朝の散歩
ふぁあ〜ねむっ。
朝の散歩は良いけどさ、朝5時はきつい。
「いや〜、朝はやっぱり気持ちいね。」
「ひな、帰って良い?」
「だめに決まってるでしょ。街の様子を見に来たんだよ。」
「こんな早くに起きてるわけなくない?テレビで見ればいいよ〜」
「……そうだった。でもでも!!ほら、誰かいるかもでしょ!!」
一瞬口ごんだかと思いきや、急に早口で喋った。
正論を言われて慌てちゃったのかな?
こういうところは抜けてるよね〜。
「そうだネ」
「むぅ」
ひなにジト目でみられた。
「まあ、少し歩いてみて考えてみるか。」
「うん!!」
ふぁあ、眠い。そんな、町中に動物が現れているわけなんてないで———
———えっ!?
「ひ、ひな。あの光景って偽物かな…?」
「いや、どうかんがえても本物だよね。」
視線を向けた先には…
小さな子供から老人までたくさんの世代の人達がパートナーだと思われる動物たちと遊んでいる光景があった。
「わぁ、すご~い!れお見て!色んな動物がいるよ!!」
ひなが目をキラキラ輝かせながら言った。
「ホントだね。こんな朝早くから沢山の人がいるのは驚きだけど、みんな幸せそう。」
見ていてほっこりするような光景だった。
「おや、その子達がおぬしらのパートナーですかい?」
突然、リスを肩に乗せたおじいさんに話しかけられた。
「そうですよ。おじいさんのリスもかわいいですね」
「おお、ありがとな。今日の朝に現れたが、もう大事な家族じゃ」
「キュー♪」
おじいさんもリスもみんな笑顔で幸せそう。
これからの街がどうなるか楽しみだな。
少し歩いて街の光景を見たら、ひなと一緒に家に帰った。
もちろん、コロやあられを連れてね。
「街、すごかったね!!」
「そうだね。混乱とか起きるかと思っていたけどみんな馴染んでいてよかった。」
「あっ、テレビとかでやっているのかな?」
「たしかに。見てみるか」
リモコンを取って適当に番組を見てみると、ちょうどみんなにインタビューしている場面だった。
取材されている子は、僕たちとおんなじぐらいの年齢の女の子だった。
パートナーは…?あっ、うさぎだ。
「このうさぎももふもふで可愛いね〜」
「ピーピー!」
「大丈夫だよ、あられのほうがかわいいよ〜」
「ピー!」
ひなの発言に嫉妬したあられ。やっぱり、この組み合わせも最高だね〜。
まあ、僕とコロの相性が世界一、だけどね。
「ねぇーコロ。」
「わん!」
そういえば、コロと出会ってからまだ1年も経ってないんだ。
もうずっと一緒にいる感覚。
コロがいない生活なんてもう考えられないよ。
「ひな〜、明日から3層攻略してくー?」
「うーん、そうしよう!」
なんか、どっと疲れた感じがするのにまだ10時にもなっていなかった。
まあ、あんなに朝早くに起きたもんね。
眠気も吹っ飛んだし。お腹が空いてきたな〜。
「ひなー、焼肉食べよ〜」
「いいね!焼き肉食べたい!!」
こうしてまた1日が始まっていったのだった。




