第十六話
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
「いい買い物が出来て情報も手に入ったし、成果は上々ってところだな」
「それはいいけれど……いくらお金を持っているからって言っても、ちょっと買い過ぎじゃない?」
買い物を終えて屋敷に戻って来ると、俺を追いかけて来て合流し、そのまま買い物について来ていたエリカがそんな小言を言ってきた。
「いや、食事を奢らせた奴がそれを言うのか? それに、これは一応商売用のものが含まれているからな。それに、サマンサさんたちへのお土産もあるし」
「いやまあ、奢ってくれたのは感謝しているけど……って、そう言えばジークは商業組合にも登録しているとか言っていたわね。それなら買い物の量が多いのは分かるけど、サマンサ様たちに関して言えばこの領のことならジークよりはるかに知っていらっしゃるんだから、お土産は別のところで買った方がいいんじゃない?」
確かにサマンサさんたちなら、俺とは比べ物にならない程この街のことを知っているのだろうが……俺としては、それを知っていても買わないという選択肢はなかった。何故なら、
「ジーク……あなた、もしかしてお土産を用意してなかったの?」
「いや、ドラゴンの素材やその前に買っておいた食材はあるんだけど……な」
お土産になりそうなのもはマジックボックスに入っているのだが、サマンサさんにはそれらがお土産用に用意したものではないと一発で見破られてしまうだろう。
「それなら、フランベルジュの屋敷がある街で……って、そんな暇は無かったわね」
エリカの言う通り、伯爵領で買い物を出来ればよかったのだがそんな暇はなかったので、この機会に最低限の者を狩っておこうと思ったのだ。
まあ、装飾品などに関して言えばそれっぽいものを買ってもサマンサさんにはすぐに見破られるだろうし、もしかすると機嫌を損ねてしまう可能性もあったので、普段使いできそうなハンカチを選んでみた。
これでもし他の街でいいものが無かったとしても、最低限の格好は着けることが出来そうだ。
それとは別に、俺が仕入れた情報は、
「それでジーク、本当に今から行くつもりなの?」
「ああ、時期的にはギリギリらしいが、去年は蛾の幼虫が大量に生まれていたらしいからな。最悪、抜け殻になった繭くらいなら手に入るかもしれないからな」
この近くの森に、蛾の魔物が生息していると言うものだった。
その蛾の魔物は五十cm程の大きさの繭を作るそうで、その繭を作る糸はアラクネの糸には及ばないもののなかなかの強度があるとのことだったので、シャドウ・ストリングに使えるのではないかと思ったのだ。
屋敷に戻って来ると、ディンドランさんたちはまだガウェインのことで手一杯だったらしく、帰ってきた俺たちに気が付かなかったので、近くにいた騎士に行き先を告げて森へと向かった。
今からなら、日が沈む前に戻って来ることが出来るだろう……と、思っていたところ。
「ジーク、今までどこに言っていたの? 聞いた話だと、夕方には戻るってことだったけど?」
繭を集めるのに夢中になり過ぎて、屋敷に戻る頃には辺りが真っ暗になっていたのだった。
まあ、そのかいあって、繭は三十程集めることが出来て、ついでに蛾の魔物を百匹程狩ることが出来た。まあ、蛾の魔物は倒しても大した金額にはならないものの、集めるついでだったしそれで街の人たちから感謝されたので良しとしよう。
などと、俺はディンドランさんに説教されながら考えていた。
ちなみに、ガウェインは流石に解放されたらしく、今日は珍しく早めに寝ると言って部屋に戻っているらしい。
なお、俺は何故か嫌な予感がしたので、屋敷の人に行って別の部屋を用意してもらってそこで寝ることにした。
そして次の日の朝、別の部屋で寝泊まりした俺が食堂に行くと、そこには明らかに寝不足と言った感じのガウェインがいた。
