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黒のジーク 《書籍版発売中》  作者: ケンイチ
第二章
31/118

第八話

「ギルドだけで払うのが無理なら、ここに居る勢力で割り勘じゃダメなのか? このままだと、ばあさんとモニカのところはリターンが大きすぎるだろ?」


 おっさんがそんなことを言いだした。


「賛成していない私たちが払うのは違うだろ? しかも、こちらはあんたのところに迷惑をかけられたようなもんだよ!」


「そうね、それは私も賛成できないわ」


 ばあさんとモニカさんはおっさんの提案に猛反対と言った態度を取っているが、


「それは分かっている。だから、金銭かそれに代わるものを負担してもらう代わりに、ギルドから詫び代という形であんたらに何かしらのことをする……まあ、金は厳しいから、それ以外ということになるだろうが……そんな感じでどうだろうか?」


 おっさんが続けて言うと、ばあさんとモニカさんは何かを考え込んでいた。そして意外なことに、勝手に話を進めてられているというのにギルド長は黙ったままだった。もしかすると、おっさんの思い付きのような条件ではあるものの、ギルドとしてもちょうどいい妥協点になっているのかもしれない。


「詳しい条件は決まっていないが、その条件が私の納得できるものであり、それが確実に守られるのであれば、うちの派閥の代表者を集めて話し合ってもいいと思う。まあ、ジークがその依頼を引き受けるのであればの話だけどね」


「私も同じ考えよ。ただ、スラムだとギルドの利権を貰うよりは、まとまったお金を貰った方がいいんだけどね……」


 モニカさんは何がいいのかと悩んでいたが、俺はすぐにモニカさんたちが喜びそうなものを思いついたので、


「モニカさん、ギルドの利権にスラム向きのものがある。おっさん、確か見習いや一つ星の冒険者が受けるような街中や街のすぐ近くの仕事は、いつも余ってばかりだったよな?」


「ん? おお、確かにそうだな。街の住人からのものやギルドからのもの、それに国なんかのものもあるせいで、多すぎて滞っているのがあり過ぎる……なるほど、それをギルドからスラムの住人に回すのか」


 おっさんに確認すると、おっさんもすぐに俺の考えていることが分かったようだ。


「ジュノー?」


「流石に全ての依頼をスラムの住人にというわけにはいかないし、ある程度信用が出来る者に限らせてもらうが、ギルドとしては問題は無いだろう」


「確かにそれはスラム向きだね。でも、一年二年じゃ意味がないのは分かっているわよね? 最低でも依頼の優先権を十年、その後はギルドに属していないスラムの住人でも公平に受けられるようにして貰おうかしら?」


「……分かった。それも契約書にしっかりと記載しよう。ただし、凶悪犯罪を犯した者や、軽犯罪でも罪を償っていない者は除かせてもらうし、年齢によっては本人が望んでも依頼を受けさせることは出来ないとさせてもらうが、それはかまわないな?」


「いいわよ」


 ギルド長は少し眉をひそめながらも、処理しきれていない依頼の数を思い出したのかあくまでも条件付きでという形で了承した。


「なあ、ジーク……お前を抜きにして話が進んでいるけど、いいのか?」


「まあ、仕方がないんじゃないか? ばあさんとモニカさんにしたら、ギルドの勢力を抑える千載一遇のチャンスだし、俺としてもギルド長が困るのは喜ばしいことだからな」


「性格が悪いな。でも、危険で面倒臭い目に合うのは確定しているのに、断らなくていいのか?」


「ああなっているのに、断るのも悪いだろう? それに……どうにも出来ないとなったら、俺は途中で消えるだけだ」


「本当に性格が悪いな。それで責められるのは俺なんだけどな」


「そこは弟のせいだと割り切るしかないだろ?」


 などとおっさんと二人でお茶を飲んでいる間に、ばあさんたちは大まかな条件のすり合わせが出来たようだった。もっとも、ばあさんとモニカさんは、話が終わった後で俺を忘れていたことに気が付いたらしく、気まずそうな顔をしたところをおっさんにからかわれていたが……からかい過ぎてばあさんとモニカさんがまた反対派に回られてはかなわないといった感じのギルド長に止められていた。


「それで、聖女側の要望だが、ジークの同行の他になるべく早く……それこそ明日にでも出発したいとのことだが……バルトロ、ここからの話はお前に任せる」


「了解。それで、ギルドから出せる人数はどれくらいだ?」


 おっさんがギルド長から進行役を引き受けて最初の質問をすると、ギルド長は「ジークを入れて五人程とのことだ」と言った。どうやら、聖女側から人数まで指定されているようだ。

