幸せそうな彼の顔が好き(200文字小説)
このところ、主人の帰りが早い。
相変わらず、子供たちも手が掛かる。
彼の最期のメールから、もう1週間も経っている。
『今日は残業で泊まりになる』
主人からの電話。
私は子供たちを母に預け、駅へ向かった。
そろそろ彼が帰って来る時間。
来た!
私は彼にウインクした。
彼が頷いたのを確認して、踵を返した。
路地裏のバーで彼を待つ。
彼はすぐに来た。
「元気だった?」
私が言うと彼が答えた。
「まあね」
私は幸せそうな彼の顔が好き。