1-3
彡(゜)(゜)ドヤァ
( ゜∋゜)「なにやってだカエサル?」
彡(゜)(゜)「せっかく城を作ったんやから王様ごっこや」
彡(゜)(゜)「どや?すごいイスやろ!」
彡(゜)(゜)「特注品やで」
(´・ω・`)「ちなみにこのイスだけでボクなら十年は遊んで暮らせるよ」
( ゜∋゜)「お前な…共和制の国で王様ごっこは不謹慎だぞ」
彡(゜)(゜)「なんでや?王様はカッコええやんけ」
( ゜∋゜)つ「ハァ…少しは自分の立場を考えろホレ」
彡(゜)(゜)「なんやその紙の束は?」
( ゜∋゜)「元老院からだ」
彡(゜)(゜)「なんや抗議文書かいな」
彡(゜)(゜)「そんなもん燃やして暖を取るしか使い道ないやろ」
( ゜∋゜)「ハァ…」
彡(゜)(゜)「そんなことり。密偵、報告を頼むで」
(`・ω・́)ゝ「了解!」
(´・ω・`)「ボクたちローマ軍は国境線の防衛に成功」
(´・ω・`)「その後も国境に留まり続け、昨日全軍が合流」
彡(゜)(゜)「うむ」
(´・ω・`)「次に敵の動向だけど」
(´・ω・`)「少し離れた場所で右往左往してるよ」
彡(゜)(゜)「なんや、まだワイらに戦いを挑む気概があるんか?」
( ゜∋゜)「いや、それはないだろう」
( ゜∋゜)「彼らが万全な状態になった我々に戦いを挑むとは思えん」
( ゜∋゜)「仮に攻めてきても迎撃は容易だ」
彡(゜)(゜)「ほなら、なんで帰らんのや?」
彡(゜)(゜)「三十万の大所帯やぞ、食糧が持たんやろ?」
(´・ω・`)「これは捕虜からから得た情報だけど……」
(´・ω・`)「彼らは自らの故郷を焼き払って来たみたい」
彡(゜)(゜)「は?」
( ゜∋゜)「常軌を逸している」
(´・ω・`)「情報が錯そうしてて…詳しいことは分からないけど……」
(´・ω・`)「でも、彼らに帰る場所がないことは確かだよ」
( ゜∋゜)「それだとまずいな」
彡(゜)(゜)「なにがや?」
( ゜∋゜)「食べ物がなくなると人間は必死になる」
彡(゜)(゜)「そりゃそうや」
(; ゜∋゜)「迎撃は容易だと言ったが…」
(; ゜∋゜)「死に物狂いの人間が押し寄せてきたら話は別だ」
(´・ω・`)「それも三十万だからね…」
彡(-)(-)……
小指で頭をカキカキ……
彡(゜)(゜)「しゃーない食料を提供するか」
彡(゜)(゜)「それで生活が安定するまで世話をみるしかないやろ」
(´・ω・`)「えっ、敵に!?」
彡(゜)(゜)「三十万の死兵を相手にするリスクを考えたらマシやろ」
彡(゜)(゜)「それにこれがきっかけで友好が結べれば将来的には得や」
( ゜∋゜)「だが、奴らが素直に応じるか」
彡(゜)(゜)「そうやな…それに元老院とローマの民衆が納得するか…」
(´・ω・`)「……なんだか戦うよりも面倒だね」
彡(゜)(゜)「政治なんてそんなもんやで」
(´・ω・`)「ふーん」
彡(゜)(゜)「ラビリヌス、すまんがポンペイウスに一筆書いといてくれるか」
彡(゜)(゜)「もしかしたら頼ることになるかもしれん」
( ゜∋゜)「わかった」
(´・ω・`)「え?あのポンペイウスを頼るの?」
彡(゜)(゜)「あのってなんやねん…ローマが誇る大英雄やぞ」
(´・ω・`)「だってあの人……」
(´・ω・`)「海賊退治してから別荘に引き籠ってばっかりじゃん」
彡(●)(●)「たわけ!」
(。゜ω゜)!!
