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異世界家族、ある玉造師の独り言~オレはまともに暮らしたい~  作者: 日川文月
第1章 家族で異世界突入編
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第20話 『庫玉』計画

 キュリ姉さんは卒業したが、学園に残りしばらく魔法修行を続ける。

 優秀なので将来は、学園の助教に推薦されている。

 リーナが卒業するまでは寄宿舎の同居も続くそうだ。

 親父達が王都に戻り、相談のためにサエルミラ先生の家に集まった。


「・・・それで、ギルドに行って、オレのスキルで調べたら、

 コアは無傷で魔素が濃ければダンジョン造り始めちゃう。

 マジックポーチに入れておいて正解」

「評価が高くなるのじゃ!」

「やったね、父ちゃん」

「売るわけじゃね~だろ」

「それに、でかすぎて魔力維持が大変だから

 欠片と各素材でこの部屋ぐらいの容量かな。

 柔らかい皮袋のイメージで高さ長さ幅も融通が利くんだ」

「マジックポーチは百金貨10枚もするよな」

「うん、コアの大きさから100個は簡単にできそう。

 他の素材もあればだけど」

「マジか、作って売った方が儲かるな」

「やったね、百金貨1000枚じゃん、すげ~」

「ふう~満腹じゃのう」


 ミスリル鉱石採掘権放棄を勘案して、

 親父と姉貴がダンジョンコアの所有権を正式に得ている。

 大きさと状態とで百金貨50枚ぐらいと評価されていた。

 錬金術師がからめば、オークションでそれ以上になるかも知れない。


 素材の分割や結合は、『玉鍛』のスキルを使う。

 『玉造の書』をよく読み、練習も別の素材でしていた。


「じゃあ、親父、オレがやっていいよな」

「まあ良いけどよ、たくさん造っても売れるのか?」


 意外に鋭い!


「今すぐはムリじゃろうの。

 じゃが、何時までもギルドのマジックポーチに保管できぬわ」

「マジックポーチあったら便利よね」

「そりゃそうだけどよ~」

「『ジエイタイ』なら持っててもおかしくない、おおっぴらに使えるよ」

「手に持って使えるのはわかったが、

 『書玉』や『書棚』みたいに使えるのかの?」


 さすが、サエルミラ先生!


「はい、魔力で文字が浮かぶ魔紙か魔羊皮紙を加えます。

 入っているものは自動的にリストになる働きです。

 念じればそれに名前をつけられます。

 体に入ってるなら『庫棚』って念じ、

 名前で取り出せばリストが読め、それを指定して

 出す感じで使えますよ」

「それは便利じゃの、欲しい」


 役割毎に『アイテム』『食糧』『獲物』など、

 いくつか持っていれば整理しやすい。

 入れるときはその名前の『庫玉』に収納すると念じれば良い。

 魔素が薄くてもトレントの魔石のおかげで永久に維持ができるだろう。


「その他の玉ってどんなのがあるんだ?」

「レベルアップしないと造れないけど、

 武器や武具に属性を付与する玉とか

 錬金術師ができそうなことは一通りかな」


 ヤバくて言えないのがいっぱいあるけどな・・・。

 『玉造の書』半端ねえ。

 全部覚えちゃったし、早めに返しに行こう。


「それじゃあ、ギルドから持ち帰ったタイミングで造ってくれや」

「サエちゃんの分は只で良いでしょ、父ちゃん」


 愚姉、先生になれなれしすぎるぞ!!


「あったりまえだ~」

「ありがと」

「あたしたちはちょっと怖いし『庫玉』はムリ」

「だよね、うっかりしたら襲われるわ」

「そうだな、狙われても守れないと危ねえな」


 キュリとリーナはよくわかっている。

 マジックポーチを持ってるのはAランク以上、

 稼いでいる冒険者パーティぐらいだ。

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