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二十三、あなたの能力

 ステインの放った一撃はミルキィの脇を大きくかすめた。

 よろけた体制のままくるりと回転し、再び斬撃を放った。


 ミルキィはその一撃もひらりと躱す。


「どうしたゴーレム! 反撃してこい!」


 ステインは反動を利用し、タックルを仕掛けていた。

 ステインの激しいタックルはミルキィの鋼の身体にぶつかり、ミルキィは体勢を崩す、すかさずそこのステインの重い両手剣が頭上を捉える。


 ミルキィは両腕を交差させ、それを防ぐ。


「あのステインって野郎、なんて強さだ。あの重そうな両手剣を軽々と振ってやがる」


 ガガオの目にはステインの攻撃にミルキィは防ぐ事で精一杯のように見えた。


 ステインの両手剣はその重さを感じさせないほどに、宙を舞う。


「あんな重さの武器を軽々と振り回せる人間がいるなんて」


 セリカも驚きを隠せない、かなりの手練れだという事はわかっていたが、これほどの強者だったとは。セリカの想像をステインは遥かに上回った。

 しかしセリカには不安などなかった、進化したミルキィのあの姿は何か神々しさも感じらえる。


 それがセリカの不安を払拭していた。


「ガードの上手いゴーレムだ」


 ステインは後ろに飛び退きミルキィと距離を取る、ミルキィは平然としたように静かにステインの挙動に集中している。


「驚きました、あなたは私が想定する以上の攻撃力をお持ちです。しかし持久力に問題があるようです」

「ははは! ゴーレムが私を分析するとは。ゴーレムは命令だけを忠実に守る存在。街を破壊しつく存在。それだけが存在価値だろう」

「私は破壊行為を望みません。あなたが知るゴーレムはそういうモノなのかもしれませんが、私は違います」

「だったら……それを見せてみろ!」


 ステインは両手剣を構え低く屈みこみ、ミルキィ目掛け突進してくる。ミルキィはそれを寸でのところで躱す。

 躱したミルキィはすかさずステインの背中にその拳をハンマーのように振り下ろした。


「ぐ!」


 ミルキィの拳はステインの背中を捉え、ステインは地面に叩きつけられた。その衝撃で地面が少し揺れた。


「あなたの動きに何か不自然さが見受けられます」

「ふ、ふざけるな……この私が一撃で倒れるだと……!」


 ステインは立ち上がり、再び両手剣を構えた。その肩は大きく震えている。

 ミルキィの一撃は正確にステインの背中を捉え、その強力な一撃により呼吸がままならない状態になっていた。


 ミルキィは肩を構えステインに突進をぶちかます。

 呼吸を整えていたステインは、一瞬空中へ飛び退き直撃を抑えた。


 空中に舞ったステインは、両手剣を構えその鋭い切っ先をミルキィに向けた。


「ガードが上手いようだが、この突きは躱せまい」


 ミルキィは頭上に居るステイン目掛け拳を繰り出した。


 しかし、ステインは急激な加速を行いミルキィの左肩を突き刺した。

 突き刺した両手剣はミルキィの身体を貫通し、ミルキィは膝をつく。


「ミルキィ!」


 セリカはステインのありえない速度に驚きつつも、突き刺されたミルキィに声を上げた。


「このまま肩を切り離してやる」


 ステインは握った両手剣に力を込めてミルキィの左肩を切り裂いた。


 切り離されたミルキィの左肩は力を失い、地面に転がった。


 ミルキィは左肩を抑えて膝をついた。ステインに切り離された左肩を見つめた。


「!」


 ミルキィは切り離れた左肩を拾い上げ、身体に吸着させる。

 その姿にステインは驚きを隠せなかった。


「ならば……!」


 ステインは再び両手剣を握り、ミルキィに突進を仕掛けてくる。その突進を躱すミルキィ。しかしステインはミルキィの手首を握り、力を込めた。


 するミルキィの身体は膝をつき、その動きを止めた。


「こ、これは……」


 ミルキィは力を失い、両膝をつき両腕で地面に伏す。


「これが私の覚醒能力だ」


 両膝、両手で身体を支えなければならぬほどに身体が重く感じられた。ミルキィは自分の身体に起きた異常現象を考えた。


「あ、あなたの能力は……まさか重力……!」


 ミルキィは次第に重くなる身体に驚き、ステインを見上げた。


この度はお読み頂き、本当にありがとうございますm(*_ _)m


ブックマーク、レビューやいいね、ご評価、ご感想等頂けますと大変励みになります。


レビューや感想が面倒であれば、いいねや評価だけでも作者は大喜びで部屋を走り回ります笑


皆様が面白いと思える物語に仕上げて参りますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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