王の意向。絶対なる無慈悲の蹂躙
「グガガアアアアアアアアアアアルルルッ!!」
西の美欧都市エクセリアに一匹の竜が現れた。
開口一番、咆哮一撃。
エクセリアは黒炎に呑まれ壊滅した。
「同情はしないわ。怨むなら坊やに手を出した者達を恨みなさい」
東の防衛都市ウィンデルに一人の魔女が降り立った。
幾重にも織り重なる薄氷の魔法陣。
ウィンデルは氷河に抱かれ凍結した。
「彼の王の命令です。死に絶えなさい。人間達よ」
南の海霊都市シガンナに一翼の女神が舞い降りた。
天空が白光を放ち墜落する。
シガンナは白光に包まれ消滅した。
「ごめんよ。君たちに恨みはないけれど、シドのために死んでくれ」
北の法箱都市リベリオンに一振りの勇者が訪れた。
人間族最強の精鋭『十剣』が斬り伏せられた。
リベリオンは銀閃の一太刀により全滅した。
「我が名は魔王オルゼア。貴様がこの世界の魔王だな?」
ウィンデルから遠く離れた魔界領に魔の王が現れた。
3合。それは魔王が魔王と斬り結べた回数である。
魔王軍は魔王軍によって蹂躙された。
それらは少なくとも、戦いと呼べる生易しいものではなかった。
圧倒的教者による無慈悲な殺戮。
絶対的信者による一方的な殲滅。
抗うことなど許されない。
謀ることなど許さない。
たった一人の愚者が犯した過ちは、もはや取り返しのつかないところまで行ってしまった。
賽は投げられた。落ちていく。底の見えない闇の中に向かって。どこまでも落ちていく―――。




