キューキュー♪
ふぅ、試合が始まる。
私の気持ちは最高に高まっている。今なら、何でもできる気がする!
「あられ、頑張ろう。」
「ピー!」
<<それでは始めます。位置について、よーい――ドン!>>
始まった。頑張ろう!あられと心を一つにして。
頑張れ〜
行け行けー
ファイト!
「ひな、頑張ってー!」
たくさんの応援が飛び交う中、れおの応援が聞こえた。
ありがとう。心のなかで感謝しとく。絶対に優勝してみせる!
〝いっちに、いっちに〟
1人、2人と抜かしていった。
よし、スタートダッシュに成功した。
ここからが本番だ――
抜かされるわけにはいけない。
今こそ、あのスキルを使うとき。思いを背負って頑張るんだ。
「もうそろそろだよね。あられいくよ。スキル『集中』」
「ピー!」
スキルを使った途端、私達の身体が柔らかな青い光に包まれた。
荒ぶった心が落ち着いたのを感じる。
<<もう少しだよ。すっちゃん!いっちに、いっちに>>
「ピッピ、ピッピ!」
後ろからリスと妖精のペアが抜かそうとペースを上げてきた。
<<おおっと、1位と2位の激しい戦いが始まりましたー!あっ、3位の選手が棄権したぞ!>>
アナウンスの声が聞こえる。棄権した選手がいたらしい。
リスたちのペアに勝てば優勝できるんだ!
そう思っていると、後ろからどんどんリスと妖精のペアが追い詰めてきた。
「あっ、ヤバい。抜かされた――」
「ピー!」
「大丈夫、前みたいに慌てないよ。スキルの効果を使ってるし。」
「ピ!」
いっちに、いっちに。ちょっとずつ進んでいる。
いっちに、いっちに。あと、ちょっと。
いっちに、いっちに。もう抜かせる――!
<<おおっと!ひなあられペアが、すっちゃんペアをまた抜かしたぞ!ゴールまで、あと3メートル!どっちが勝つかわからない白熱したバトルだー!>>
「あられ頑張るよ!」
「ピー!」
「スキル、『集中』」
効果が切れたスキルをもう一回かけ直した。
かけた瞬間、世界が止まったように感じた―――いける!
しかし、あられを見たら、一瞬動きが止まった。
「あ、あられ……?」
「キューキュー♪」
あられが大人っぽくなってた。えっ…?進化した!?
か、か、か、かわいー!
しかしひなはスキルを使っているおかげでいつもよりは騒いでいない。
いつもはどのぐらいうるさいか分かるだろう。
「キューキュー!(ゴールへ目指そう!)」
「うん!」
そこからは全然、記憶がない。
強いて言えば、楽しかったってことだろうか。
<<一位、ひなあられぇぇペアぁぁぁぁぁ!>>
うおー!
すごーい!
おめでとー!
「1位に、なったんだ……」
「ピーピー!」
「あれ…?戻ってる…」
「ピーピー!(集中のスキルを使ったときだけ大きくなれるよ)」
「そうなんだ!じゃあ、いつでもあの可愛い姿が見られるんだね。」
はあー、それにしても疲れた。でも、優勝できて嬉しい。
ほんと、れおとあられのおかげだよね。
「ひなー、お疲れー!」
あっ、れおの声が!
この声にたくさん励まされたんだよね。後でたくさんお礼をしよう。
「ありがとー!今そっちいくー!」
最高な仲間を持ててよかった。
また、れお視点に戻ります。
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