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はじめてのギフト

普段生活している村を出て1時間程、ようやく神殿が見えてきた。


「ここが神殿…。」

「ルクス。ここからは一人だが大丈夫か?」

「うん。大丈夫!それじゃお父行ってくるね。」

父に手を振り神殿へと急ぐ。

やっと僕も父さんみたいに、物語の英雄のように凄い力を。

ギフトを授かれるんだと胸を躍らせていた。


「…zzz。っ!?」

「ルクス寝てたよ。」

「相変わらずだなルクスは。フフッ。」

居眠りしていた僕を幼なじみのアイクとプルルが笑う。

神殿に入ってから長いこと何かを読み聞かせている叔父さんがいる。

しかし昨晩寝付けず、ましてや5歳の僕には小難しい時間は耐えられなかった。


しばらく居眠りしているといよいよお待ちかねの儀式が始まった。

「それではこれより解放の儀式を始めます。」

それから僕の番が回ってくるのは永遠のように感じられるほどだった。

先に案内された子たちが順々に前へ出て神父の叔父さんに祈られる。どうやらそれで授けられているギフトが解放されるらしい。


「やった。剣技のギフトだ。」

「俺は演奏のギフトだったよ。」

「俺は俺は!魔術のギフトだったよ!」

「すげぇー!」


儀式を終えた子供たちが次々とはしゃいでいく。

そうしてついにプルルが案内された。もうすぐ僕の番だ。


プルルの儀式を眺めているとどうにも煮え切らない表情でプルルが戻ってきた。

続いてアイクが案内される。

「ねぇねぇ!どんなギフトだった?」

僕は好奇心からたまらずプルルに問う。

「う~ん。どんなギフトなんだろう。ルクスは『ときめきメモリアル』ってギフト知ってる?」

「さあ?分かんないや。でも聞いたことないギフトなんて凄いな!」

「不安しか無いんだけど…。」

プルルの授かった謎のギフトについて会話していると突然驚きの声が聞こえた。きになって視線をやると儀式中のアイクの上半身が裸になっていた。

「何があったんだ!」

「あ、あいついつの間に裸に。」

「裸になるギフトなんて聞いたこと無いぞ。プフッ。」


「…。」

無言でアイクが戻ってきた。凄くギフトのこと聞きたい気もするが、急いで僕の儀式に向かう。

いよいよだっ!いよいよ僕の初めてのギフトだ。


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