どうやらガウェインは、俺が遅くに帰ってきたことを知らないまま寝たふりをしていたせいで、別の部屋を用意してもらったことに気が付かなかったようだ。
そしてそのまま俺がいつ帰って来るかと待ち続けていたせいで、寝不足になったらしい。
そんなガウェインの事情など俺たち……特にディンドランさんには関係は無く、予定通り昼前にヴァレンシュタイン領を出た俺たちは、王都への一番の近道である山越えを行うことになった。
もっとも、寝不足状態とは言えガウェインは変態とも言える体力を持っているので、山越えの途中で動けなくなるということは無かったが……山を越えてすぐのところで休憩した際にいびきをかいて眠り始めたので、馬車に押し込んで次の街まで進むことになった。
なお、ガウェインのいびきがとてもうるさかった為、途中から猿ぐつわを噛ませたのだが起きることは無く、街に着く頃には俺たちも猿ぐつわのことなどすっかり忘れていたせいで、宿に入る直前で起きたガウェインが文句を言っていたが……ディンドランさんに怒鳴られてすぐに大人しくなっていた。
そのことに関してガウェインは俺に愚痴っていたが、これ以上やらかせばカラードさんたちからも何か言われると理解していたらしく、そこからは大分大人しくなったので助かりはしたが……根ががさつなところがある性格なので、ディンドランさんの苦労が多少減ったくらいだった。
そんな旅も、ヴァレンシュタイン領を出てから八日後には終わりを迎えることになり、俺は王都に久々に足を踏み入れたのだった。
「それじゃあ、私はここで失礼します。今回は無理を言ってすみませんでした」
王都に入りヴァレンシュタインの屋敷に向かう途中で、エリカがディンドランさんに挨拶をして馬車を降りた。ガウェインは屋敷まで送ると言ったが、エリカはここからだと反対方向になるので歩いた方が速いと言って譲らなかった為、護衛という名目で騎士の一人が付いて行くことになった。
「ジーク、一か月もしない内に卒業試験なんだから、勉強はしっかりとするのよ」
と言って去って行ったエリカだが……正直、余計なことを言うなと思った。心配してくれているのは分かるが、エリカの発言のせいでディンドランさんのやる気がより一層上がっているのだ。
この様子では、サマンサさんやエンドラさんにもやる気が飛び火してしまうだろう。
ただ、今はそんな心配よりも、
「何だ、ジーク? 珍しく緊張でもしているのか?」
どんな面してカラードさんたちに会えばいいのか分からなくて困っている。
そんな俺をガウェインはからかって来るし、ディンドランさんは笑いを堪えているし、他の騎士もにやけている。
しかし、今の俺にはそれらを気にする余裕はなく、それどころかこういう時はガウェインの神経の図太さが羨ましいとすら思える。
そう思っている内に、いつの間にか馬車はヴァレンシュタイン家の屋敷に到着し、俺は引きずり降ろされるようにガウェインに連れられて屋敷の扉の前に立たされた。
「ふぅ……あっ⁉」
そして、恐る恐る扉に手をかけると……扉が勝手に開き、目の前に微笑みを浮かべるサマンサさんが現れた。そして、
「てっ……」
強烈なビンタを食らわされた。それはもう、あまりの音にガウェインの顔が引きつるくらいに強烈なものだった。
そしてその後で抱きしめられて、
「お帰りなさい。いなかった間の話を聞かせてね」
と言って手を引かれてリビングへ向かうことになった。
ちなみに、サマンサさんの隣にはカラードさんもいたが、サマンサさんの強烈なビンタに驚き振り上げようとしていた腕をゆっくりと下ろし、手を引かれてすれ違う時に「お帰り」と言われただけだった。
「そう……ディンドランの報告書にジークが娼館で寝泊まりしていると知った時は卒倒しかけたけど、そう言った理由があったのね。確かに若くて目立つ余所者が下手な宿なんかで寝泊まりしていたら、毎日がお祭り状態になってしまうわね。それにしても、スタッツのバルトロに聖国の聖女と知り合いって……ジークは目立ちたいのか目立ちたくないのか、よく分からないわね?」
