にいるんだろ?そいつらを直でみたいんだよ」


 自分の師匠が認めた奴らの弟子なんて、そんなのワクワクするに決まってんだろ!

 学園に通って損はないんだ。

 同年代と俺の実力差がどれほどまで離れているのか、俺は今から楽しみでなんねぇぜ。

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