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市公記~外伝~  作者: 女々しい男
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狂った時代を知る

目ん玉から、姿を変えた事で私もかなり落ち着いた。

まだ謎が多いが、少しずつ、知っていこう。

こんな事、私のキャパをかなり超えちゃってるもん!

「それで、父上様・・・」

「う~ん、父上様はなんか他人行儀な感じがするな。父、いやお父様、いや・・・とと様と読んでくれ!」

崇徳さんが顔を赤くしながら、私に話しかける。

「えっ!とと様がいいの、、、まっいいけど・・・じゃ、父様、さっき魔王様って言ったけど、誰?」

あれか?RPGとかに出てくるようなボスキャラか?なにげに日本滅んでない?ちょいと心配。

「ああっ、魔王様はまだ覚醒はされてはおらぬのだ。あと少しで覚醒されるのだが・・・」

苦しげな表情を浮かべて、答える崇徳。

「覚醒?」

「そうじゃ、まだ人を殺したりておらぬ。もう少しで第六天魔王になってしまう。しかし魔王様の近くにいる者達が、それを阻止してくれておる」

「えっ?第六天魔王?それって・・・信長?」

「ほう、よく知っておるのう、しかし信長ではない」

「えっ誰!第六天魔王って言ったら織田信長じゃないの!」

「いや、お市様じゃ。織田市様じゃ」

「ええええええええっ・・・市、、、あの信長の妹の市・・・何故」

父様の衝撃的発言に言葉が、おかしくなる。

「市様を呼び捨てにするなど!娘であろうとも許せぬ事ぞ!」

黒いオーラを身に纏い、威圧する父様

「ごっごめんなさい!ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

気を失いかける私。

「ふむ、分かれば良い。お市様を蔑ろにするなど・・・それだけは許さん」

「はい、、、もう呼び捨てになどしません・・・シクシク」

「なっ泣くな、、、娘よ。我も悲しくなる・・・シクシク」

親子で泣き出す、崇徳と私。

「でも、何でいっ、いや、お市様が第六天魔王なの?」

呼び捨てにしそうになり、慌てて言い換える私。

「切り替えが早いのう。まっ良い、何故かと言われたら、話せば長くなる。儂の記憶もあるじゃろうから、お市様に付いて考えてみれば、頭に浮かんでこよう」

「えっ思い浮かべるだけでいいの?」

「そうじゃ、お前には儂の記憶があるはずじゃ、思い浮かべれば知りたいことが、わかるであろう」

父様に言われた通りに、市の事を考えて見ると、凄まじい情報の波が脳内に襲ってくる。

「こっこれは・・・」

なにこれ・・・歴史、めっちゃ狂ってる。

「お市様はすごいじゃろ!」

自慢げに話す父様。

いやいや、これはないじゃろ。

日の本統一しただけじゃなく・・・フィリピン、台湾、オーストラリアとか領土にしてるし、イギリスと同盟!未婚で政宗が息子で皇太子とか!なにそれ!

所々にこの時代では無い物とかあるし、市すごすぎじゃろ!

それに織田の天下統一、信長じゃないじゃん・・・市じゃん。

でも・・・根切り、これか魔王になる要素は、女子供もこんだけ殺してれば、覚醒間近とか言われても納得するわ。

「でも、これだけ殺してたら、お市様は人に憎まれているんでしょうね」

私は市の根切りの風景を見て、思った事を呟く。

「そうじゃな、恨まれておるとも言えるし、慕われているとも言えるな」

「えっ!どうして慕われるのよ!こんなに酷いことしてるのに・・・」

「酷いか、お前にはそう映るのか」

「・・・・・・」

「儂はな、お主が生まれる前まで、全てを憎み、日の本の滅亡を願った大怨霊であった。でもな、お市様はそんな儂の呪縛を解いてくだされた。民の開放という願いまで叶えてくれようとしておられる」

「民の開放・・・」

「お主の生前の時代については我も覗いてみた。一部では戦争も無く、善き世ではある。しかしお主のような事をしてしまう者もおる」

「・・・・・・」

「儂はお市様が作りたいであろう世を見てみたい。魔王になるかもしれぬという行為を行いながらも、進むその道の先にある世を見たい」

「父様・・・」

「娘よ、儂の代わりにお側で見て参れ・・・そして、お市様を決して魔王にしてはならぬ」

強い目で私を見つめる父様。

「魔王になれば、どうなるのですか」

不安な気持ちになり、父様に問い掛ける。

「世界が滅ぶ・・・」

「なっ!」

「じゃから、決して魔王にしてはならぬ。昔の儂であれば、喜んで魔王に覚醒させていたであろう。しかし、儂は呪縛を解かれた、力は弱くはなったが・・・悔いはない」

優しく微笑む父様を見て、心が落ち着く。

「それとな、お前に名を与えよう。名が付けば、お前は儂を超える力を手にするだろう。直ぐに使いこなせることはないとは思うがな」

笑いながら、話す父様。

「名・・・」

「そうだ、真名だ・・・しかしその名は決して誰にも教えるでない。教えれば、支配されるからな」

「支配ですか?」

「そうだ、教えた者に絶対服従となる。しかし、教えた者は我らと同じ不老となろう。じゃがどちらかが消滅すれば・・・共に消える事になる。よく覚えておけ」

「・・・はい」

そんな事言われたら、絶対もらせねぇ!

「では真名は・・・じゃ、仮名は天子でいいじゃろ」

「えっ!真名はいいとして、、、てんこは・・・あんまじゃ」

「よいな!」

「・・・はい」

父様・・・あたしちょっと父様が嫌いになりそうです。

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