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王子と私の婚約破棄戦争  作者: 翡翠 律
113/191

第五騎士団チョコレート・バトル!? ②

最初の投稿から一部文章を追加しました。


ブックマークしてくださった方がもうすぐ500人になりそうです。ありがとうございます。

500人達成できたら記念はやっぱり脇役達の番外編かな。



「泣きながら書類に目を通し、執務中に届けられ増え続けるチョコレート、それを見て嘆きながら名前リスト作りをする団員達。執務室はさながらカオス状態でしたね、ハードルク団長。いやはや大変でした。」


「クーノ、おまえが言うとまったく心配していたように聞こえないぞ。」


 朗らかに先程の様子を言いながら自分の後ろを歩くクーノにハードルクがふんと鼻を鳴らす。

 そんな2人を彼らより幾分か背が低いローブ姿の青年がさらに後ろからおどおどと気弱に声をかけた。


「あっ、あのぅ?それで、な、なぜ僕は御二方に同行させられ、い、いえ、同行させていただいているのでしょうか?」


「ああ、すまないな。あまりに仕事量が多くて執務室の奴らが憐れだったからな。

 適当に通りすがりのお前を捕まえたのだ。

 最近チョコレートモンスターとやらが世間を騒がしていてな。少し思いついたことがあるのだ。

 おまえは今から私の手伝いをしてくれ。」


 ハードルク騎士団長の言葉にピシッと音が聞こえそうなほどローブの男は固まった。


「団長自らのご依頼だ。良かったな?」


 ニコニコと線のような細い目で笑うクーノにぽんぽんと肩を叩かれ、はっと我に返った青年が慌てて首を振る。

 確かに騎士団長クラスの方々とともに行動できるなんて平団員の青年にはこの先ないかもしれない。

 しかも行動をともにする相手は若手団員の憧れの的である美しく強き騎士ローゼ・フォン・ハードルク団長とその知力魔力で魔法庁さえも唸らせるクーノ・サラフォルカー副騎士団長だ。

 本来なら誰もが羨むようなこの展開。しかし、ローブの青年はブンブンとひたすら首を振って必死に断った。


「ぼ、僕はたしかに第五騎士団所属ではありますけど...!しがない宝物庫の受付事務員なんですよおぉ!?腕力のあまりのなさに事務に回されたんです!!落ちこぼれと言っていただいてもかまいませんっ!

 無理ですっ!!無理ですよ!!

 団長、副団長とともに魔物討伐なんてえぇぇっ!!」


「......おい、誰が魔物討伐をすると言った?」


 怯えて回廊の床に膝をついたローブの男が叫びながら頭を抱え、イヤイヤをするように頭をブンブンと左右に振る様を見て、ハードルクが何を言っている?とでも言いたげに眉を顰めた。


「は?」


「私が思いついたのはそんなことではない。

 今からおまえが手伝うのは、いかに美味いチョコレートを作れるかを競い合う」


「第五騎士団チョコレートバトルです♡」


 ハードルク騎士団長が言いかけると、すかさずクーノ・サラフォルカー副騎士団長が後を続けて宣った。



「...........。」



 ヒュウゥゥッと回廊に風が吹き抜ける。



 もう騎士団長と副騎士団長ってば息ぴったりですね、とか、副騎士団長でも語尾にハート付けちゃうんですね、とか騎士団あげて何やらす気ですかい、とか、いろいろ、いろいろ言いたいことはあったが、しがない、しかし賢明な宝物庫事務員は瞬時に言葉を飲み込んだのだった。



 誰かこの2人の相手を代わってえぇぇぇ......!!(事務員心の叫び)


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