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半沢吉明の不幸な人生
シリーズとして書いていくつもりです
タイトル変しました
優しさで読んでください、お願いします
「……7777、四桁揃えばもう一本……」
五階最北端、生物室横に設置された自動販売機の前
腰を落とし、低く構え、前傾姿勢
瞳に映った真っ赤な数値が、瞬間瞬間を判別できない程早く、冷酷に運命を刻んでゆく
「7……」
一つ
「……7」
二つ
「……7―――」
三つ
最後の数字が6で止まったところで、僕は膝を折り、その場に崩れ落ちた
僕の名前は半沢吉明と言う
職業学生、身長は平均よりやや低く、体重は身長分丁度、といったところ
趣味は読書と音楽鑑賞、成績は可もなく不可もなくいつも平均値前後、運動能力も人並み
父親はサラリーマン、主婦の傍らパートで家計を支える母親に、小学六年生の妹が一人
決して裕福とは言えない、かと言って貧しいとも言えないごく普通の家庭で育った、まさに『普通の代名詞』というような男
それが僕、半沢吉明だ