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第十八話 エコえこ④

「オカルト勝負よ!生徒会長。

あなたが勝てば私は部を辞め

生徒会に入ってあげる。」


人差し指でビシッと会長を指差し

堂々と宣言する入皆。


いや

勝負なんかしなくても

部として正式に処理されている。

堂々と存在してて良いんだが

それに会長にもそんな権限が無いのは

本人から確認済みだ。


勝負の必要は無い。


そもそもオカルト勝負とは

一体どんな戦いだ。


「私が負けた場合は?」


「部費を倍にしてもらうわ。」


「いや、それは・・・・。」


そんな権限も無いだろう。


「大丈夫よ、方法があるの

ちゃんとレクチャーしてあげるから

会長は何の心配も要らないわ。」


以前も思ったが

陰謀を暴くより企む傾向にある。


「よかろう。」


あっさり勝負に乗る会長。

良いのかよ。

もう頭が良すぎると人はバカになるのか。


「面白そーっ」


真黒井さん。

何か下手に思考するより

この人の直感が正解な気がする。

いいか

面白そうだし

僕達は見てるだけで良さそうだし。


「で、オカルト勝負とは

一体どんな戦いなのだ。」


多分、入皆以外のここにいる全ての人の疑問だ。

会長は口にしてくれた

と言うか

どんな戦いも分からないのに勝負に乗るのか。


「なんでいいわ。

生徒会長の信じている常識

それを覆してあげる。」


僕は思わず突っ込んだ。


「こちら常識と一致していたら勝負が始まらないぞ。」


「大丈夫よ。私の意見は全て生徒会長の反対意見よ。

何を言っても全部反対してあげる。」


イギリスに対するフランスか、お前は


「それは口ゲンカになるだけだ。

それに何を言われても絶対に認めなければ

負けにならないのだから

僕なら絶対に認めないぞ。」


僕は多分、裁判でも

やったけど認めないと言いそうだ。


「私は誇りにかけて

そんな真似はしないと誓うぞ。」


負けたら誇りをもって

部費倍増の悪事を働くんですか。


「会長もああ言ってるし勝負よ!」


「勝負はだめだ。討論会なら良いんじゃないか

例えば・・・。」


「討論会よ!」


例えばの先を聞いてくれ

僕はめげずに続けた。


「会長も単独では無くこちらと合わせて

後二人仲間を追加してもらい。」


まぁ僕は役に立たない

恐らく興味本位だけの真黒井さんも

オカルト知識豊富では無いだろう。

ただそばで行き過ぎを牽制したりは出来る。

相手の言う事を聞かず大声で被せるだけの

不良の口ゲンカみたいなってしまう心配は

このメンツなら大丈夫だとは思うが

変な空気にだけはしたくない。

その意味で入皆を横で制御したいのだ。


「どちらの主張がより共感出来たか

判定してもらうどちらの陣営にも無関係な

審判役を何人か呼んで

彼等の数で結果を決めてもらうのはどうだろう。」


これならば人の目が増えるので

変にエキサイトしたり

無いとは思うが生徒会のパワハラも防げる。

最悪、負けた方も「愚民には難しいか」と

勝敗後に自己弁護出来るだろう。


「良い案だぞ。丘1年。」

「それでいきましょう。」


当事者も了承だ。


会長は生徒会室に増援を呼びに行った。


「流石は丘クン。

私が見込んだだけのコトはあるわ。」


不利になったとは思わないのか。

スマホを操作し始めた入皆は

上機嫌でそう言って来た。

そして画面を僕に見せながら続けた。


「こいつらなら私の言いなりよ。

彼等を陪審員に選定すれば

もう勝利は確定ね。」


僕は脊髄反射で叫んだ。


「真黒井さん!適当に暇そうな人を

かき集めてもらえないかな!頼む!」


真黒井さんは陪審員集めに

入皆は何か用意するモノがあるとかで

部室から退室していった。

僕は会場の準備だ。

会場と言っても適当に椅子を並べるだけだが


30分と経たず準備が整った。

予想以上の人数だ。

椅子が足りない。

何でこんなに連れて来たの


僕は集まった中の男子連中に

協力を仰ぎ近隣の部室から

余っている椅子を調達した。


「ふふふ我が部の実力を垣間見るわね。」


入皆は上機嫌だ。

いや、まだ活動らしい活動してないのに

それに実力って何だ。

オカルト研究部の実力とは?


「生徒会長・・・ファンもアンチもスゴイ居るみたい。」


小声で真黒井さんは僕にだけ

そっとそう言って来た。

それは何となく分かる。


「陪審員としては向いていないな。」


「勿論、そう言う人には遠慮してもらったんだけどね。」


「それにしても・・・すごいなアレ」


「うん。入皆さんて何でも出来るのね。」


第一回オカルト討論会


デカデカと張り出された題字。

入皆の用意したのはこれだ。

この為に書道部に乱入したらしい。

こんなデッカイ半紙

TV以外で初めて見た。


ものすごい達筆だ。

書道部がガン見して

熱く入皆の勧誘をしていた。

陪審員としてついでに連れて来たそうだが

ちゃんと判定してくれるのかなぁ。


「非常に興味深いよ。」


土師先生まで来た。

これで闇の魔術を誰かが仕掛けても

安全に討論会を進められそうだ。

って


「何でスネイプなんか呼んだの。」


僕は小声で真黒井さんを責めた。

絶対この部を疎ましく思ってそうじゃないか。


「通りすがりに話を聞かれちゃって

呼んだんじゃないの

ついて来ちゃったの。」


お前は来るなとも言えないか。

くそーっ

開国してなるものか。

アレ

僕としてはスネイプに頑張って貰う方が良いのでは

いや

結果としてそうであっても

何かスネイプに頼りたくない。

何か討論やる気が俄然沸いて来た僕であった。

ブックマークやポイントでテンション上がります。

どうかお願いします~。

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