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第十二話 仮に月⑥

「これも冒頭で言っている通り

理論的に可能だから出来た。

で流すわね。

本当に注目して欲しいのはコレよ!!」


全てが

NASA脅威のメカニズム

宇宙飛行士マジ超人

で流れていく


そして

続いて画面に映し出されたのは

おぉ

誰もが一度は目にした事のある映像。


アームストロング船長の足跡だ。


名セリフが思い出されるな。

いや待て

感慨に浸っている場合では無い。

入皆の奴もしかして


宇宙服の靴底と模様が違う。


じゃないだろうな。

アレには事情がある。

恥をかく前に止めるか。


「入皆、もしかして靴底の模様が

宇宙服と異なるって・・・。」


「アレは靴の上に更に違う物を履いているのよね。」


知ってるのか

オーバーコートって言うそうだ。


「私が言いたいのは・・・。」


勿体ぶる入皆。

注目を集める為だ。


「逆噴射で着陸したのに

足跡が付く程、砂が残るのかしら?」


この発想は無かった。


あれだけの重量物が逆噴射で地表に降り立つのだ

大気の存在しない月面では

そんな強力な噴射は初めてだろう

砂などは一気にみんな吹き飛ぶ気がする。


「全部、砂とか。」


真黒井さん。

それだと着地出来ず潜って行くのでは。

そして噴射を止めた瞬間埋まる。

カレイとかそんな感じで海底にいそうだ。


「最初の一歩だけじゃねぇ

着陸船の周囲足跡だらけだもんな。」


三井の言葉に

良く見かける写真

皆それを頭に思い描いているのだろう。


「逆噴射で着陸したと言うより

そこに建てた。

この方がしっくり来るのよ。

すごく映画っぽい。

これはまぁアポロの

あらゆる動画に言える事なのだけれども。」


そう言うと入皆は

再び台車まで行き

また何かを取り出した。


金槌と・・・鳩かなんかの羽だ。


「あっ・・・知ってるソレ

見た事ある。」


うん、真黒井さん。

多分みんな知ってるよ。


宇宙飛行士が月面で

金槌と羽を同時に手放し

同じ速度で落下する動画だ。


そしてドヤ顔で両方落下させる入皆。


「痛っ!!」


落下した金槌は跳ね帰り

入皆のスネを直撃した。


悶絶しながらも解説をする入皆。

この根性は立派だ。


「どどどどう」


童貞ちゃ・・・

言いたくない。


「同時に落下したでしょう。」


速くて同時かどうか判定出来ないが

羽とは思えない速度で落ちたのは間違いない。


僕はすかさず近づき

羽を拾い上げた。


「何だコレは。」


見た目は鳥の羽だが

カッチカチだ。

食品サンプルを思い出した。


「樹脂で固めてあるの。」


「チープな手品じゃないか。」


「そう、女子高生でも再現出来る

ちゃっちぃトリックよ。」


「アポロの映像もそうだと言いたいのか。」


「そうよ。当時の特撮技術で

再現出来るような動画ばかりよ。

これって変じゃない?」


月ならでは画像。

六分の一の重力ならではの画像。

真空ならではの画像。


「三井クン。膝から下だけでどの位ジャンプ出来る。」


「ん?30cm位は余裕じゃねぇかな。」


30X6で180cm

人の背丈ほど宇宙飛行士が飛びあがった動画は無い。


ゆっくりとフワフワする動きは

再生速度を半分にする。

地面を叩く反動で体を起こすシーンは

ワイヤーを使えば再現出来る。


確かに

月面の動画は作り物感が否めない。

では逆に


「どんな難しい動画なら信じたんだ?」


僕はそう入皆に聞いた。

ケチを付けるだけなら小学生でも出来る。

現状を超える代案が無いなら

沈黙すべきだ。


しかし

あっさりと入皆は興味深い返答をした。


「難しい事無いわ

日向と日陰の合間で

コーラの栓を抜くだけよ。」


振って振って

栓を抜く


噴出する泡状のコーラ

六分の一重量下だ。

通常よりも派手に吹き上がり

100度を超える日向では

真空の助力も相まって

瞬間に蒸気になり

氷点下の日陰に飛んだ泡は

そのまま幾つもの

氷の粒子になって落下する。


思われる

どうでしょうか

でんじろう先生。


「今ならCGで出来るでしょうけど。」


当時の特撮技術では映像化は無理だろう。


「たったコーラ一本で出来るのに

なんで特撮でも出来る様な事しかしなかったのかしら。」


誰も答えを持ち合わせていない。

静まる中

またも

真黒井さんが声を上げた。


「あ、でも何か

当時、コーラの瓶が映っていたって話聞いた事ある。」


それは全く別の一件だ。

つか

よく知っているな。

ブックマークやポイントでテンション上がります。

どうかお願いします~。

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