プロローグ
特になし
「昔昔ある所に、それはそれは好奇心の旺盛な1柱の神様がおった。名をテリエギアというその神様は、数多の創造主がお造りになった世界を見聞し、その好奇心を満たしていった。その中でも、テリエギア様はとある世界に存在するライトノベルなる書物に大変心酔なされたとか。
…そうしてテリエギア様は蓄えたその知識と経験を活かして自らも世界を創造なさった。私達が生まれたこのテーリアの世界は、テリエギア様がお造りになった世界と言われているんだよ。」
「zzz…。」
優しく御伽噺を語る女性の腕の中で男の子が1人、幸せそうな顔で寝息をたてている。
「あらあら、いつの間にやら寝てしまったのね。大きく育つのよ。…ルクス。」
ー数年後。
「ルクス?準備はできた?」
「うん!お母!」
「それじゃあアナタ、ルクスをよろしくね。」
「ああ、行ってくるよ。いくぞルクス。」
「うん!」
父は5歳になる僕を連れ出して、村外れの神殿へと向かう。
「ねぇお父。これから神殿に行くんだよね?」
「ああ、そうだぞ?物心ついたら神殿で解放の儀式を行うんだ。前にも話してやっただろう?」
僕はこのときを心待ちにしていた。というのも幼い頃からよく母に聞かせられていた神話『テーリア創世記』によると、この世界を創造したテーリア様とやらは物心がついてから節目の歳に3つまで、贈り物を授けてくださるそうだ。人々はそれをギフトとよんでいる。
僕の両親は5歳、10歳、15歳の時にテーリア様からギフトを賜っていて、依然一度だけその力を目にしていた。ギフトの力を使い獣を追い払った父の背中に誇らしさを感じるとともに、ギフトへの強い憧れも抱いた。
「~♪」
「随分とご機嫌だな。そんなに嬉しいのか?」
「うん!!」
そうして軽い足取りで神殿へと歩んでいった。
コメント感想など、いくらか反応貰えると楽しんでかけます。作者本人は基本読む側の人間ですが、たまには何か自分から発信してみたいと思い書き始めました。楽しんで貰えると幸いです。