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第二話 オカルト部 発進②

この美人

誰かに似ていると感じたが

今、分かった。

今のこのシュチュエーションで分かった。

憂鬱になったり消失したりする 

ア イ ツ だ。

道理で

道ーっ理で庇護欲が湧かないハズだ。

可愛くないっからなぁああ(異論は認める)


冗談じゃない

僕は八丈島限定のホエジカ属になるつもりは無い。


はーっ折角の美人なのに

もったいない

残念だよ。

君には失望した。


まぁアイツに似てるなら

ここはこう言って断るのがお約束ってもんだよな。


僕は勿体振りながら

ゆっくりと席を立ちあがり

両腕でWを描く

毛唐が良くやるお手上げポーズを

しながら言ってやった。


ああ

言ってやったとも


「宇宙人や未来人や超能力者をお探しなんですか~・・・。」


「やだ・・・居る訳無いでしょそんなの

ちょっと丘クン大丈夫?

私達もう高校生なのよ。」


途端に沸き起こる爆笑。

この教室の温度は体感で5度c程上がった。


えええええ

この流れでソレ否定しちゃうの


多分、僕は今顔が真っ赤だ。

見えないがIDも赤くなっている気がした。

恥ずかしさと

爆笑が取れた喜びが入り混じった

何とも珍妙な気持ちだ。


「えっ?!いやっだってオカルトって

そう言うモンでしょ!!

それ研究しようって言うんでしょ??」


なんで僕が必死に弁明めいたコト言わなければならないんだ。

それほどに入皆の発言は予想外で

僕を慌てさせたのだ。


「うーん、そこから始めないといけないのね。」


入皆の表情に憐れみの色が浮かんだ。

だから、なんでお前がその表情なんだよ。

逆だろ。

現実主義である僕が

オカルト信者を憐れむ時に僕が今まで

して来た表情だ。


「そこから?」


初歩も初歩って意味だよな。


そこで中断

決着は持ち越された。

担任の教師が到着したのだ。


「じゃまた後でね丘クン!!」


入皆はそう言って自分の席に戻って行った。

僕は自分のペースを完全に喪失し

その後の自己紹介タイムなども

しっちゃかめっちゃか(石川県の方言だそうで)