「いや、その二人は何故か向こうから寄ってきましたから……」
おっさんの方は余所者を警戒してのことから始まり、ギルド長からの指示で近づいてきた可能性が高いのでまだ分かるけど、クレアに至ってはただ興味が湧いたからと言うような理由で付きまとわれて、いつの間にか勝手に友人扱いされていたからなぁ……まあ、こちらとしてもクレアがいてくれて助かった場面は多々あったけど。
「そうだとしても、その二人はジークが今代の黒だと知っているわけなのだろ? それについては大丈夫なのか?」
「多分大丈夫です。おっさん……バルトロの方は、その弟でギルド長のジュノー共々、俺を敵に回す意味を十分に理解していると思いますし、クレアに至っては……まあ、ある意味純真なので、そう簡単に俺が今代の黒であることを言いふらしたりはしないはずです……多分」
ギルド長に関しては、俺を敵に回す以上のメリットがあればどうなるか分からないし、クレアも本人は言うつもりはなくても、何かの拍子に調子に乗ってポロっと漏らしてしまう可能性がある……と言うか、クレアから漏れたとすればそれ以外に思いつかない。
もっとも、俺が今代の黒だとバレたとしても、俺自身はこれまでと生活はあまり変わらないと思う。それにもしもの場合はスタッツでしていたように、名前と髪と目の色を変えれば何とかなりそうだし、次はさらにバレにくいように、髪の色は染めて変えてもいいかもしれない。
ただその場合、苦労するのはカラードさんやウーゼルさんになりそうなのが少々気がかりだが……そこまで大きな問題にはなりそうにない気もするし、なりそうならその時は諦めて俺が正体を明かして表舞台に出ればいいだけだろう。
そんなことを考えながら、帰りで買ってきたお土産を広げていると……サマンサさんに、即座に急いで買ってきたものだとバレてしまった。
カラードさんの方は最初は気が付かなかったようだが、サマンサさんに指摘されてすぐにその理由に気が付いたみたいだ。
ちなみにサマンサさんがすぐに気が付いた理由を聞くと、
「ヴァレンシュタイン家の領地以前と以降のお土産で、大分毛色が違うわね。うちの領地以前のものは、珍しい食べ物や品物……どちらかと言うとお土産用と言うよりは、興味があったから買ったと言った感じで、領地以降のものは、明らかに人に渡すことを考えて選んでいるわね。特に、女性向けのお土産とかね」
という答えが返って来た。
確かに言われてから俺の用意したものを見てみると、ヴァレンシュタイン家の領地以前のものは、そのほとんどが食料関連のもので、いらないなら売り物になるのではないかと言った感じで、領地以降はお土産を意識し過ぎたせいか、自分ではなく人に渡す前提のものばかりだった。
「まあ、アクセサリーなんかを選ばなかったのは合格と言ったところね。そう言ったものは好みと合わなければ貰っても困るし、無理して身に付けても渡した方が満足するだけだからね。その点、ハンカチやスカーフなら普段使いしやすいし、余程奇抜なデザインでなければ服装や気分に合わせて使えるのがいいわね。ただ……数撃てば当たるという考えは減点ね」
とのことだった。
一応、ハンカチやスカーフを買う時はエリカとディンドランさんの意見も取り入れたのでデザインに関しては合格点を貰えたようだが、いくつか種類があった方が好きなものを選べるだろうと考えたのは減点対象だったようだ。ちなみに、その減点に関しては完全に俺の考えが原因なので、もしも二人にアドバイスを貰わずに選んでいたら、完全な赤点になった可能性が高い。なお、カラードさのお土産に関しては全てお酒とおつまみにしていたので、サマンサさんのように一目でお土産の毛色の違いに気が付かなかった可能性が高い。
