スキルとステータス
「じゃあ次で最後の話だね。いよいよお待ちかねの転移の話になりま〜す」
「前置きはいいからさっさと説明してくれ。確か転移したらステータスの上乗せと監視者が付くのと…あとなんだっけ?」
「え〜忘れたのぉ〜?意外と忘れん坊さんだったりしてぇ〜('艸`)プップップッ」
「ほう、3時間近くもず〜っとグチグチイジけていたのはどこのどいつだったかな?そこの窓から大声で他の神に喋ってもいいんだぞ?」
と、ネイに言うと。
「すいませんでしたーっ!!」
頭を大理石にめり込ませながら土下座してきた。…うんここまでされると正直引くな。そんなにいじられるのが嫌なのかね?
「分かった分かった、別に喋らないから、早く説明してくれ」
全く持って面倒な性格である。てか、神様のパシリってどんな感じなんだろうな…スケールがでかすぎて想像がつかないな。あれかな?あの世界壊してこいよ、もちろんお前の責任で…みたいな感じなのかな?
「いやいや、そんな物騒なことしないから、世界は決まった数しかないし、壊したら怒られるどころか消されるからね」
「消されるって…誰に?」
「最高神…いわゆる俺達の親みたいなものだ」
「親…ねぇ…てかお前が最高神じゃないのか?世界を統制してるし?最高神とかってどういう定義で存在してるの?やっぱり力とか?」
気まずげにしているネイに問いかけてみた。
「いや、確かに力も大切だか最高神てのはな簡単に言えば最初に生まれた神様のことだ。俺が世界の統制者なら、最高神は神々の統制者と言ったところだ」
「神の統制者ねぇ〜」
「お前信じてないだろ、まぁいいさ、人間であるお前さんには関係のないことだ」
「それもそうだな」
俺は人間だし、最高神は神の統制者という程だから神様以外には関わりがないだろう。
「さて、話しが逸れたな。えっと…あぁそうそう転移後に変わることの話だったな」
ネイは体制を整えて椅子に座った。
「転移後に大きく変わるのは4つ、ステータスの上乗せ・スキルの生成・神の加護・そして監視者。最初にステータスの話をしようか」
ステータスか、俺の馬鹿げた(人としては)能力値にどんな変動があるのかな?
「と思ったが、正直話すことなんてあまりないんだよな…。」
「ならひとつ聞いていいか?」
「な〜に?」
「INTって魔法に関係することだよな?」
「そうだね」
「魔法はどうやって使うんだ?」
俺には一般人みたいなゲームの知識がない魔法と聞いてもいまいちピンとこないのだ。
「そうだね〜、魔法はね火・水・風・土・光・闇・無からなっていて、魔法を発動するときは詠唱が必要なんだけど魔法じたいは定まっていなくて、イメージが大切なんだ」
「詠唱?イメージ?」
「例えば、今からここに強風を吹かせようとすると【我は風の目なり、我の傍には何人も近づけず】」
そう言うと、ネイから強烈な風がおきた、それはまさに地球であった台風のような風で、床に伏せていないと向こうへ飛ばされてしまいそうなほどだった。数秒後に風は止み、ネイに聞いた。
「魔法のことは大体わかったが詠唱はどうやったらおぼえられるのだ?」
「詠唱は頭の中で魔法のイメージが確立すると流れ込んでくる、しかし、強力な魔法ほどINTとMPが必要になるんだ。それに、火・水・風・土・闇・光の魔法はスキルが必要になる」
「なるほどな、てことはINTやMPも上乗せで増えていくのか?」
「ステータスの上乗せはランダム…そう書いてあっただろ?まさにその通り、0~∞まで、まさに博打だね」
「まて、そんな博打みたいな方法じゃあ、LUCがマイナスの俺はどうなるんだ?」
「LUCは運、この認識はあってるけど、今回はあまり関係ないんだ」
「なぜだ?」
「この特典は運ではなく、完全にランダムなんだよ」
「???…意味がわからん?」
「う〜ん、説明しずらいんだけど、特典が能力値に左右されたら意味ないじゃん。だから、LUCは一時的にないものとして扱い、ランダムの上乗せを受けてもらうんだよ」
「いまいち、理解できなかったけど、まぁそう言う事だと納得しておくよ。ちなみに、ステータス上がりに上限はないのか?」
「ないよ、まさに可能性は無限大と言った感じだね」
「じゃあ神族のような化け物にもなる可能性があるってことか?」
「そうなるね」
それってどうなの?ネイのしか見たことがないけど、あれほどの能力値になったら世界のバランスが崩れるんじゃないのか?
「そうだね、バランスが崩れるかもしれないね…でもね君たち灰色には監視者が付いているからね。バランスを崩すような行為も【審判】の対象内だから気をつけてね。と言っても、君は例外な存在だから、普通は生きていてそれほどの悪事を働ける生物は少ないからね」
なるほど、それなら安心だが【審判】とはそれほどまでに強力なスキルなのか?
