穴の先は──
お待たせしました!
「じゃあ、今度こそオープン!」
『……』
扉の先は、また穴だった。
「……またぁーー!?」
「えぇ~…」
コメント
・また穴か
・いつまで続くんだろう
「ワンワン!わんっ!!!」
「えっ、この穴を下れば部屋につくの!?」
「ピーピー!!!」
「でも、どのくらい深いかはわからないんだね」
どうしよう、降りてみる?でも怪我したらやだしな。
よし、男は度胸だ!
「まって、れおっ!それ滑り台っぽいっ!!」
突然の声に驚いて僕の動きが止まった。
危ない、あと一歩で飛び降りようとするところだった。
「でもすべり台って……あっ、ほんとだ!若干、急になってる!」
「これなら、行けるね!」
コメント
・すげー!!
・こういう、速そうなすべり台って男のロマンだよな〜
・でも真下に落ちるのとほぼ一緒じゃ…
・まあ、平気でしょ(?)
・この落ちた先にマグマがない限り大丈夫だと思う!!たぶん…
・れお行け!!
視聴者の言う通り、下になんかあったらやばいんだよね。でもここまで来たらなにもないはず!
「わんわんっ!!」
「えっ、コロが先に行ってくれるの??もし、何かあったら…」
「わんわんっ!!!!!」
任せてって言っているようだ。大丈夫かな、心配だな。
でも、相棒を信じなくちゃ!
「コロ、じゃあお願い。」
「わん!」
コロが穴の中に行こうとすると、この前進化して大きくなったせいか、穴にぴったりで入らなくなってしまった。
「えっ、あっ、ど、ど、どうしよう。」
急に起こったせいで思考がまとまらず、パニックになってしまった。
「れお落ち着いて!!押せば、行くかもしれない!!」
ひなの声で冷静さを取り戻した。
「はっ、そっか!ありがとうひな!やってみる!!」
コロを押す。普通に押せば良いのかな?
「コロ、押すね。ちょっと痛いかもしれないけど我慢して!」
「わん!」
うーん、なかなかもふもふで押せない。
こうなったら、体重ごと──
「いっけーっ!!!」
よしっ!!
「あっ、れお、そうしたら…!!」
「あっ、やべっ」
押した勢いとともにコロと一緒に滑り落ちていく。
変な体勢だし、このままだと、ほぼ頭から落ちるっ。
コロのもふもふのお陰で僕は安全だけど、コロが危ない!
少し先が見えるから不幸中の幸いかな。
「コロ、ごめん、大丈夫!?」
「わんっ!(平気だよっ!)」
ほんと申し訳ない。重くないのかな。
落ちた瞬間とかコロが怪我しちゃいそうっ!!
どうすれば良いんだ──僕の思考よ、動けっ!テストの英語で30点ぐらいしか取れない頭で考えろっ!!
てか、いつまでこれ落ち続けるんだっ!?
もう結構滑ってるぞ!?
あっ、急に視界が!!先が見える──
やばい、あれは!!!
「コロ、先に針があるぅーーー!!!」
「わおぉーん!!!!」
僕が叫んでからコロが地面に着地するまで一瞬だった。
コロが急に体勢を変えたかと思うと何やら口を大きく開けて何かを飲み込んだ。
そうして、地面にふわりと着地した。
「えっ、コロ!?怪我してない!?」
「わん!」
コロは怪我をしていないみたい。
でも、さっきは針が見えたんだけどな。
もしや……
「もしかして針食べた??」
「わん!!」
コロが自慢げに堂々と頷いた。
「えっ、針って食べれるの!?お腹壊してない!?」
「わんわん、わおーん!」
あっそうじゃん。ここスイートダンジョンじゃん。
食べられないものはないんだった。
はぁーーーーー良かったーーー。
僕も食べよ。もぐもぐ。パリパリ。
お、おいしーー!
何かと大変だったけど無事についた。
あれ?そもそもここに何しに来たんだっけ。
いろんなことがありすぎて忘れちゃった。
まぁ、いっか。
「コロ、針ってどんな味?」
「わぉん!(飴だよ!)」
「わぁー、美味しそう!」
こうしてれおはひなに声をかけられるまですっかり忘れていたのでした。
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皆さん、ありがとうございます!ヾ(。>﹏<。)ノ゛✧*。
次の更新は、今月以内だと思います!
やっと、いろいろ一段落した…
 