 そう言った話に詳しくない俺ですら、ダンジョンに行くのならもっと人数が必要ではないのかと思うのだが、聖女側は道案内役などの雑用しか必要としていないようだ。


「多分、あくまでもダンジョンを発見して探索したのは聖女一行であり、俺らは大して役に立たなかったと宣伝し、ダンジョンの利権に絡むつもりなんだろうな……完全に舐めてやがるな。もしこれでこの国と戦争になったとしても、国力差で確実に勝てると踏んだ上でのことだろうが……」


「本当に腐っているわね。まあ、分かっていたことだけど」


 怒り声のおっさんに、何をいまさらと言った感じのモニカさん、静かにキレているギルド長とばあさんと、お菓子をかじりながらお茶のお代わりをいれている俺という、明らかに一人だけ場違いな奴がいる状況で話は続いて行き、


「やっぱり、ダンジョン核を破壊するのが一番いいみたいだな。まあ、どれだけの広さがあるのか分からないし、そもそも発見するのが難しいものだが、無くなってしまえば聖国も無理をして口を出す意味がなくなるだろう」


「それじゃあ、最上はダンジョン核の破壊、最悪は聖女たちの暗殺だな」


「だから、お前は言うことが物騒なんだよ! まあ、気持ちは分からんでもないが……」


 聖女が死ねばそれはそれで問題だし、それが暗殺だと発覚してしまえば戦争になるのは間違いないだろうが、一人残らず始末すれば誤魔化すことは十分可能だろう。

 おっさんも今のところその方法が色々と丸く収まる可能性が一番高いと考えているようで、複雑そうな顔をしていた。


「ジュノー、準備の時間はどれくらい稼げそうだ?」


「今のところ聖女たちは大人しくしているようで、誰かが隊を離れたという報告は来ていないが、あまり時間をかけ過ぎると、その分だけ聖国にダンジョンの情報が渡る可能性が高いと見なければならないだろう」


「だとしても、この街に入る前に誰かを報告に行かせた可能性はあるか……ジーク、準備はどれくらいで出来そうだ?」


「食料だけ集めれば、俺はいつでも出発できるぞ。まあ、集めなくても行けないことは無いけどな」


 基本的に武器や冒険の必需品はマジックボックス入れっぱなしにしているので、今からでも出発することは可能だが、つい先日も森に行ったばかりで食料を消費しているし、その補充もギルド長のせいで十分出来ているとは言えない状態なので、このままだと美味しい食事が出来るのはせいぜい()()と言ったところになるだろう。


「それだけあれば今からでも行けるな! ……と言いたいところだけど、俺の方が出来ていないな。ジュノー、武器や道具に薬の手配があるし残りの三人も選ばないといけないから、出発は三日後だと聖女たちに伝えておいてくれ」


「分かった、そう伝えよう。しかしそうなると、出発までに親衛隊の誰かを聖国に向かわせる可能性が高くなるな……監視を強めるように言わなくてはならないな」


 もし報告に向かう奴がいたとしても、そいつは途中で事故に遭う可能性が高いだろうな。それがどういった事故かまでは分からないが、少なくとも俺たちがダンジョンに着くまではこの国を出ることは難しいくらいの怪我を負うことになるだろう。


「それじゃ、今日のところはこれで解散かな? 何かあればすぐに連絡するから、ジークは出発までこの街を出るような依頼は受けないでくれよ?」


 おっさんはそう言って笑っているが、ギルド長は「逃げるなよ」と言った感じで俺を見ていた。

 ここまで来たら逃げるつもりはないが……それだけ俺に対する信用が無いのだろうな。まあ、それはお互い様だけど。


 

「ジーク、悪かったね。どうやら年甲斐もなく浴に目がくらんでしまったようだ」

「私もね。これじゃあジュノーを批判する資格もないし、何より嫌っていた聖国の連中と同じだわ」


 おっさんとギルド長が帰った後で、ばあさんとモニカさんが申し訳なさそうに謝って来た。まあ、確かにいい気はしなかったが、おっさんが二人の隙を上手く突いたというのもあるし、何もしなければこの街が聖国のせいでめちゃくちゃになってしまうのは目に見えていたので、こちらが有利な条件の時に話を進めた二人の判断は間違いではないと言えるだろう。

 それに、大半が成功報酬にはなるだろうが、俺に対する報酬もかなりのものになりそうだし、何よりもこの依頼は、あのギルド長に成功しようが失敗しようが特大の嫌がらせが出来そうなのだ。

 ある意味それも、俺がこの依頼を引き受けた要因の一つと言えるだろう。


 そう伝えると、二人共少し呆れたような顔になったものの、すぐにまた申し訳なさそうな顔に戻ってしまった。


「そんなことよりも、この依頼に失敗した時のことを考えた方がいいんじゃないか?」


「確かにそうだけど……いや、これからジークがすることの難しさを考えたら、最悪のことを想定しておかないといけないね」


「私の方は例えジークが失敗したとしても、身軽な連中の集まりのようなものだからどうとでもなるかもしれないけれど、姐さんの場合はそうじゃないからね。ただ、それよりも先に組合連中に話を通さないといけないんじゃないかしら?」