になり良く覚えて居ない。

いや思い出したくない。

きっと思い出さない方が良いだろう。


ただ名前を口にした時の

皆の反応は人生の中で一番穏やかだった。


今までロクな反応は無かった。

遠慮無く爆笑する男子が必ずいたモノだった。

そして都合が悪くそいつが学校カーストで

上位に行く様なやつだと

その後の学校生活は嫌なモノになる事が多かった。


一番笑っていたのは担任だった。

許なさい。


まぁ

特別このクラスメートが善人だらけと言うのではなく

入皆のおかげで事前に知れてしまったからな

そこは感謝だ。


入学式、クラスでの顔合わせで

今日の教科は終了。

放課になるワケで

このまま帰宅でも良いのだが

体育館やグラウンド

理科室などの部活で使用される教室などで

全部活の紹介イベント&勧誘が開催されている。

すぐ帰宅はあんまりだ。

ここは行ってやるのが新入生としての義務だろう


・・・まぁ帰宅部は帰宅で

それはそれで合ってるのか。


僕はどうしようか

考えるまでも無く

入皆がまっしぐらで向かって来た。


第二ラウンドはじめっか


「イイだろう。入るかどうかはともかく

そのオカルト研究部とやらのイベントに

付き合ってやろうじゃないか。

どんな部活なのか

どんな先輩達なのか

知りもしないで断るのもアレだし

さ、案内してもらおうか

部室なのかな

それともどこかの教室が活動拠点に」


初手は主導権を完全に握られ

翻弄されてしまったが

落ち着きを取り戻した僕は

本来の実力を出せる。

侮るなよ入皆

ここからが本当の僕だ。

用意していたセリフを流暢に語る僕。


「は?いえ、無いわよ。

そんな部活・・・。」


「無いのぉぉぉぉぉ???」


ペースが乱れる。


「ゴメン、もしかして楽しみにしてた?」


「えっ・・・ちょっと待って。」


落ち着け僕。


「えっと、存在しないクラブに

僕を勧誘した・・・。」


やっぱりか

からかっていただけなのか


僕の中の龍

普段は腹の奥底に眠っているソイツが

僕のハラワタを食らいながら

体内を上ってくる錯覚に

僕は捕らわれた。


龍は笑う

怒れと笑う


くっ

静まれ

僕の中の龍よ。


「そう。これから作るのよ

私達で・・・。」


龍消えた。

入皆の笑顔の輝きに

あっさりと消えた。


「作る?」


「そう。」


「これから?」


「そう。無いモノはそうするのが人類よ。

そして頭に思いついたモノを

時間は結構掛かってしまうかもしれないけど

必ず、必ず実現させてしまう種族

それが人類よ。」


凄い事を言っているが

やろうとしている事は

あまり規模の大きいモノではないな。


「何する部活なの?

さっきも言っていたけど

そこから とかさぁ?」


「続きをしましょうか。」


入皆はそう言って

空席になった前の席の椅子を

回頭させると

僕たちは向かい合わせで座る恰好になった。


入皆、まつ毛長いな。


机一つの距離は

思っているより近距離だ。

ドキドキしてきた。


僕の中の龍

普段は縮こまっていて

気にならないが

位置が悪いと気になって気になって

思わずポケットの中に手を突っ込んで

ベストポジションに持って行く作業を

しなきゃならんソイツが

血肉を増大させ

日直の「起立」に従えなく


「何か気になるの?」


「いや、何でもないよ。

えーと続きだっけ。」


「うん。丘クンはオカルトって

どんな風に認識しているの?

まさかカルトを馬鹿にする意味で

丁寧語の御を頭にくっつけたとか・・・。」


「違う。カルトとオカルトは

全く別のモノだ。」


オカルト

超自然現象。


カルト

熱狂的な崇拝。


前者は科学的に解明されていない事象など

神秘的な意味合いを持っている。

手で触れたり出来ないモノだ。


後者は現実に存在するモノに

常識外れに傾倒していく人や現象だ。


僕は早口でそれを説明した。


「ふぅん、流石に勉強しているのね。

やっぱり名前のせい?」


「そりゃそうさ。

この名前のせいでからかわれる。

今までもこれからも・・・。」


多分、今も

そして

呪いの様に僕に一生付いてまわるだろう。


「嫌悪している様に見えるわ。」


「するだろ。バカみたいじゃないか。」


認めたくないが

からかう方の気持ちも分かる。

僕が他人で産まれて

こんな名前をした奴にであったら

あの笑顔でからかっていたかもしれない。


「バカみたい?どうして?」


「だってオカルトだぜ。」


「超自然現象はバカみたいな事なの?

私はそうは思わない。

オーロラだって仕組みが解明されるまでは

立派なオカルトだったはずよ。」


「オーロラみたいに綺麗なモノばかりじゃないだろ

むしろ幼稚なのが大多数だ。

宇宙人とかUFOとか

頭悪そうなイメージが」


そこで入皆が僕の言葉を

割って入って来た。

それも

これまでとは変わって強い語気だ。


「そこよ。なんで神秘的なモノを表す言葉が

幼稚でバカなイメージに移行して定着してしまったのか

まさにソレ

私が研究したいのはソコなのよ!」


オカルトを信じる人に

そういうタイプが多かったせいじゃ

いや

言うまい

何かまだ話してるし


「暴きたいの。色んな嘘を

隠された真実に光を当てて

不条理な汚名を消し去りたいの。」


イルミナティ

今は裏で世界を操る秘密結社の名前で

イメージが定着しているが

言葉そのものの意味は


光に照らされたもの だ。

ブックマークやポイントでテンション上がります。

どうかお願いします~。

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