第五話 振られる女神
今日は、あと2話程更新します…
ゲイル達がいる場所は、まるで図書館のように大量の棚に並べられた本があり、どれも新品同様の見た目をしていた。
そんな部屋で、魔導の女神:フィーレアは魔法で椅子とテーブルを作成して座るように促す。フィーレアは、レーヴァが用意したティーカップを片手にゲイルへ質問する。
「それで、今日はどんな要件で来たのかしら?」
「…単刀直入に聞きます、魔族領に張った結界を壊そうとしているのは貴方達女神の誰なんですか?」
ゲイルのその言葉に、フィーレアはティーカップをテーブルに戻し、複雑そうな笑みを浮かべる。
「やっぱりそれ聞くわよね…」
魔導の女神:フィーレアは、弟子であるゲイルに対してだけは絶対に嘘をつかない。その彼女が否定しない…という事は、やはり犯人は女神の誰かなのだろう。
「いくら弟子の貴方でも、タダで教えるわけにはいかないわね」
「…一体、僕にどうして欲しいんですか?」
「嫌な予感しかしない」といった表情を浮かべるゲイルに対し、フィーレアはとびっきりの笑顔を浮かべて言った。
「私の夫になってくれたら、教え…」
「お断りします」
ゲイルの返答に、ぽかんとするフィーレアだった。