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PM7:06 南校舎四階教室 半沢吉明
ぼうっとした感覚
何を、していたんだっけ
確かそう――――会議が終わるのを待っていて
ああ、眠っていたんだ
そうだ、今時間は―――――
「……うわっ!!」
立ち上がろうとして、どうしてかバランスを崩した体が、そのまま前のめりに倒れこむ
肩を下にしたおかげで頭は打たなかったが、床に打ち付けられた体が悲鳴を上げた
「っ……何だ、これ」
手をついて立ち上がろうとして初めて、両手が塞がっていることに気づく
体に巻き付いた、ワイヤーのような硬い糸
拘束、されているのか?
どうして?
「……っ!!そうだ、僕はっ……!!」
フラッシュバックする光景
咄嗟に体を確認する
「……痛く、ない」
血は出ていない、痛みもない
多少制服に皺が出来ていたが、些細なことだ
黒板の上に設置された時計を確認する、時刻は七時と少し
あれは……夢?
たしか僕は、銃で撃たれて
ここは、どこかの教室の中か?
眩しい色の蛍光灯が、ジジと静かに呻いていた
あれは、誰だったんだ?
僕は一体―――――