エピローグ
「信二のツンデレェ……」
クラスの一人が呟いた。
ブッと誰かが笑うとそれを境にドッと笑いに包まれた。
「さて……」
友真は”トビラ”の前へ立った。
「聞こえたか?」
「……うん」
トビラの向こうからくぐもった声が聞こえる。
真は正直どうしたらいいのか分からないくなっていた。
展開が速すぎる。
今まで虐めていた信二が素直に謝ったり、クラスのみんなが来たくれたり。
真はトビラの前で腰を抜かしていた。
「まだ……開けられないのか?」
友真は開けられそうにない”トビラ”を不安に思い声を掛けた。
だが真は信じられないくらいに気持ちがスッキリしていた。
今までにないほどにだ。
心にあった滞りが消え、顔に浮かんでいた苦悶の表情は嘘のように晴れ渡っていた。
だが腰を抜かしている。
開けられないトビラを今日は無理だと判断したのか友真は
「よし、今日は帰るか~」
「「「え~」」」
「そんな文句言われても……」
帰ろうとする友真たちを行かせまいと声を掛ける。
「ま、待って!!」
ピタッと帰ろうとしていた友真達の動きが止まる。
代表して友真が問いかける。
「どうした?」
「そ、その……今日は皆ありがとう……」
「「「気にすんな」」」
また声をハモらせる。
このクラス仲良すぎない?
と疑問がよぎったが今大事なのはそこじゃない。
「そ、その腰が……抜けちゃって、立てない」
一瞬クラスの面々はキョトンとすると先ほどまでとは比べ物にならないほど笑い声を上げた。
「クククっ……真、なんだそれ、何?腰が抜けて立てないの?」
「……そう」
「何?もうカギは開いてるの?」
「うん、もう開いてる……だけど、今の僕じゃ”トビラ”が重過ぎる……開けて、くれないかな?」
「喜んでっ!」
そう言うと友真は遠慮なしに”トビラ”を開いた。
久しぶりに見た友真の景色は、自分を向けて差し出される暖かい手と太陽の様に輝いている皆の笑顔だった。
その後、信二も無事に登校し”信二ツンデレ説”が広まっており、真の所まで怒鳴り込んできたこともあったそうだ。
お人よしのオオカミさんを放置してすみません
こちらは文芸部の集まりがあるそうでそれように作品を書いて来いといわれたので書いたものです
感動系を書いたつもりですがなかなか上手くいきませんね
よかったら感想ください
オオカミさんの更新は来週になりそうです
それではノシ