「ジーク、一つ聞きたいのだが……何故ガウェインは機嫌がよさそうにしていたのだ? ジークのことだから、ガウェインに対しても別にお土産を用意していたというわけではないのだろう?」
「そうね。それは私も気になっていたわ。ディンドランやランスロ―……と言うか、ガウェイン以外にならジークはお土産を用意していそうだけど……ねぇ?」
カラードさんもサマンサさんもガウェインの機嫌のよさに気になっていたらしいが、二人の言った通り俺がガウェインに特別なお土産を渡すとは思えなかったようで、何か理由があるのかと俺に聞くことにしたようだ。
ただ、そう言われても俺にもその原因が分からなかったので、少し考えて……も思いつかなかったので、カラードさんはガウェインをここに呼んで、その理由を直接本人に聞くことにした。
「はぁっ⁉ ……もしかしてジーク、俺との約束を忘れちまったのか⁉」
ガウェインは始めは何か知らないうちにやらかしていてカラードさんに呼び出されたのかと警戒していたが、呼び出した理由を聞いて俺の方を向き、そんなことを大声で叫んだ。
「約束……約束……約束?」
「おまっ! それは無いだろ!」
ガウェインの言う約束に心当たりのなかった俺は、しばらく考えてみたもののやはり思い当たることが無かった。
そんな俺を見たガウェインがすごい形相で俺の肩をゆすってきたので、思わずテーブルに出来た陰に潜ってサマンサさんの後ろに逃げると、流石のガウェインもサマンサさんのところまでは追いかけてこなかったものの、代わりに……
「ちょっとジーク! 今の魔法はもしかして!」
今度はサマンサさんに激しく肩をゆすられることになってしまった。
その後、迫って来るサマンサさんに魔法の説明をすると、サマンサさんはすぐにでも影に潜る魔法の実験を行いたがっていたが……カラードさんが流石に置き去りにされたガウェインが可哀そうだと言うと正気に戻っていた。
「それでガウェイン、ジークとした約束と言うのは何なのだ?」
「それがジークの奴……まあ、ディンドランとエリカも何ですが、俺や他の連中に黙ってドラゴンの肉を食べていたんですよ。それで俺たちも食べさせ貰おうとしたんですが、お土産にするつもりなのに、これ以上はカラード様たちより先に食べさせるわけにはいかないって言って、戻るまでお預けだと言いやがったんです!」
「ああ、なんかそんなこと言われた気がするけど……あまり覚えていないので、もしかするとディンドランさんの方がよく覚えているかもしれません」
ということで、ディンドランさんも呼んで貰おうと思ったのだが、
「ディンドランだと、絶対にそんなこと言っていなかったとか言うに決まっているだろうが! そしてその分をジークにねだろうとするんだ! あいつはそんな奴だ!」
とガウェインは叫んだ。まあ、確かにディンドランさんなら、「団長の分が浮いたからその分も食べさせて」……とか言いそうではあるし、カラードさんとサマンサさんも、ガウェインに対してならディンドランさんは言うだろうと思っているのか苦笑いを浮かべていた。
「え~っと……それじゃあ料理長にドラゴンの肉を渡して、今日の晩にでも使って貰うのがいいですかね?」
「そうしてくれると助かる。それにまあ、私たちもドラゴンの肉を食べたいしな」
カラードさんの言葉で今日の晩にドラゴンの肉が出ることが決定すると、ガウェインが見て分かるくらいに喜び、俺をすぐにでも料理長のところへと向かわせようとしていたが……サマンサさんに止められていた。
「ジーク、ドラゴンの肉に関してはここに料理長たちを呼ぶわ。それに、あなたにはまだ話があるから、もう少しここに居なさい」
その言葉を聞いて、さっき陰に潜った魔法について聞かれるのかと思ったが……顔に出ていたのかすぐに否定された。
「まず、ジークは明日私たちと共に、陛下に謁見してもらうことになると思うわ」