 モニカさんの指摘に、ばあさんは「しまった!」と言いながら、黒服たちを呼んで関係者のところへと向かわせた。

 黒服たちが戻って来るまでの間に、俺とばあさんに店に残っていた従業員たちは今度は組合の話し合いの会場となるこの部屋の準備をし直し、モニカさんは最低限の準備(スラムの中でも特に信用できる者たちへの説明)をする為に戻って行った。


 その後、大急ぎで集まって来た組合員たちへばあさんがギルド長との話し合いの内容を説明し、無事に半数以上の賛成を得た(と言っても八割がたが賛成で、残りはどちらかと言えば反対か、どちらでもいいという感じだった)ことで、大急ぎで黒服の一人にギルド長に手紙を届けさせることになった。

 その話し合いの最中、俺もその場に同席させられたので、最初の内は大半の組合員たちから不思議そうな視線を向けられていたが、俺が聖女から指名を受けてその依頼に参加することになったと話すと、数人の組合員からスラムでのいざこざから目を付けられて指名されたのだろうという話が出たので、終わる頃には同情するかのような視線に変わっていた。



「ジーク、準備は万端だな? もっとも、不十分でもおいて行くとか言う選択肢はないけどな」


 ダンジョンに出発する日の朝、俺はおっさんたちと合流する為にギルドへ出向くと、すでにおっさんと他の三人が待っていて、後は俺待ちという状態だった。まあ、別に遅刻したというわけではないので、誰も俺が最後だったことを気にしている様子はなかったのだが……おっさんが選んだという三人は、普通の冒険者とは違う雰囲気を持つ奴らで、かなりの実力を持っているというのが気配から知れた。と言うか、


「三人共、俺のことはよく知っているみたいだから、自己紹介する必要は無いな。まあ、俺の方は知らないわけだけど……一応あいさつはしておかないとな。よろしく、()()()()()()()()()


 最近よく俺を隠れて見ていた奴らだったので、意趣返しの意味も込めて挨拶だけはしておいた。

 そんな俺の言葉に、三人は驚いた顔で俺から距離を取り、おっさんは、


「あっ! やっぱりこの三人はそうだったんだな!」


 などと、一人納得した様子で頷いていた。


「ジーク、そのことはここだけの秘密な。ジークにバレてしまったのは仕方ないにしても、他の奴らにバラされると色々と困ったことになるかもしれないからな」


 俺を警戒して距離を取ったままの三人に変わり、おっさんがそう言って秘密にするように言ってきた。多分、他の冒険者仲間にも秘密にしなければならないようなことを俺にバラされるのは、組織としても色々とまずいことになりかねないので、もしバラす気があるのならそれ相応の対応をしなければならなくなるというところなのだろう。


 確かにこの三人はかなりの実力者のようではあるが、三人をまとめて相手しても俺が負けることはまずないだろうし、後何人ギルド長の子飼いがいるのかは分からないが、周囲への被害を考慮しなければ何とかなるとは思う。ただ、そこにおっさんが混ざれば勝率がグッと下がってしまいそうなので、元から誰かにバラすつもりはない。もっとも、やり過ぎない程度には、ストーカー被害のお返しをさせてもらうつもりではあるが、それくらいならおっさんが出張って来ることは無いだろう。


「それと、ストーカーの件でこいつらに復讐するのは無しな。まあ、個人間での依頼に支障がでない程度の交流に俺が口出すことではないが……ほどほどにな」


 俺の考えを読んだおっさんが条件付きだが許可を出たので、何かしらの仕返しはやらせてもらおう……そう思いながら三人を見ると顔を青くして怯えていたが、怯えさせるほど俺の実力を見せたとは思えないので、おっさんとギルド長から何かしらの話を聞かされたのかもしれない。


「それで今回の作戦だが……作戦を立てられる程の情報がない為、基本的にはその場その場で俺が指示を出すということになる。まあ、表向きは聖女たちと協力してということになっているが、あいつらは俺たちのことなど道案内と道中の手伝い程度にしか思っていないだろうから、依頼主の意向に逆らわない程度にという感じになるとは思うが……」


 普通なら、この国で発見されたダンジョンである以上、主導権はこの国、もしくはそのダンジョンに一番近いこの街の代表が指揮を執るのが普通だと思うが、強国である聖国とその国の聖女という肩書は無視できないということなのだろう。


