テ、テレビ局!?
最初は別視点です。
前島さんは、男性です。三人称が「私」ですが、ビジネスウーマンですからね。
【前島視点】
テレビ局、2回の会議室。
非常に面白いことを聞いてしまった。
これは、奪われる前に取材しなくては。
「前島さん、どうしたんですか。いつもは笑わないくせに、そんなにもにやけて。」
「なんだ、今泉。いつも笑ってるのだが?」
「あっ、この動画ですね。僕にも見せてくださいよ。」
うまいこと流された気がする。
まあ、こんなことをしてる暇はないからな。特別に許そう。
もし次にそのようなことを言ったら、
「……私の仕事も全部やってもらうか。」
「なにか言いました?なんか急に寒くなってきたんですけど。」
「いや、なんでもない。それよりもこの配信を見てくれ。」
「ん?あっ、これは!!」
おや?この反応を見る感じ、知っているようだ。
「よく娘と見るんですよ、ひなれおチャンネル。でも、この配信はまだ見れてなかったんで内容はわからないですよね。」
「ふーん。では早く見てみろ。」
さっそく今泉に動画を見てもらった。
「えぇっ!!!」
「うるさい、黙れ。」
「見るの勧めてきたの前島さんじゃないですか!! 内容知ってるんでしょ!?びっくりするに決まってまってますよ!!逆にどうしてそんなに落ち着けるんで「良いから黙れ」もー、わかりましたから〜。」
驚きすぎて口を開けたまま止まったかと思いきや、急に、大声で早口で喋ってきた。
ほんとうるさい。
「ごほん。つまりだ。ひなれおチャンネルをテレビで取り上げることにした。」
「──っ!!」
「私とお前でこの企画を進めるぞ。」
「ラ、ラジャー!」
今から連絡を取って、その間に聞く内容やスケジュールを考えておかなければ。
結構ハードスケジュールだな。
そう思いながらも、前島は自然と口角が上がっていた。
待ってろよ、ひな、れお。
◇
【れお視点】
配信終わった〜。みんな驚いてくれてよかったな〜。
むむっ、
「は、は、」
「は?」
「はっくしゅんっ!!!」
思わず、くしゃみが出てしまった。
「れお、風邪?」
「いや、ただなんか噂された気がしたんだよ。」
「そっか、風邪じゃないなら良かった。」
「心配してくれてありがとう。」
ひなはこちらを向いて、サムズアップした。
かわいいとかっこいいが混ざってて、惚れちゃうよ〜。もう惚れてるけど。
それにしても、僕のことを誰か話してるのかな〜。
まあ、害がなければ別にいいよね!
プルルル プルルル
あれ?電話だ。誰だろう。
そう思って、スマホを取ると……
えっ!?テレビ局!?
なんと、テレビ局から電話がかかってきていた。
ど、どうしよう!?
「れお、どうしたの?電話に出ないの?」
「そ、それがテレビ局からだったんだ!!」
「えっ!!まずは電話に出て!」
「うん」
慌てて出てから、ひなにも聞こえるようにスピーカーにした。
《もしもし、こちらテレビ局課長の前島と申します。そちらはれおさんであってますか?》
「もしもし。はい、れおで合ってます。あの、テレビ局がどうしてうちに?」
《良かった。実はお願いがありまして。》
テレビ局が僕にお願い…?
《今、お時間ありますか?》
 




