第二十二話 エコえこ⑧
誤字報告を初めて受けました。
ビックリしました。
「CO2と言えば太陽光発電の
ソーラーパネルの設置も行ったぞ。
これにより電気代の節約になるだけでなく
発電所と違いCO2も出さない
一石二鳥の成果だ。」
笑顔でドヤ顔の会長
ご機嫌だな。
しかし僕は嫌な予感がし
横をそーっっと見る。
やっぱりだ。
入皆は両手で口元を抑え
プルプルと震え涙まで浮かべていた。
「な・・・なんて事を・・・。」
入皆のリアクションに?顔の
生徒会の面々。
これなら僕も分かるので
ショック状態の入皆に変わって
解説をする事にした。
「その浮いた電気代でソーラーパネルの
導入費をペイ出来るのはいつ頃ですか。
メンテ代も含めてお答え頂きたいです。」
悪い事にコレを早めようとすると
電気をより消費する方向で行動になるのだ。
得するには浪費しなければいけない。
訳が分からない。
そして物体である以上
劣化するし耐久限度がある。
壊れれば修理費も掛かるのだ。
会長側は電卓を持ち出し
何やらあーでもないこーでもないと
計算を始めているが
どんな計算をしても
絶望的な年数なのだろう
頭を抱えていた。
学校の電気代を知らないが
大型の冷蔵庫を倉庫に持つ企業や
先程の印刷の様に巨大なモーターを
稼働させる工場とかに
比べれれば
いや
比べるまでも無いだろう。
対費用効果は薄い。
遂に会長側は電卓を投げ出し
「CO2削減は地球温暖化に必須の取り組みだ。」
そう主張して来た。
僕の質問の答えになっていない。
これが裁判なら冷酷に追及するトコロだが
そう言う目的では無い
効果は十分だった様なので
このまま流そう。
そう思った瞬間
入皆が息を吹き返してしまった。
「CO2の削減?温暖化?」
やばい
何かもう玩具を見つけた猫みたいな目だ。
何て餌を放るんだ会長。
僕の気持ちなど知らず会長は
得意気になって語り出した。
「ああ、温暖化は地球規模の
全人類で取り組むべき課題だ。
近年の世界的気温上昇は極地の
氷を溶かし海の水面を上昇させている。
海抜の低い地域は水没の憂き目にあっている。
世界各国はCO2の排出量を減らし
これらの危機に・・・。」
調子良く語る会長に
入皆は割って入った。
「コップの中の氷が融けても
水は溢れないわ。
仮に北極の氷が全部融けても
水面は上昇しないの」
そうだ。
北極は大陸ではなく
水に浮いている氷の塊だ。
下を潜水艦が通過出来るなんて話も
聞いた事がある。
水は氷になると体積が増える
水面より上の部分がそれだ。
「・・・北極は確かにそうだな。
しかし南極やシベリアなど
地面の上の氷は水面上昇の原因になるだろう。」
北極は氷の塊
会長もその事は知っていた様で
そう反論して来た。
「融けたらね。
でも融けないのよ。
南極ってマイナス40度よ。
1度や2度上昇したところで氷は氷のままよ。」
0度以下なら何度だろうが
確かに氷は氷のままだ。
「・・・しかし、ニュースなどで
氷の崖が壮大に崩れる映像などが」
会長の言葉に脳裏に過るその映像。
確かに見た事がある。
「温暖化詐欺の為の印象操作よ。
流氷なんて温暖化温暖化騒ぐ前から
あったでしょう。」
タイタニック沈没の原因
その頃は温暖化なんて言葉も無かった。
「夏の時期の風物詩よ。
その映像をさも温暖化の影響の様に
報道しているの。
そして・・・ちょっと待ってね。」
そう言うと入皆は
席を離れガラス付の本棚
その下の段の扉を開け
なにやらゴソゴソしている。
「良く見て頂戴。」
取り出したのは地球儀だ。
「地球の表面地上3割
海7割、大体の比率だけどね。」
そう言いながら
地球儀をゆっくりと回す。
「そして氷に覆われる様な
寒冷地はこの辺りでしょう。」
北極のちょい下辺りに指を刺す。
回転しながらその地域を皆見た。
南極上は土地自体がほぼ無い
海ばっかりだ。
「偉そうな学者の言葉や
インチキTVの映像を
一回頭から完全に外して
自分の目で見て考えて見て欲しいの。
仮に、この辺りの氷が融けて
果たして水面が上昇する程の量
氷があるのかしら。」
とてもそんな気がしない。
海はそれ程に圧倒的面積だ。
それ程の氷なら
きっと成層圏を超える高さに
なる様な気がする。
「そしてCO2の排出量なんだけど
発生源は当然3割の地表よね。」
「海を航行する船舶も・・・。」
そこまで言って
僕は口を噤んだ。
それ程に「今ふざけるか?」と言う
皆の視線に圧倒されたのだ。
「ふふ、確かにそうね。原子力を
動力としている船舶以外は煙を吐いているものね。」
当の入皆だけが
そう言う視線をしないで僕を見て
そう言った。
僕にだけ聞こえる様に「流石は」とも
続けて言った。
「ただ巨大客船でも針で突いた点以下の
誤差にもならない面積しかないな。」
僕は自嘲しながらそう言った。
「そうね。針で突いた以上の
面積となるとやはり大都市圏。
たった3割の中の更に何割になるのかしら。」
そう言いながら入皆は
各国の都市を指差しながら言っていく。
「東京、ニューヨーク、ロンドン・・・。」
後ろの方でまた宮本君が
「まだ助かる。」を連呼しているが
入皆には聞こえていない様だ。
「たった3割の地表
その大部分が人の生活圏外
砂漠や高山地帯。」
そう言いながら入皆は
ゴビ砂漠やサハラ砂漠
アルプス連峰などを指差していく
ロシアなんて巨大な隕石が落ちても
誰も気が付かない位広大な森林地帯がある。
「生活圏内にいると誤解してしまうわ。
工場の煙、車の排気ガス
でもそれって針で突いた様な面積
それぽっちの規模の中だけの事なの。
そんなちっぽけな面積で
仮に頑張って二酸化炭素を100%で
放出しても・・・。」
頑張るな。
二酸化炭素100%って呼吸出来ないじゃないか。
「地球の全面積に影響が出るかしら。
マッチの火だけでお風呂を沸かす様な話よ。
誤差すら出ないわ。」
ブックマークやポイントでテンション上がります。
どうかお願いします~。
誤字報告も有難いです。
感想なんかも書いてもらえたら超嬉しいだろうなぁ