「それで……ジーク、今回の作戦における重要人物は、間違いなくお前だ。聖女たちはお前のことを二つ星にしては腕が立つが、聖女が指名しなければ声がかかることがないくらいの冒険者にしか思っていないはずだ。まあ、向こうの親衛隊長辺りは薄々気が付いているかもしれないが、大多数はジークのことを侮っているだろう。そこで、俺たちもそいつらの認識を正しいと思わせる為に、ジークを一番の下っ端であるとして扱うことにする……もっとも、ここでの経歴を考えたら、当たり前のことであるけどな」


 などとおっさんは言うが、その後ろの三人は多少の怯えを見せながら俺のことを警戒している。多分、俺が怒らないか心配しているのだろう。


「確かにそれが一番効果的だとは思うが……下っ端と言っても、何をやらせるつもりだ?」


「基本的には皆の雑用をやらせるつもりだ。ただ、ジークの負担をなるべく減らす為に、依頼中の警戒や戦闘行為に関しては、まだ経験が浅い為邪魔になる可能性があるという理由で、俺たちの後ろに下がらせることにする。それなら、あいつらも不審に思わないはずだ」


 確かに、俺の年齢とギルドでの評価だけで判断するならば、この場にいる五人の中で断トツに低いと判断されるのは間違いないだろう。そもそも、今回の依頼のような場合、特別な理由が無ければ俺のような若手は選ばれることが無いので、経験不足を理由に戦闘から遠ざけるのは経験豊富な者からすれば当たり前のことだ。


「それとジーク、これを使え」


 おっさんはそう言うと、かなり大きな背負い袋を放り投げてきた。


「お前の荷物は経験が浅い奴にしては少なすぎる。何かそれっぽく見えるような荷物をその中に詰めておいた方がいい」


 いつもはマジックボックスに荷物を入れているので気が付かなかったが、よくよく考えてみればギルドで見かける同年代の冒険者が、余計な荷物は持ち歩くなと先輩の冒険者たちに注意されているのをよく見かけている気がする。


「あくまでも今回の俺は、経験の浅い駆け出しの冒険者という役回りか……」


 一応、マジックボックスが使えるとバレないように、最低限の荷物が入るカバンを身に付けてはいるものの、今回は油断を誘う為にわざと不必要な荷物を持っている姿を見せるつもりのようだ。多分だけど、おっさんはあいつらの目の前で、俺が不要なものを持っていることを注意するつもりなんだろう。


「中に入れるものは、ギルドにあるものを使っても構わないよな?」


 そう言うとおっさんが頷いたので、受付や売店に置いてあるものの中から、いかにも経験の浅い冒険者が選びそうなものを詰め込んでいった。


「こんなもんかな?」


 それっぽく見えそうなものを背負い袋に詰めていくと、サンドバッグかと見間違えるようなものが出来上がった。正直言ってやり過ぎのようにも思えるので、このままだと逆に怪しまれてしまうのではないかと心配になってしまったが、あの手の奴らはこれくらいわかりやすい方が効果があるだろうとおっさんが言うのでこのまま持っていくことにした。


「ジークは俺たちから少し遅れて聖女たちとの集合地点まで来た方がいいな。このまま一緒に行くと、何で来る前に注意しなかったのかと突っ込まれそうだからな。遅れた理由は……腹を壊してトイレに行っていたからにするか」


 そう言うことで、先におっさんたちが聖女たちと合流することに決まったのだが……


「やべぇ、肝心なことを忘れていたわ……ジーク、このガタイが良くて日焼けしているのがフリック。その横の細いのがカロン。紅一点のチリチリ茶髪がチーだ。フリックが四つ星、カロンとチーが三つ星になる」


 おっさんが今思い出したという感じで、三人の紹介を簡単に行った。しかし俺は、そのうちの二人の名前に関しては少し前から知っていた。しかしそれは、別にその二人が俺のストーカーだったというわけではなく、ただ単に少し目立つような存在だったからだ。

 俺が知っていた二人……フリックとチーは、見た目のこともありギルドでも割と目立つ存在なので、情報を集めるのは簡単だった。ただカロンの方はと言うと……見た感じかなり地味な存在なので、これまでにギルドで見かけたことがあるのかと言われても思い出すことは出来なかった。ただ、そう言った奴の方が手駒としてはギルド長も使いやすいのではないかと思う。何せ、目立たない奴の方がストーカー行為……もとい、スパイ行為はやりやすいだろうし。


「それじゃあ、俺たちに追いつかない程度に急いで来いよ」


 おっさんはそう言うと、三人を引き連れてギルドから出て行った。そして俺は、おっさんたちが出て行ってから言われた通りトイレで用を済ませ、合流地点に行く途中で見つけた屋台に寄り買い物をし、見事におっさんの指示をこなして見せた。

 まあ、流石のおっさんも、俺が抱えていた焼き菓子を見て呆れてはいたが……それ以上に親衛隊の大多数が馬鹿にしたような目を向けていたので、狙い通りというところだろう。

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