第7話 愚神もわからないらしい
「重ね重ねすみませんでした」
「ん?ん?」
「あ、あたし、エーズです。ちょっと調べ物が手間取って」
「貴様、今頃何を!
オレがどれだけ苦しんだか、毎日親父がキンタ○って」
「それがですね、まあ、ぶっちゃけ、担当がやっちまったです」
なんだと!?
「叱ったのを根に持ってですね・・・レアな・・・かなり遡らないと出てこないようなのを・・・その~つけちゃったです」
「適性って、人によるんじゃないのか?」
「そりゃそうなんだけどさ、個性は千差万別、カテゴリーなんか穴だらけで」
「それがなんだよ」
「いえ、失礼しました。でですね、錬金術師が次点なんですけど、いったんつけたのは引っ込められないってことで、すみませんでした!!」
愚神が土下寝までしてる。哀れでそれ以上突っ込まなかった。
「あとさ、加護が【エ・・】だったけど、なんで?」
「お願いを快く承知していただけてたら~~【エーズ】だったんすけど」
「加護って、なんの御利益があるんだ?」
「そりゃもう、なんかの時に役に立つとか」
「役に立ちそうもないからいらない」
「グヌウ!!」
「で、玉造師っていったいなんだよ」
「はい、魔法系の錬金術師のように、様々な材料を組み合わせ、薬や物を造る才能ですわよ、オホホ」
「なんか、アンチョコ持ってないか?」
「気のせいですわ、おホホホ」
「で、何が錬金術師と違うんだ?」
「ええと・・・道具がいりません。
手の中に材料を入れて、魔力を通すだけで、ハイ、できあがり~~」
「それって、小さい物しか作れないって事?」
「・・・へ!?少しお待ちください・・・ええと、ええと」
「それ、オレにも読めるの?」
「いえ、これは神システムの原本でして・・・その・・・」
「読めるのか?」
「後ほどコピーを差し上げますです」
「とかいって、都合の悪いところを黒く塗ったり編集したりすんじゃねーのかあ。社会科の授業で教わったぞ」
「・・・それではその件はそれでよろしくお願いします」
「おい!!
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マジ疲れる。お願いってなんだっけ、忘れちゃったな。
リーナとオレは王都へ行く準備をしていた。
勉強の追い込みもあり、剣術の稽古も欠かさず頑張っていた。
敵認定された奴も力任せの愚を悟ったのか、先生の言うことを良く聞いてなかなか腕を上げている。
冒険者になりたいって、親父や愚姉の事もよく知っていたので仲良くなった。
魔法もちょっとはわかってきた。
どうやら、サイトウ家は魔力量が多いらしく。三人ともいきなりの魔力B判定。
オレは若い分、適性からの伸びしろがあるらしい。
リーナは女子寄宿舎の姉と同居予定、オレは男子寄宿舎の四人部屋予定。
寄宿舎は貴族用と平民用に分かれているので、気楽だが、
見張りはどうしたら良いか。ま、学園の授業で会えるからいいか。
親父と愚姉は相変わらず、冒険者稼業にいそしみ稼いでいた。