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第2章の始まり

「お兄ちゃん、友達連れてきたよ」

 妹の優希の同級生が、家にやってきた。

「初めまして、今川光です」

 切れ長の瞳の美少年だと士郎は思った。なんだ友達ってちゃんとボーイフレンドいるじゃないか。兄が好きなのは嘘じゃないだろうがきちんと男友達がいるのに安心した。

「初めまして兄の士郎です。優希と仲良くしてくれてありがとう」

 そう挨拶する。あまりコミュニケーションは得意な方ではないので簡素な表現になるのは仕方がない。

「……それにしても優希。光くんかっこいいな。お前男の趣味いいじゃん」

 そう囁くと優希の目が点になった。そして顔が赤くなる。

「お兄ちゃん、光ちゃんは女の子だよ!」

「へ?」

 え? 女の子? 俺勘違いしたの?

「いいって。優希さん。よく間違われるから慣れっこだよ」

 なんて器がでかい子だろう。士郎は感嘆する。

「じゃお兄ちゃん。今から光ちゃんと遊ぶから。それともお兄ちゃんも仲間に入る?」

「い、いや女子会に入る勇気はないぞ」

「そう。じゃ光ちゃん行こ」

 お辞儀だけして優希と光は階段を上っていった。


「へへーん光ちゃん、うちのお兄ちゃんかっこいいでしょ」

「まあまあかな」

「えー、認めてくれないの?」

「私は顔がいいだけじゃ男子の評価はしない主義だからね」

「ふーん。顔がいい事だけは認めてくれるんだ」

「ま、顔は及第点は超えてるけどね」

 そんな会話をしているとは知らず士郎はリビングでぼーっとしていた。

 士郎がいつか妹を女として見られるようになる日がいつか来たなら一緒になろうと宣言してから一週間が過ぎていた。

 まだ女として見る事に抵抗はある。だけどこの世界で一番愛している異性が優希なのは事実なのはしょうがないから我慢する。毎日手にキスするのが日課になったが、まだ唇へのキスは抵抗があると告げたら優希も「まだ早いんだね」と言ってくれた。葛藤の日々なのだ。

 しかし美少年いや美少女だな光さんは。優希は友達に恵まれてるんだな。顔の良し悪しで人を判断するのは良くない事ではあるのたが士郎は美しい友人がいる優希を誇らしく思った。

「お兄ちゃん光ちゃん帰るって」

 優希に声をかけられて士郎は我に返った。ずいぶん長い間思考していたらしい。

「そっか。光さん男と間違えてごめんな」

「大丈夫ですよ。慣れっこと言ったじゃないですか」

「ありがとう。フォローしてくれて」

 やはりいい友人だと思った。


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