「【審判】は強力だよ、対象者にしか効かないし攻撃系でもないけど、対象者の犯した罪によって威力が変わるからね。それこそ、ゴム鉄砲から水爆までね」
す、水爆か…しかも対象者だけってことは、体内で水爆が起こっているような衝撃が走るってことか…それは…
「遠慮しておきたいな」
「まぁ監視者の匙加減だとしてもそこまで重い罰は下らないさ。窃盗で拳銃、殺人でショットガンみたいな感じだからね」
殺人ねぇ〜
「まぁいいさ、次はスキルだけど…」
「スキルってのはね、もともとは人の才能を可視化したものなんだよ。ステータスプレートに書いてあった【閲覧】ようにね。そして才能は生きている生物全てに言えることだ…つまり、スキル自体はほぼ無限にあるんだ」
「無限…か、才能となると合わないスキルは習得できないということか?」
「いや、そういう訳でも無くなったんだ、昔ね勇者として異世界に転送された人がいたんだけど、その人がステータスプレートに才能を可視化できるようにしたんだ、それからは速かった、才能のない人間でもそのスキルを身につけることができたんだ。確かに習得にはそれなりの時間がかかっていたけどね。生き物の欲とはすごいね」
確かに、人は無いものが見えていると貪欲に欲しがるものだ、それに、人が一番力を出すときが、その欲望をさらけ出した時だからな。
「なら、スキルはなんでもいくつでも、しかしランダムで生成されるのか?」
「そうなるね、あぁ、後なスキルとお前自身にはレベルが存在するんだ」
「レベル?またゲーム関連の話か…」
俺は顔をしかめて言った。
「まぁまぁ、そんな露骨に嫌な顔をするなって。聞いておいて損はないだろ?」
確かに、あっちの世界に行く上でスキルやそのほかの内容などは、広く知っておいた方がいい。
「そうだろ?知って損はない、しかも得する。神様えらい!」
うん、殴りたいこの笑顔。
「やめてその顔、マジ怖いから、真面目にやりますから。」
そういうとネイは、姿勢をを正していった。
「レベルというのはランクと言い換えてもいい、一番上が10、一番したが1という具合だ、ちなみに、お前自身のレベルはまずは1から始めることとなる。レベルが上がるごとにステータスが向上する、つまり、成長していくんだ」
「なら、体の方に成長の限界はないのか?」
「ないな、そしてレベルを上げる方法だがスキルの方は熟練度と言って使えば使うほど上がっていく。体の方のレベルは、鍛錬や実戦などで上がる事となっている。素振りなどでもレベルは上がるが、やっぱり、実践の方がはるかに早くレベルは上がる」
「実戦と言っても、殺しは御法度なんだろ?ならどうやって戦うんだ?」
「いや、お前の頭の中は戦い=殺しなのか?戦いと言っても稽古のようにやれば死人は出ないだろう、それに、お前が転移するところにはモンスターがいるからな」
「モンスター…怪物か?」
怪物というと、どういうのだ?ネイみたいなのか?
「俺をモンスターと一緒にするな!モンスターっていうのはだな、ゲームに出てくると言えば一番早いんだがな…そうだな、キメラや龍は分かるよな」
俺は首肯する。キメラは蛇やライオン、ヤギなどと合成された生物だったな、なんかの本で読んだことがある。龍はテレビとかで時々出ていたような…ないような。
「まぁいいさ、百聞は一見にしかずだ、実際に見てから判断するといい」
「それもそうだな…そういえば、ネイにはレベルがなかったよな?」
「俺か?俺達神族はこの状態で完成されているからなこれ以上成長しないんだ」
なるほどな、納得だ。
「あと話すことといえば…あぁ、一応スキルのスキルレベルのことにも触れておくか、スキルレベルはさっき言った通り1~10まであってレベルが上がるごとに能力が上がる、物によっては合体や上位互換なんてこともある」
ちなみに、スキルのレベルはこんな感じだそうだ。
1-ドレミの音階を弾ける
2-ねこふんじゃった
3-エリーゼのために
4-トルコ行進曲
5-悲愴
6-鬼火
7-ラ・カンパネラ
8-悲愴を片手で
9-鬼火を片手で
10-ラ・カンパネラを片手で
となっている、正直無理だろう7あたりからは、苦情が殺到するレベルだ。
「と、まあスキルとレベルに関してはこんなところだね、何か質問は?」
「スキルレベルは10までなのか?」
「いや、10までしか測れないというのが現状だね」
「そうか、分かったもういいよ」
「じぁ次は、神の加護について説明しようか」
はい、分かっている人もいると思いますが、作者はピアノに詳しくありません。演奏関係者の方すみませんですた。
さて、次回はようやくヒロインの登場です。次話もよろしくお願いします。