彡(゜)(゜)「その海賊退治がどれだけ偉大のことか分かっとるんか」
彡(゜)(゜)「あの男が成した地中海の平和がどれだけすごいことか…」
彡(-)(-)「ポンペイウスをバカにするボケが何百万と集まろうと」
彡(-)(-)「あの男の足元にも及ばんつうのに」
( ;´-ω-` )「……ごめんなさい」
彡(゜)(゜)「…ええ、ちゃんと改められるお前は偉いで」
彡(゜)(゜)「情報を扱う者の素養をちゃんと持っとる」
彡(゜)(゜)「これからも頑張りいや」
(;´・ω・` )「…うん」
数日後
(;`・ω・´)「急報だよカエサル!」
彡(゜)(゜)「なんや!」
(;`・ω・´)「ヘルティー族がケルト中央に進出」
彡(゜)(゜)「は?どういうことや?」
(;´・ω・` )「それがどいう訳か敵は山道を抜けたみたい」
彡(゜)(゜)「なんや!抜け道があったんかい」
(;´・ω・` )「うん。で、でも……」
(;´・ω・` )「その道はあまりにも細くて大軍が通れるはずが……」
彡(゜)(゜)「でも通ったわけやな?」
(;´・ω・` )「うん」
彡(-)(-)……
小指で頭をカキカキ
彡(゜)(゜)「なるほど……」
あの劣勢から巻き返すとは敵もたいしたもんや
彡(゜)(゜)「でも、おかしいやろ……」
そんな抜け道があるなら最初からその道を選んだはずや
故郷を焼け野原にした奴らが切り札を隠す余裕があったとも思えん
彡(-)(-)「わからんが……何かがあったんや」
彡(゜)(゜)「密偵!」
( ;´-ω-` )「ごめんなさい!」
彡(゜)(゜)「怒ってへんし、謝らんでええ」
彡(゜)(゜)「すべてを知るなんて無理や」
彡(゜)(゜)「けど何かがあったことは分かったんや」
(;`・ω・´)「分かった。その何かを絶対に調べ上げてみせるよ」
彡(^)(^)「せや!その意気や、頼んだで!」
(`・ω・´)「うん!」ダッ
( ゜∋゜)「カエサル!」
彡(゜)(゜)「次はなんや!」
( ゜∋゜)「同盟部族ハエドイ族のデウキアックスが面会を望んでいる」
彡(゜)(゜) .。oO(ハエドイ族の…デウキアックス……)
彡(-)(-)……
彡(゜)(゜)「ああ!あいつか!」
「ローマの友」と呼ばれているガリア人のオッサンか
彡(゜)(゜)「顔見知りやし、入れてやれや!」
( ゜∋゜)「分かった、おい入れ!!」
(;灬;) 「カエサルー」
彡;(゜)(゜) .。oO(えぇ…なに泣いとんねん)
(;灬;)「カエサル、カエサルよ。助けてくれ」
(;灬;)「急に野蛮な連中が現れ、我々に襲い掛かってきたのだ」
(;灬;)「犠牲者も多くでている。頼む、助けてくれ、カエサル」
彡;(゜)(゜)「ワイも今、その報告を聞いたところや!」
(;灬;)「そうか!なら話ははやい」
(;灬;)「カエサルがこうして近くにいたのも、精霊の導きに違いない」
(;灬;)「私は早速このことを部族に伝えにいく。また会おう」
(;灬;)「では!」ダッ
彡;(゜)(゜)「お、おい…」
なんやあいつ……
こっちの返事も聞かずに去っていきおったで
( ゜∋゜)「あの狸親父。何か隠しているな」
彡(゜)(゜)「やっぱそうよな…」
彡(゜)(゜)「勢いで乗り切ろうとしとる感がはんぱなかったし」
彡(゜)(゜)「でもどないしよ、やっぱ助けた方がええんかな?」
( ゜∋゜)「辞めとけ、危険すぎる」
