かすみが帰ってきた
かすみが戻ってきた
僕には期待と喜びしかない
「今日から新しいクラスメイトが加わります」
先生の声に教室がざわついた。
転校生が来るなんて聞いていなかった。
(誰だろう……)
そんなことを考えていると、扉が開く。
「初めまして、かすみです。よろしくお願いします!」
その瞬間、教室の空気が変わった。
彼女は、まるでアイドルのような美少女だった。
さらさらのロングヘア、整った顔立ち、すらりとしたスタイル。
そして、ミニ丈の制服が眩しいほどに似合っていた。
男子たちは息をのんで見つめ、女子たちはざわめく。
でも、僕――さとしは、それ以上に驚いていた。
「かすみ……ちゃん?」
まさかの再会だった。
幼馴染のかすみが、転校生として戻ってきたのだ。
⸻
昼休み、かすみからの声掛け
「さとしくん!」
昼休みになった瞬間、かすみが僕の席へまっすぐやってきた。
「久しぶり!」
教室中の視線が僕たちに集まる。
「え、知り合い?」
「さとしがあの美少女と……?」
男子たちの嫉妬混じりの声が聞こえてくるけど、そんなことは気にしていられなかった。
「かすみちゃん、ほんとに戻ってきたんだ……」
「うん! またさとしくんと会えて嬉しい!」
彼女は昔と変わらない笑顔を見せる。
「ね、お昼一緒に食べよう?」
「えっ、うん……!」
その日、僕の心はずっと落ち着かなかった。
⸻
放課後、かすみの部屋にて
「ねえねえ、さとしくん。今日うち来ない?」
「え?」
「久しぶりに色々話したいなって!」
自然な誘いに、僕は頷いた。
かすみの家に来るのは本当に久しぶりだった。
部屋に入ると、そこは以前と変わらず、でもどこか大人っぽい雰囲気になっていた。
甘い香り、可愛らしいクッション、机の上には化粧品やアクセサリーが並んでいる。
「懐かしいな……」
「でしょ? でも、さとしくんの方が変わったかも」
「えっ?」
「なんか、雰囲気が柔らかくなったっていうか……」
ドキリとする言葉だった。
(まさか、気づかれてる……?)
僕は、ずっと前から**“女の子の服や下着”に興味を持っていた**。
でも、それは誰にも言えない秘密だった。
「……さとしくん?」
かすみが、じっと僕の顔を見つめる。
「な、なに?」
「ううん、なんでもない」
そう言いながら、かすみはふっと微笑んだ。
その笑顔が、どこか意味深に思えて――
僕の胸の奥で、何かが大きく揺れ動いていた。