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謀反

馬車のなかでマークが

「宛先は王太妃ですか?」

と聞いた。

バラ宮、すなわち王太妃の宮殿のことだが、そこには、王族がもう一人いた。

「多分な」

「では差出人は?」

「ヤリス・ティルム・ジェンキンス」

「彼は熱烈なジュリアン派では?」

「派閥など利益でどうとでも動く。

そんなものだろう。」

アシュリーは軽く流す。

「本当に謀反ですか?」

「おそらく本当だろう。

あそこまで、解読されたらな。

でも真偽など、どうでもよいのだ。

王太妃を排除できるいい機会ではないか。

政治とはそういうものだ。」


馬車は本部に到着した。

マークは、一人だけ降りて、アシュリーは王宮に向かった。

マークは急いで中に入り

「王太妃に謀反の疑いがあります。」

と叫んだ。

くつろいでいた皆は一瞬で緊張した。

「それは本当か?」

副隊長がありふれた質問をした。

「あの恋文、謀反の手紙だったんですよ。」

「どこをどうやったら謀反の手紙なんだ?」

「説明はあとです。

緊急配備お願いします」

皆急いで配備についた。


王宮では国王が侍従長のフロイドと葡萄酒を飲みながらゆっくり、くつろいでいた。

そこへ、侍従が

「親衛隊長が至急面会したいと言っております」

こんな時間に何事かと思いながら

「通せ」

アシュリーは

急いで室内に入り、片足をついて跪き

「陛下、王太妃に謀反の疑いがあります。」

国王は驚いて

「証拠はあるのか?」

と尋ねた。

「あの恋文は謀反の手紙だったのです。」

アシュリーは手短に恋文の説明をした。

「なんたることでしょう。」

フロイドがいった。

「王太妃とジェンキンス公爵をただちに逮捕せよ。

クリス将軍を呼べ。

戦闘体勢に入るぞ。」


決着はあっさり着いた。

王太妃はすぐに逮捕され、ジェンキンス公爵は敵前逃亡した。

しかしすぐに追っ手がかけられた。

2週間もしないうちに、平穏に戻った。


暗い部屋で、アシュリーは簡粗なテーブルに、女と向かい合って座っていた。

女の表情はよく見えない。

豪華な髪飾りも、首飾りもなく、髪は簡単に一つまとめられていた。

服も質素だった。

「ばれると思わなかったわ。

王妃がバラ宮に押しかけて来るから、焦ったのよ。隠し場所を間違えたわ。」

「悪事はばれるものです」

「何が悪事なものですか。

私は誰よりも王位にふさわしいのよ。

あんな庶出の王よりも」

「あなたは望み過ぎたのですよ。

ほどほどにしておけば、一生安泰だったのに。」

「それはどうかしら?

カイゼンが私をそのままにしておくとでも?

私は賭けたのよ」

彼女の運命は既に決まっている。

もう会うことはないだろう。


アシュリーは褒美としてグランディアをもらった。


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