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異世界家族、ある玉造師の独り言~オレはまともに暮らしたい~  作者: 日川文月
第1章 家族で異世界突入編
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第2話 辺境領国らしい

「・・・いやあ、あのとき、オオカミがぐわ~と牙を剥いたときはびびった」

「いや、なかなかできることではありませんよ。

 おかげで、我々は命拾いしたんですから」

「そうですわ、覚悟を決めてたんです」

「我々も消耗して、一人しか動けなかった。

 ゴウジさんが引きつけてくれなかったら、どうなっていたかわかりません。

 ランコさんの剣さばきにはさらに度肝を抜かれましたけどね。

 全く素晴らしいお嬢さんです」

「いや~、それほどでも、おホホホ」

「トンビがタカを産んじゃった?ガハハハ」


 親父は斉藤豪児、元自衛官、空手五段、柔道三段、剣道三段。

 古武術もこなし、自衛隊では格闘技の師範代で指導もしていた。

 愚姉の蘭子は高一の剣道大会で日本一に輝いた猛女だ。

 オレの名前は斉藤謙と書いてユズル。


 崖下にダイブして大破した車の後席で気を失っていたオレ。

 肋骨何本かと両足が折れていたらしい。

 引きずりだし、止血や副え木の応急処置、さすがは元自衛隊だよ。

 親父が背負い、持ち運べる荷物を姉貴が背負って、彷徨ってた。

 で、霧が晴れたときは道に飛び出て、助かったと歩いていた。


 怒声が聞こえて、とっさに、オレを降ろし(放りだと思う)、

 大声をあげ、オオカミ・・・ハイウルフというE級魔物の三頭を挑発。

 駆けつけて素手でボコったそうだ。

 姉も荷物から抜刀術の真剣を出し、鞘を払って応戦したそうだ。

 そこは、オレを守るべきじゃないのか?


 危難を救われた領主一族のカイズ=アルステッド(子爵)と妻のキリア。

 オレたち家族の事情を察し、色々と力になってくれている。

 なんでも、黒髪黒目の『迷人』は珍しくないらしい。


「ところで、ユズルは、もう神語で会話ができるんだろ?」

「は、はい」

「こいつ、ステータスが色々不明で、すねてるんですよ」

「いや、まあ、まだ11歳、適性はそのうちわかるでしょう」


 動けるようになって、街のエーズ神殿に連れて行かれた。

 神官職の魔法『語学』は、会話能力が頭に刻まれるようだった。

 文字の読み書きはそれとは違って自分でやらなくてはならないが・・・。

 『鑑定』は人の適性、称号、加護などがわかる。


 親父は、37歳 適性【A?闘士】称号【迷人、楽天人】加護【武神】

 姉貴は、15歳 適性【A?剣士】称号【迷人、正義人】加護【武神】

 オレは、11歳 適性【????】称号【迷人、苦労人】加護【??】


 力量・能力などは鑑定魔法の上級レベルか、魔道具で詳しく調べられる。

 

「とにかく、学校への転入手続きをしますよ。リーナと同学年ですわね」


 奥さんは教師の素養もあり、読み書きを家族に教えてくれている。

 辺境領地はお高くとまっていたら運営出来ないと屈託がない。

 同い年11歳のリーナは次女、7歳のサイズが長男。

 揃って金髪美形、目の色は青系と灰色系の白人種だ。

 長女13歳のキュリは王都の王立学園で寄宿生活。

 13~15歳の卒業後は16歳で成人式ということ、

 この世界では結婚が早いらしい。

 平民は13歳から働くことも珍しくないと聞いた。


「領主が常時募集している領兵で活躍して欲しいと・・・」

「ランコは若いので冒険者という道も考えられるんですよ。

 わたしも若かったらと思うけど」

「あたし、興味あるの」

「う~ん」

「いったん冒険者という手もありますよ。

 一兵卒からのたたき上げより、実力が昇進の参考にされますから」


 オレはボッチ体質、小学校でも浮いていた。

 子供らしくないとよく言われる。

 ゲーム知識で、魔法と冒険者のファンタジー世界の事も知っている。

 アルステッドの領地は領内でも最南の魔の山に接している。

 有用魔植物の採取や魔物狩りで冒険者も活発らしい。


 親父と姉貴が魔物狩りに行きたいと盛り上がっていて、ため息が出る。

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