( ゜∋゜)「それに助けるとなったら軍が国境を越えることになる」
( ゜∋゜)「さすがの元老院もこればかりは見逃すとは思えん」
( ゜∋゜)「国家反逆罪に問われるぞ」
彡(-)(-)……
まあ、ラビリヌスの言うことは正論や
わざわざ他人のために危険を犯す必要はない
彡(-)(-)……
元老院にこの問題を放り投げるのが最善や
そしたらあとは元老院が決めるだけ
彡(-)(-)……
その決定にワイは従えばええ
これが一番利口なやり方や
彡(゜)(゜)……
あいつらの指示に従わんといけんのは癪に障るが
この際、仕方ない……
彡(゜)(゜) .。oO(ん?まてや…)
元老院の指示に従うってことは……
彡(゜)(゜)「なあラビリヌス」
( ゜∋゜)「何だ?」
彡(゜)(゜)「仮に元老院にこの問題を押し付けるとするやろ」
( ゜∋゜)「ああ」
彡(゜)(゜)「そしたらワイは元老院のカスどもの決定に従わないけんよな?」
( ゜∋゜)「そりゃそうだろう」
彡(゜)(゜)「あのカスどもワイが軍団を新設したことを許すと思うか?」
( ゜∋゜)……
彡;(゜)(゜)「いや、なんか言えや」
( ゜∋゜)「間違いなく総督の地位は剥奪だろうな」
彡(゜)(゜)「まあ、そうなるとしてや」
彡(゜)(゜)「役職の守りがない無職になったワイはどうなると思う」
( ゜∋゜)「元老院のキケロとカトーにさんざんなじられて政治家生命は終了」
( ゜∋゜)「お前は色々と多方面に喧嘩を売ってるから、おそらく……暗殺」
彡(゜)(゜)「ワイが国境を超えたら?」
( ゜∋゜)「国賊となって、おそらく……死刑」
彡(゜)(゜)……
( ゜∋゜)……
彡;(゜)(゜)「ハハハハハ」
(; ゜∋゜)「ハハハハハ」
彡(●)(●)「どっちにしろ詰んどるやんけ!」
彡;(゜)(゜) .。oO
行くも死、退くも死や
彡;(゜)(゜) .。oO
まだワイは死にたくないで
なんか手はないか…なんか……
彡(゜)(゜)!!
彡(゜)(゜)「ラビリヌス、ワイはハエドイ族を助けに行く」
( ゜∋゜)「待て、俺からポンペイウスに話を通すから早まるな」
彡(゜)(゜)「いや、あの男はまちがいなく英雄だが……」
彡(゜)(゜)「政治家としては残念やけど無能や」
彡(゜)(゜)「キケロとカトーにいい様にされるのがオチや」
彡(゜)(゜)「やっぱワイ自身の力で切り開くしか道はないで」
( ゜∋゜)「どうするつもりだ?」
彡(゜)(゜)「ヒーローや」
( ゜∋゜)「は?」
彡(゜)(゜)「戦争の勝者になって民衆を味方につけるしかない」
彡(゜)(゜)「なんやったらこの戦争をモチーフにした戦記ものも出版するわ」
彡(゜)(゜)「そしたらワイは民衆の人気者、ヒーローや」
彡(゜)(゜)「元老院も表立って民衆の反感を買うほど馬鹿ではない」
彡(゜)(゜)「もう、この手しかない、やるしかないんや!」
彡(゜)(゜)「そんな訳でワイは先に行くから、後のことは任せるで」
(; ゜∋゜)「いつもいつも、お前と話していると頭が痛くなる…」
彡(゜)(゜)「なんや、一人だけ常識人ぶるきか?」
彡(゜)(゜)「これまで一緒にバカやってきた仲やろ」
彡(゜)(゜)「これからも一緒にバカやろうや」
彡(゜)(゜)「な?」
( ゜∋゜)「……違いないな」
( ゜∋゜)「行け。俺も後から追いつく」
彡(゜)(゜)「おう、待っとるで」ダッ