鍛錬回という名の説明回
あの後俺は宿屋の主人に頼んで部屋をもう一部屋借りることにした。いつかは自分の城を持ちたいが今はこれでいい。
二人の寝床も確保したところで次にすべきは部屋割りだ。配下になったとはいえ日は浅い。二人に希望を聞くとどちらも俺に決めて欲しいという事だったのでハイゼンと俺、そしてカレリアと分けることにした。
決して綺麗な人と一緒に寝ると緊張するからとかでは無い。
そうして部屋割りも終わり翌日。俺は配下となった二人にさっそく強くするための鍛錬を積ませることにした。
朝起きてから宿でご飯を食べたあと俺は二人にアイテムボックスからそこそこの剣を渡した。
「今日から二人には強くなってもらう。ハイゼンはもちろんカレリアにも王女だからと優しくせずに強くなって貰うからそのつもりでいるように!」
「わかりました。」「わかったぜ!」
二人からも了解を得たので俺たちは森へ向かうとまたアイテムボックスからアイテムを取りだした。それは指輪状の形をしておりハイゼンとカレリアにそれぞれひとつ渡すつもりだ。
この指輪は「経験値の指輪(銀)」というアイテムであり倒した魔物から得られる経験値が倍になる。ちなみに経験値を得ることで上げられるレベルで上がるものは「体力」「魔力」「闘気」の三点だ。
体力は言わずもがな。特に大事なのは魔力と闘気だ。
魔力は魔術系統のスキルを使う時に消費する。一方で闘気は剣術や弓術などの物理系のスキルを使う時に消費する。
この三つの値はレベルと共に上がりはするが数値として見ることが出来ず、体で感じたりするしかない。ただ、スキルでオーラとして見ることは出来るので完全に確認ができないという訳では無い。
以上がレベルアップで挙げられるものだ。これらは元の数値はレベルによって固定であり装備やスキルによって増減できる。
さて、次は修練度についてだ。この修練度密接に関わっているのが職業である。
職業とは異世界における成人とされる10歳になることで世界の各地にあるダンジョンに入ると決めることが出来る。
職業は全部で十種存在しており
・剣術士
剣や大剣などの武器の修練度が上がりやすくなる。
・弓術士
弓やクロスボウなどの遠距離武器の修練度が上がりやすくなる。
・槍術士
槍や斧などの剣よりもリーチが長い武器の修練度が上がりやすくなる。
・拳闘士
拳や爪系統などの超近接攻撃系の武器の修練度が上がりやすくなる。
・魔術士
魔法などの魔力による攻撃の修練度が上がりやすくなる。
・盾術士
盾などの身を守る武器の修練度が上がりやすくなる。
・錬金術士
物と物を合成する修練度が上がり、成功率が上がりやすくなる。
・鍛冶士
武具を造る時の性能が上がりやすくなる。
・調教士
従わせている魔物やペットなどの強さが上がりやすくなる。
・回復術士
ヒールなどの回復系の魔法や補助系の魔法の効力が上がりやすくなる。
というふうに別れており、人生でひとつしか選べない。だが他の職業の武器を使えなくなるということにはならず、職業で得られる恩恵は修練度の上昇値が高くなるという程度のものとなる。
この士の職業で修練度を上げると士から師の上位職にクラスアップする。ちなみに師になったからと言って特に強くなる訳では無い。
そして修練度はMAXで9999あり、この数値が高ければ高いほどその系統による攻撃で与えるダメージが増える。というわけだ。
ちなみに俺は魔術師の職業についており、魔法剣士に憧れがあったため剣術の修練度をあげている。魔法剣士、かっこいいよね。
さて、色々ステータスについてまとめてみたがひとつ困ったことが起きた。このことを二人に伝えてもよくわかっていなかったのだ。と言うよりもこの世界にそういうステータスみたいなのはないようだ。
一応職業や、名前などを見るための魔道具はあるものの詳しい内容は見ることが出来ないそうだ。
だがもしかしたら配下になったことでなにか変わったかもしれないと思い俺は二人にステータスオープンと唱えてくれと頼んだ。
「「ステータスオープン」」
と二人が言うとやはり変わったと言うべきなのか二人の目の前に透明の板のようなものが現れた。
「……これがハーゲン様が言っていたステータスというやつですか?」
「あぁ、これで二人がどのくらいか見ることが出来るはずだ。」
「ハーゲンさん!俺はどんな感じなんだ!?」
そう言われ俺は二人のステータスを見ることにした。
「名前:カレリア=フォン=アレクトリア 職業:剣術士
種族:不死族
レベル:5
称号:王女
修練度
剣術143
弓術11
槍術23
拳闘38
魔術3
盾術15
錬金術0
鍛冶0
調教0
回復術23」
「名前:ハイゼン 職業:剣術士
種族:不死族
レベル:25
称号:近衛騎士
修練度
剣術549
弓術93
槍術107
拳闘74
魔術69
盾術248
錬金術0
鍛冶0
調教0
回復術103」
と出てきた。
「二人とも職業は同じなんだな。」
「はい。ハイゼンは近衛騎士ですし私もその姿を見ていましたから…!」
「この剣のおかげで俺はここまで来れたしな!ハーゲンさんが強くしてくれるならどんな鍛錬だって耐えてみせるぜ!」
「そうか。二人ともやる気があるようで何よりだ。それじゃまずはこの指輪をつけてくれ。」
そう言って俺は先程用意した指輪を渡した。
「これは?」
「これはお前たちのレベルアップを助けてくれる……魔道具だ。」
「なるほど…わかりました。」
「これをつけたらやっと鍛錬するのか?」
「ああ、とりあえず昼過ぎまでやるぞ。いざと言う時は助けに入るがなるべく二人で倒し続けるようにな。」
「わかりました。」
「わかったぜ!」
そうしていよいよ二人のレベルアップを始めるのだった。
今後何回も出てくる修練度やレベルアップシステムについて出そうと思い本編に入れました。
ちなみに主人公は超廃課金勢なので装備も一級品ばっかです。そのうち装備やアイテムの等級についても触れていくのであまり期待せずに待ってていただけると嬉しいです。