1-2
彡(゜)(゜)「ふぅ、やっと国境近くの都市ゲネーブに着いたわ」
さすがにずっと馬に乗ってたら疲れたわ
一休みせなな
彡(-)(-)Zzz…
( ゜∋゜)「起きろ!カエサル!!」
彡(-)(-)「うーん」
( ゜∋゜)「しゃきっとしろ一大事だ!」
彡(゜)(゜)「ん?ラビリヌスやんけ…何かあったんか?」
( ゜∋゜)「説明は頼む」
(´・ω・`)「はい」
彡(゜)(゜)「おう密偵やん、おかえりやで」
(´・ω・`)「ただいま」
彡(゜)(゜)「今回はちゃんと調べてきたか?」
(´・ω・`)「うん、敵の総数が分かったよ」
彡(゜)(゜)「やるやん」
彡(゜)(゜)「まあ、しょせん蛮族の一部族や」
彡(゜)(゜)「せいぜい数千、多くて一万ぐらいやろ」
(´・ω・`)「三十万」
彡(゜)(゜)「は?」
(´・ω・`)「正確に言うと、戦士十万、その家族二十万の計三十万人」
彡;(゜)(゜)「なんやねんそれ民族の大移動やんけ…」
(´・ω・`)「どうやらそうみたい」
(´・ω・`)「理由は不明だけど……」
彡;(゜)(゜)「てか待てや!」
彡;(゜)(゜)「ワイの預かっとる軍団の数って確か…」
( ゜∋゜)「第Ⅶ、Ⅷ、Ⅸ、Ⅹ軍団の四個軍団、計二万四千人」
( ゜∋゜)「その内すぐに出撃可能なのは第Ⅹ軍団の六千だけだ」
彡;(゜)(゜) .。oO(おいおいおい……聞いてへんぞ)
総数で十倍、戦闘員だけでも四倍の敵の相手をしろやと
んなもんまともに戦ったら負けるに決まっとるやん
彡;(゜)(゜) .。oO(ヤバい……なんか手を打たんと…)
まあ、とりあえず出来る事は増員やな
兵の質は大事やが、人手がないことにはどうにもならんわ
彡(゜)(゜)「二個軍団を新設するで」
(´・ω・`)「そんな急に増員なんてできるの?」
( ゜∋゜)「無理だ、まず金がない」
彡(゜)(゜)「そんなもんワイが払ったる」
(´・ω・`)「へえ、カエサル太っ腹」
彡(●)(●)「誰がデブや!」
彡(-)(-)「いや…言葉の綾やな」
( ゜∋゜)「どうせクラッススに借りるんだろ」
(;´・ω・` )「えぇ…借金…」
彡(゜)(゜)「借金だろうが何だろうが金は金や」
( ゜∋゜)「国家予算並の借金をしている奴がいうと重みがあるな」
(。゜ω゜)「ええ!そんなに!」
(´・ω・`)「でもよくそんなに借りれたね」
( ゜∋゜)「まあ、パトロンのクラッススはローマ一の金持ちだからな」
( ゜∋゜)「金儲けの化け物と借金の化け物……」
( ゜∋゜)「類は類を呼ぶんだろうさ」
彡(゜)(゜)「誰が化け物や、あんな守銭奴とワイを一緒にすんなや!」
(´・ω・`)「まあ、一応お金の面は解決…次は……」
( ゜∋゜)「元老院だな、軍団の新設には彼らの承認が必要だ」
彡(゜)(゜)「そんなもん無視すればええだけやろ」
(;´・ω・` )「ダメだよそんなの…」
(;´・ω・` )「ちゃんとルールは守らないと」
彡(゜)(゜)「細かいことは気にするなや」
彡(゜)(゜)「それに元老院議員どもの体たらくを思い出してみ…」
(´・ω・`)……
( ゜∋゜)……
彡(゜)(゜)「どうや?」
(´・ω・`)「クソだね」
( ゜∋゜)「ゴミだな」
彡;(゜)(゜)「そこまで言われると、元老院の一員であるワイの耳も痛いんやが」
彡(゜)(゜)「そんな奴らに義理立てしてワイらが死んだら元も子もないやろ」
(´・ω・`)「それもそうだね」
彡(゜)(゜)「納得して貰えてよかったで」
彡(゜)(゜)「という訳でラビリヌスは軍の新設と編成を任せるで」
( ゜∋゜)「分かった引き受けよう」
彡(゜)(゜)「密偵は引き続き情報の収集や」
(。・ ω<)ゞ「了解」
彡(゜)(゜)「ほな、任せたで」
彡(゜)(゜)「ワイは第Ⅹ軍団を連れて先に行っとるさかい」
(´・ω・`)「え?」
彡(゜)(゜)「何や?気になる点でもあったか?」
(´・ω・`)「いや……」
(´・ω・`)「総大将が寡兵で最前線に真っ先に向かうって……」
(´・ω・`)「変だよね」
( ゜∋゜)「普通なら有り得ないが、カエサルは例外だ」
彡(゜)(゜)?