「本来なら陛下にすぐ会えるものではないが、前々からジークが戻ったらすぐに連れてくるようにと言われていたし、今日辺りに戻って来ると事前に報告した際に、到着したらその次の日にでも連れてくるようにと念を押されたからな。もし陛下の都合が悪くなったとしたら、遅くとも明日の朝までには知らせが来るはずだ」
「分かりました。それと、ウーゼルさんとアーサーにもお土産としてドラゴンの肉を確保しているんですけど、それはその時に渡せばいいですか?」
どの道、俺が王都に戻ったと知ったら呼ばれるか押しかけてくるかするだろうと考えていたので、二人と会うことは問題ない。ただまあ、王城に行くのは初めてなので少し緊張するけれど、二人が一緒なら大丈夫だろう。
「ふむ……そう言った場合、普通は事前にどういった献上品を持っていくと伝えた上で専門の担当に渡し、中身を改められた上で陛下の前に出されると言った感じの流れだが……今回は献上品ではなく個人的なお土産だが、傍から見ると献上品にしか見えないだろうしな……」
「それに、どういった形で呼び出すのか私たちも知らされていないから、渡すタイミングが難しいわね……そうだわ! 陛下に会った後で、アナ様のところにも寄るようにと言われているのよ。一度ジークと話してみたいとのことで、連れて来て欲しいと言われているわ。そこでお土産の話をしてみましょう」
「なるほど。確かにアナ様に相談するのが一番だな」
一瞬、アナ様って誰だ? と思ったが、そう言えばこの国の王妃様がアナと言う名前だったな。それにアーサーやウーゼルさんとは何度も会ったことがあるのに、王妃様にはあったことが無かったから、あって見たいと思われるのも不思議ではない。
ただ、わざわざ王妃様に頼まなくても、直接ウーゼルさんに聞いてみた方が速いような気もするけどなぁ……とか思っていると、
「ジーク、不思議そうにしているが、本来陛下に献上するということは様々な思惑が絡み合っていて、複雑なものなのだ。これが我が家で出迎えている時ならまだやりようはあるのだが、王城では先例に倣わないと面倒臭いことになる。そして、ちゃんと手順を踏んだとしても、面倒臭いことになるのだ。分かりやすく言うと、ドラゴンの肉という貴族でも滅多に手に入れることの出来ない極上の品物を献上するジークに多くの貴族が嫉妬し、妬みからどういった行動に移るか分からないからな」
「しかも今回の呼び出しは、恐らくソウルイーターに関することでお褒めの言葉を頂くことになるでしょうし、それだけでも王国への貢献度と言う意味で、何人どころか何十人の貴族を抜き去るか分からないのよね……まあ、それもジークが今代の黒だと知られるようになったら、おまけ程度の貢献度になるかもしれないけれどね」
俺としては正面から来られる分には力で対抗できると思っているし、しつこいようならこれまで通り活動拠点を外国にしておけばいいが、カラードさんたちはそう言うわけにはいかないだろう。少なくとも、ウーゼルさんやその派閥の貴族たちは助けになってくれるかもしれないが、それも万全とはいかないだろうし、場合によっては身内と思っていた相手から攻撃を受ける可能性がある。なので、俺が目立ち過ぎるわけにはいかないのだ。
もっとも、すでにソウルイーターに関しては知られている事実なのでごまかしようは無い為、隠すよりは逆にヴァレンシュタイン家の有力な戦力の一人だと知らしめておいた方がいいが、今代の黒だということやドラゴンの肉は、出来るなら隠しておいた方がこちらとしても都合がいい。
そう言ったわけで、ドラゴンの肉に関してはサマンサさんから王妃様に相談することになった。まあ、その前に、我が家でドラゴンの肉をメインとした宴が開かれることになり、念願叶ったガウェインがドラゴンの肉を独り占めする勢いで食べ始めた為、ディンドランさんを始めとした騎士団の有志たちと争う事態になってしまったのだが……俺とカラードさんとサマンサさんは別のところで食べていたので、被害に遭うことは無かった。