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3日目

隠れ家のドアを開けて、アシュリーは唖然とした。

つぶらな黒い瞳がこちらをじいーっと見つめている。

じいーっとだ。

みたこともない枯れたばあさんがいる。

しかも二人もだ。

「マーク!」

アシュリーは叫んだ。

「一体これはどういうことだ。」

「いろいろ事情がありまして。」


ことの顛末はこうだ。

サラは普段ギランの母親と暮らしている。

家に用を思い付いて帰った時、みすぼらしい婆さん奴隷が二人いた。

どうしたかと尋ねると、ギランが買ってきたという。

彼女の商売はそれなりに、繁盛している。

それでギランにお金を渡し、買いに行かせた。

これが間違いのもとだった。

ギランは売れ残りの婆さん奴隷を買い叩き、残りはポケットだった。

この婆さん逹、まあ役立たずで、料理はだめ、掃除はだめ。

商売の軟膏作りも足手まといだった。

どうもトルテアの城づとめしていたらしく、サラが連れてきたのだ。


つまるところ、もうミュラの身分はばれているというわけだ。

「バレバレだよ。

親衛隊の隊長は顔に痣があるというのは有名だからね。

アイリスっていうのもトルテアの王女のファーストネームだからね。」

婆さんはそれぞれ

「クララです。」

「バーシアです」

と名乗った。

3人は感動の再会を果たしたらしい。

(いい気なもんだ。

3人共銀山送りになってもしらんぞ。)

「マーク例の件は?」

「それがどうにも」

責めたいのはやまやまだが、あの恋文だけでどうにかするのは、困難なのだ。

(なんとかならんのか?)

何度呟いたことか。


「ごはんにしようよ」

またサラが、声をかけた。

(飯のことしか頭にないのか?)

おもわず声が出そうになる。

メニューは前と同じく、安い材料で美味しそうだった。

でも何か違和感がある。

アシュリーのこと分だけやたらに、盛りがいい。

「何か俺の分だけやたらに、盛りがよくないか?」

「気のせいだよ」

サラは素っ気ない。

ミュラはクスクス笑っている。

マークとブラントは首をかしげている。

マークがおそるおそる

「おまえ隊長のこと怖くはないのか?」

と聞いた。

「痣なんか怖くないよ。

ぶちの犬なんか愛嬌があってかわいいじゃないか。」

のけぞるマーク。

固まるブラント。

笑いを必死にこらえるミュラ。

婆さん二人はじとっーとアシュリーを見つめている。

(ついに犬まで成り下がったか。

おまけにこの娘、俺を餌付けしようとしている。)

化物と呼ばれたことはあっても犬と呼ばれたことはなかった。







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