彡(゜)(゜)「まあええわ」
早う北上してアルプスを越えな
・・・
彡(゜)(゜)「はえーすっごい」
彡(゜)(゜)「これがアルプスか…」
彡(゜)(゜)「古の名将ハンニバルもこの道を通ったんやろか」
彡(゜)(゜)「そう思うとウズウズしてくるわ」
(´・ω・`)「たしかに……」
彡(゜)(゜)「なんでお前が一緒におるねん」
(´・ω・`)「一人でアルプス越えは危険だからね」
彡(゜)(゜)「ちゃっかりしとるな」
(。・ ω<)「それほどでも」
彡(゜)(゜)「褒めてはないんやがな」
彡(゜)(゜)「まあ話し相手にちょうどええわ」
彡(゜)(゜)「密偵はゾウを知っとるか?」
(´・ω・`)「鼻が長くて、でかい動物のことだろ」
彡(゜)(゜)「そうや」
(´・ω・`)「確かハンニバルはゾウを連れてアルプス越えをしたんだよね」
彡(゜)(゜)「なんや知っとたんか」
(´・ω・`)「ボクは情報のスペシャリストだからね」
彡(゜)(゜)「よう言うわ」
彡(゜)(゜)「じゃあこれ知っとるか?」
彡(゜)(゜)「ワイの苗字の由来は“ゾウを倒した者〟らしいで」
(´・ω・`)「へー」
彡(゜)(゜)「それ以外にも帝王切開で生まれた者、灰色の目をした者」
彡(゜)(゜)「長く豊かな髪を持った者って由来もあるみたいや」
(´・ω・`)「長く豊かな髪……」
彡(゜)(゜)「なんや?」
(´・ω・`)「いや、なんでも」
彡(゜)(゜) .。oO(なんか、視線が気になるわ…)
確かに最近少しだけおでこの面積が増えてきた気がするが……
(´・ω・`)「話しているうちにアルプスを越えちゃったね」
(´・ω・`)「それじゃあ、改めて情報を仕入れてくるよ」
彡(゜)(゜)「気をつけてな」
数日後
(´・ω・`)「ヘルティー族から手紙を預かってきたよ」
彡(゜)(゜)「ありがとやで」
彡(゜)(゜)「ふむふむ……」
まあ要約するとこんな感じやな
( ゜Д゜)『ローマに迷惑はかけないから、我々の移動を認めて欲しい』
(´・ω・`)「だって、どうする?」
彡(゜)(゜)「そんなもんNoに決まっとる。理由は三つや」
彡(゜)(゜)「一つ、規律の保たれていない集団なんて問題を起こすに決まっとる」
彡(゜)(゜)「二つ、仮にローマで問題を起こさなくとも他所で戦争が起きたら……」
彡(゜)(゜)「難民がローマに押し寄せるに決まっとる」
彡(゜)(゜)「三つ、ワイらローマ人とヘルティー族の間には……」
彡(゜)(゜)「切っても切れない因縁がある」
(´・ω・`)「ローマは以前にヘルティー族と戦って負けたことがあるんだよね」
(´・ω・`)「その際、ローマ軍の捕虜は屈辱的にも……」
彡(゜)(゜)「そんな細かいことま説明せんくてええわ」
(;´・ω・` )「えぇ……」
(;´・ω・` )「もっとちゃんと説明させてよ」
彡(゜)(゜)「説明よりも、お前にはもっと大事な仕事がある」カキカキカキ
彡(゜)(゜)ノ「ほれ、この手紙を敵に渡しといてくれや」
(´・ω・`)「えっとなになに……」
『お前たちの言い分は分かったで。でも、そんなすぐには返答はできんわ。
だから、半月後にまた返事する。 堪忍してや』
(;´・ω・` )「これって……」
彡(゜)(゜)「もちろん時間稼ぎの常套句やで」
(;`・ω・´)「もっとぼやかしてちゃんと書いてよ」
(;´・ω・` )「こんなの持っていったらその場で殺されちゃうよ!」
彡(-)(-)「確かに……お前の言うとおりや」
彡(゜)(゜)「ちゃんと書くわ」
(;´・ω・` )「最初からそうしてよ…」
・・・
(´・ω・`)「それじゃあ改めていってくるね」
彡(゜)(゜)「気をつけてな」
彡(゜)(゜)「よし!」
得た時間は有効に利用せなアカン
まずは川にかかる橋を壊さな
彡(゜)(゜)/「壊せや第Ⅹ軍団!」
(`Ⅹ´)『ヒャッハー!』
彡(゜)(゜) .。oO(次は川に沿って柵を巡らせなな)
彡(゜)(゜)/「巡らせや第Ⅹ軍団!」
(`Ⅹ´)『ヒャッハー!』
彡(゜)(゜) .。oO(柵だけやと心配やな濠も掘っとこ)
彡(゜)(゜)/「掘れや第Ⅹ軍団!」
(;`Ⅹ´)『ゼイ…ゼイ……』
彡;(゜)(゜) .。oO
さすがに疲れてきよったで
どうする?金でもばら撒いてモチベーションを上げさせるか?
