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 「ちょっと待ったあああ!」

 ーバアアンッ


 

 「「アオ?!」」

 驚いて振り向く二人。


 ちょっと待ったあ!って一回言ってみたかった。

 何かこういう場面じゃなかった気がするけど。

 ていうか、こういう場面って、どういう場面?

 何処から妄想で、何処から現実なの?

 此処は屋上で、私が開けたのは、屋上の扉。オーケー。


 そして、問題は重なり合う二人。

 喧嘩をしてるんだか、エロいことをしてるんだか判別出来ない。

 腐女子としては、エロにしか見えない。

 きっと、私の目と頭が腐っているのね。

 きっと喧嘩をしていたんだわ。

 だって、映画ではそうだったもの。


 聞いてみよう。

 「二人とも。何してるの?」

 

 「えっ?!何って…」


 ナニですか?

 いやいや、巫山戯てる場合じゃなくて。

 どうしてそんなに、挙動不審なの、レオ!

 どうして、そんなに恥ずかしそうなの?

 まるで、疚しいことでもあるかのようだわ!

 いいえ、気のせいよ。

 これは、私の目と頭が腐っているから、そう見えるだけ。


 聞いてみよう。

 「二人はお互いの事、どう思ってるの?」


 「え?俺達?」

 キョトンとした顔をして、お互いを見合う。

 ほら、何の事って顔してるわ。

 やっぱり、気のせいよ!


 「まあ、ちょっと面倒な所もあるけど、信用はしてるかな。親友って言ってもいいくらいには…」

 ふむふむ、なるほど。


 「恋人にするなら、どう?」

 「恋人?こいつを?う~ん、まあ、いい奴だし、格好良い所もあるし…」

 「俺もそうだな。他の奴を相手にするくらいなら、まだいいかな。やってもいいくらいには。」


 「やっぱ、出来てんじゃねえか!!」

 ーバアアンッ

 来た時同様、扉を勢いよく開く。


 「おい!お前、余計なこと言うんじゃねえよ!」

 「俺は正直者なんだよ。」

 「絶対、俺に対する嫌がらせだろ!まあいい、兎も角追うぞ!」


 廊下をひた走るアオ。

 くそー!

 あるのかどうか分からんけど、乙女心を玩びやがって!

 復讐してやる。

 目にもの見せてくれるわ! 


 奇しくも今日は、文化祭。

 どいつもこいつも浮かれやがって、羨ましいことこの上ない。

 私なんて、二人のイケメンに取り合いされてたと思ったら、私を出汁にして、イケメン同士でイチャコラしてたなんて!

 腐女子はね!

 現実には違うんだけど、もしかしてラブラブだったらいいなあって妄想するのがいいの!

 本当に出来てるとか要らない!

 私の悲しみよ!

 鉛筆に力を注いで!

 

 「いでよ!スケッチブック!」

 今すぐお前らを地獄に落としてくれるわ! 

 地獄絵図と化すがいい!


 校庭に作られたステージ。

 その脇に建てられた櫓。

 その櫓に立つアオ。

 厳かにメガホンを手に取った。


 「私とレオとリュウが付き合ってるなんて嘘です!本当のカップルは、この二人です!」


 その日、校庭に多くの紙が舞い降りた。


 「なんだこれ?」

 「BL?」

 腐の紙々が校庭を埋め尽くした。

 

 これ、レオとリュウじゃ、なんて話がまことしやかに囁かれ、二人はゾッとする。

 「おい、どうする?」

 「動揺するな。慌てれば自分達だって認めるようなものだ。それより…」 


 「どうぞ、お幸せに!」

 メガホン片手に、スケッチブックのページを降らせるアオ。


 「アオ!誤解だ!俺が愛してるのは、アオだけだ!」

 「俺が一番欲しいと思ってるのは、アオ、お前だ!」


 睨み合うレオとリュウ。


 「「お前には、負けない!」」


 ーおお、腐の紙よ!

 アオが夕日に照らされ、後光のように輝く。

 その後、文化祭に腐の紙を降らせた神として、しばらくアオが話題の人になった。

 



 

 

 

 

 


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