街・冒険者
全員の酔いもまぁまぁ良くなり、そろそろ都へ入ろうとした
が、
「待て乖斗、あれ門番に何か渡してるよな?」
「あ?」
よく見てみると、確かに渡している。ありゃ……多分金だ。
「………どうするよ」
「……正面突破?」
「余裕で犯罪だ馬鹿」
凛に突っ込まれる
「じゃあ金創るか?」
《やる気 残り93》
「お気に召さないみたいだぞ」
「えぇ……」
カツアゲも多分駄目だろ?不法侵入も駄目だろうし、えっ、じゃあ金塊渡すか?でもそもそも金塊の価値がわからん
出自を聞かれたら何とも言えんし……
そうだ!!女共に身売ッ
「ごはッ!!!」
「……すまん、蚊がとまっていた」
………すみません、まともに考えます
「……よし、次」
「あっ、俺達4人です」
「男2人女2人……同郷か?」
「あっ、まあそんな所ですね」
さらさらと門番は紙に記入していく
「通過するだけ?それとも滞在?」
「滞在しようと思ってます」
「んーじゃあ銀貨4枚だな」
「あっあの……実は、お金を持っていなくて……」
「………あぁ、近頃増えてる魔物の襲撃で村無くした奴等か…気の毒にな、また今度払いに来てくれりゃいいよ。きぃつけてな」
「……よかったぁ……」
「払えって言われたらどうする気だったんだよ……」
「そんきゃそんときだ」
「行き当たりばったりすぎる…」
まぁ、入れたんだし良いだろ。許せ
「さてさて、金払う為にも仕事が必要だな」
「話そらしやがった」
「黙れ。とにかく仕事を探す、それが目標だ。そしてそしてあの家が入る程度の土地を買う。いいな!!解散!!仕事探せ!!!」
一旦全員解散。元は学生でも今は無職だ。
無職は嫌だ……無職は嫌だ……
「………さて、仕事探すか」
土木工事?無理!!賃金が安い!!!
料理人?無理!!そこまで上手くない!!
道化師?楽しそうだが無理!!器用にできない!!
古本屋の店員?無理!!
絵描き?無理!!
武器職人?無理!!
無理!無理!無理!無理!無理!!!!
「「まあ………」」
「「「そうなるよなぁ……」」」
………俺たちは、冒険者ギルドの前に集合していた。
一切の指示を無しに。
扉を開き、中を覗く
……わぁお
酒場と併設された作りになっており、かなり広い。夕方故か、既に呑み始めている冒険者もいる。
クエストを張ってあると思しき掲示板や、何らかの話をしているカウンター。
自分が想像する冒険者ギルド然とした冒険者ギルドだった
「こんにちは、ここは冒険者ギルドです!依頼ですか?登録ですか?」
ここから、真の意味で俺達の冒険は始まるんだ……!