ガヤガヤガヤ
彡(゜)(゜)「ん?なんや?後ろがうっさいな」
彡(゜)(゜)「お!あれは援軍やん」
(^Ⅺ^)『ボクたち』(^Ⅻ^)『ワタシたち』
(^Ⅺ^) (^Ⅻ^)『新設された第Ⅺ、Ⅻ軍団です』
彡(゜)(゜)「おお!いいところにきたで新入生諸君」
彡(゜)(゜)「諸君にはさっそく濠を掘って欲しいやで」
(^Ⅺ^)『えーボクたち今着いたばかりなのに…』
(^Ⅻ^)『いきなり働かせるなんてブラックだ!』
彡(゜)(゜)……
彡(●)(●)「じゃかあしいわボケ!!」
彡(●)(●)「OJT、オンザジョブトレーニングや!」
(;^Ⅺ^) (;^Ⅻ^)『ひぃいいい…』
彡;(゜)(゜) .。oO(アカン!)
せっかく入ってくれたのに、これじゃあ若人が逃げてしまう
彡(-)(-)「笑顔や、笑顔で優しく接しなアカン」
彡(^)(^)「すまんな、つい感情的になってもうたわ」
彡(^)(^)「大丈夫や、なにもお前たちだけでやれとは言うてへん」
彡(^)(^)「見てみい、この優しい先輩方が手取り足取り教えてくれるで」
(^Ⅹ^)ニコニコ
(^Ⅺ^) (^Ⅻ^)『わ、分かりました』
彡(゜)(゜)「なんや、素直でいい子たちやんけ」
これでひとまず一安心やな
彡(゜)(゜)「ん?」
ガヤガヤ
(`Ⅹ´)『もっとしゃきしゃき動かんかいガキども!』
(`Ⅹ´)『ここは戦場やぞなめとんのか!!』
(`Ⅹ´)『アホかボケどつくぞこらぁ!!』
(;^Ⅺ^) (;^Ⅻ^)『ひぃいいい…』
彡(●)(●)「アホはてめらじゃあボケェ」
彡(●)(●)「ワイの配慮が台無しやろうがい!」
彡(●)(●)「それに先輩なら口でなく行動で模範を示せやカス!」
(`Ⅹ´)『あぁん!カエサルこそ命令だけで働いてないやろうがい!』
彡(●)(●)「何やと!言ってくれるやんけ」
彡(●)(●)「トンカチ貸せや!」
彡(●)(●)「ワイ自らすげえもん作ったるわ」
数日後
(ꐦ`•ω•´)「なにやってんの!」
(ꐦ`•ω•´)「大将が兵に交じって一緒に大工仕事して!」
彡;(-)(-)「……はい」
(ꐦ`•ω•´)「それにこれは何?」
(;`Ⅹ´)(;^Ⅺ^)(;^Ⅻ^)『お城です…』
(ꐦ`•ω•´)「数日で城を築くバカがどこにいるの!!」
彡;(-)(-)ノ「ここに…」
(ꐦ`•ω•´)「ふざけないでよ!」
彡;(-)(-) (;`Ⅹ´)(;^Ⅺ^)(;^Ⅻ^)『ごめんなさい』
(ꐦ`•ω•´)「みんなが変に張りきったせいで…」
(ꐦ`•ω•´)「こっちは途中で嘘がばれて殺されかけたんだよ!」
(ꐦ`•ω•´)「どうするの!敵はもうすぐそこまで来てるよ!!」
(ꐦ`•ω•´)「戦う体力は残ってるの?!」
彡(゜)(゜)(`Ⅹ´)(^Ⅺ^)(^Ⅻ^)『頑張ります』
彡(゜)(゜)/「いくでお前ら!!」
(`Ⅹ´)(^Ⅺ^)(^Ⅻ^)『よっしゃあああああ!!』
ガキンガキン
(´・ω・`) .。oO(どうにかこうにか……ローマ軍団の奮闘により)
(´・ω・`)「なんとか敵を追い返すことができた」