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死にかけの奴隷たち



 奴隷商の所へ着いた俺は早速受付と思われる人の所へ向かった。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご要件でしょうか?」


「奴隷を買いたいんだが大丈夫だろうか?出来ればもう死を待つしかないような安い奴隷であると嬉しい。」


「かしこまりました。それではいくつかピックアップさせていただきますのであちらの方に座って少々お待ちください。」


 そういうと受付の人は奥の方に入っていったので俺は言われた通り待合室のようなところで座って待つことにした。

 周りを見渡すと俺の他にも奴隷を待っているものや奴隷となにかしているものもいる。やはりハルベルトに聞いた通りこの世界では奴隷という制度がしっかり根付いているようだ。


 そうしてしばらくすると先程の人が戻ってきて


「準備が出来ましたのでこちらへ起こし下さい。」


「ありがとうございます。」


 そう言って俺は案内に従い奥の部屋へと向かった。




 部屋の中に入ると死にかけの奴隷が集まっているからなのだろうが表とは比べ物にならないくらいの匂いがした。


「こちらがお客様が希望した奴隷達がいるところです。お客様は奴隷購入が初めてのことですが奴隷についての説明をしてもよろしいでしょうか?」


 俺がこの環境に驚いていると案内してくれた人からそんな提案がきた。特に断る理由もないので俺は聞くことにした。


「お願いします。」


「かしこまりました。まず初めに奴隷は3種類に分かれています。

 最初に犯罪奴隷です。このタイプの奴隷はその名の通り犯罪を犯した者がなる奴隷です。この奴隷は刑期を終えるまでは1番厳しい奴隷紋で縛っており絶対服従となっています。まだ、奴隷を殺さなければ基本的にどんなことをしても構いません。

 次に借金奴隷です。このタイプの奴隷はその名の通り何かしらの理由で借金を返せなくなった者がなる奴隷です。この奴隷は主人側に給料の支払い義務が発生し、扱いも最低限の生活を保証しなければなりません。その代わり同レート帯であれば借金奴隷が1番安く買うことが出来ます。

 そして最後に特殊奴隷です。このタイプの奴隷は先の2つとは違い自ら奴隷になった者ややむを得ない事情などで奴隷になった者たちです。こちらの奴隷については扱い上は借金奴隷と同じような扱いとなります。」


「なるほど……説明ありがとうございました。」


「それではここの中で買いたい奴隷が見つかりましたら職員の誰かにお声掛けください。」


「わかりました。」


 それではう応えると案内してくれた人は戻って行った。



 さて、俺はさっそく目当てである奴隷を見て回ることにした。流石に死にかけということもあり一目見ただけでは強そうだったり圧を感じるヤツらはいない。

 ということで俺はここにいる奴隷達に聞こえるようにこう言った。


「今ここにいる奴隷達に聞く!死ぬ覚悟のあるやつはいるか!もしいるのであれば意志を示して欲しい。その覚悟があるのならその対価として俺もお前たちの希望を1つ聞いてやる!」


 そういうと先程までこの世の終わりみたいな空気だったのが少しだけ明るくなったように感じた。だが死ぬということに恐れがあるのか誰も立候補はしない。まぁそりゃそうか。いくら望みが叶うと言ってもそれが叶う保証は無いし、何よりその交換条件が死ぬということだ。


 俺的には別に意志がなくても良いのだが出来るだけ俺に従うことに忌避感を持たないやつの方がいい。

 死者の軍団を使うと言っても今まではNPCだったりの意識がない奴らしか動かしてなかった。

 だからもし奴隷に使った時に反抗されるのは困る。


 そんなふうに俺が悩んでいると檻の一角から小さいが声が聞こえてきた。


「貴方の奴隷に……」


 俺は声がした方へ体を向かわせた。するとそこには死にそうだが身なりのいい男と女のペアがいた。


「どうした?」


「私たちは死んでも構わないです。その代わり願いを聞いてください。もし聞いてくれるのでしたら私たちは貴方の奴隷になります。」


 おお!まさか自分辛なってもいいと言うやつが現れるとは…声をかけてなんだが正直なりたいの言うやつが出てくるとは思わなかった。

 まず条件に死んでもいいというのがある。それに俺が願いを叶えると言ってもそれを確かめるすべはないだろうしな。だがせっかくなりたいと言ってるんだ。詳しく聞くか。


「もちろん叶えてやる。それで…願いはなんなんだ?」


「それは……買ってくださったら説明致します。ただ買う時はこの者と合わせてお願いします。」


「……まぁいいか。ならちょっと待ってろ。」


 そういうとこの奴隷達をもう少し詳しく見ることにした。檻の中を覗いてみると女の方は片腕がなく男の方は目が見えないのか目の周りを包帯で覆っている。

 確かに一般の奴隷として売ることは出来ないと思う…が、この程度で死ぬかもしれないと言うには大袈裟な気がするが。


 まぁいいか。ここにいるってことは何かしら理由があるんだろうし。


 ということで俺はこの二人を買うことに決めたため職員に声をかけに行った。


「すみません。買いたい奴隷が決まりました。」


「かしこまりました。それで……どの奴隷をお買いになりますか?」


「この二人をお願いします。」


「この二人ですか…この二人についての話は聞きましたか?」


「?……ええ、まぁ。」


 何となく予想は着く。おおかたどこかの貴族のお家騒動で奴隷堕ちしたとかなのだろうな。あの服で平民ですは無いだろうし。


「かしこまりました。本来であれば値段がもっと行くのですが……欠損奴隷であることと二人まとめてということで割引をさせていただきます。」


 そう言って職員はこの二人まとめての値段を提示してきた。


「え……1000万G????」


 え、割引してこれ?まてまて…この値段だとちょっと厳しいぞ。



 どうすれば……



 

死人族

 ゲーム内で初めて100回PKをされた主人公に運営が同情したのか送られた特殊種族。種族特性としてはまず死ぬ事がなく体力が0になっても一定時間で復活する。また、死霊系統の魔法を覚えやすくなり100レベルになるとゲーム内で数少ない魔物を操るスキルである死者の軍団を扱うことが出来る。

 因みに死にはしないがダメージは受けるため大会などの体力制の状態では弱い。

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