圧倒的な実力
「じゃ、2人とも準備はいいかな?」
結衣と告白してきた男子のバトルが始まろうとしていた
会場は俺と一ノ瀬が初めて戦った第3模擬戦闘会場だ
あの時、結衣は勢いだけで一ノ瀬に勝負を挑んでたのが懐かしい
今回の決闘は非公式なため
会場には俺とナタリア先輩と一ノ瀬しかいない
俺と一ノ瀬の戦いは史上最強の中二病とドイツの秘宝の超有名人同士の戦いだったから特別に観客が多かったらしい
「私はいつでもいいですよ先輩」
「僕も大丈夫です」
「それじゃ、バトル開始!」
一ノ瀬と俺は客席で戦いを見学していた
「なぁ、一ノ瀬」
「結衣は勝てると思うか?」
俺は朝練はナタリア先輩としか戦っていないから
学園トーナメントではベスト8だったけど
正直、結衣の実力が分からない
「そうですね、、、」
結衣は小さな顔くらいの大きさの水の玉を作り出していた
戦いというよりは魔法で遊ぶ感じの雰囲気だ
「やっぱり、結衣は戦いに慣れていないんじゃないか?」
「あれじゃ、相手を攻撃できないじゃん!」
「鳳くん、大丈夫ですよ」
「結衣さんは強いですから」
一ノ瀬は落ち着いている
結衣を信用しているようだ
だけど、バケツ一杯分くらいの水の玉
あれで相手を攻撃するイメージがまるで湧かない
やっぱり結衣は先頭に向いていないんじゃないかな?
「結衣さん、僕はあたなを倒して彼氏になってみせます!」
告白してきた男子が結衣に彼氏宣言をした直後
結衣の水玉が男子生徒の顔に直撃した
そして、男子生徒の頭は水の玉の中に閉じ込められてしまった
えっ?
俺は結衣の攻撃の意味が分からなかった
「一ノ瀬、あの攻撃ってなんなんだ?
たまらず、一ノ瀬に聞いてみる
「鳳君、魔法の発動条件は覚えていますか?」
「ああ、魔力と想像力や妄想力だろ」
「でも、あの攻撃はどんな意味があるんだ?」
「人が想像するためには、集中する必要があります。」
「でも、試合開始早々結衣さんは相手の呼吸を奪いました」
「呼吸できないなら当たり前ですけど魔法は使えないし、下手したら死んでしまいます」
「なるほど!」
「結衣らしい作戦だな」
「結衣らしいとはどういうことですか?」
一ノ瀬が不思議そうに俺を見ている
「結衣は昔から医者になることが夢だったんだよ」
「だから、人一倍勉強も頑張っていたし人間の身体について一通り知識が入っているんだ」
「魔力では俺と一ノ瀬には勝てない、だから生命の基本である呼吸を攻撃する工夫で勝負しようとしているんだ」
試合開始早々、呼吸を狙われた相手はパニックになっていた
まさか、惚れた相手から殺されそうになるとは
夢にも思わなかっただろうな
「はい、そこまで!」
ナタリア先輩がストップをかけた
男子生徒は気絶寸前であり、圧倒的な実力差で勝負は結衣の勝利で終わった
「ほら、結衣さんは強いじゃないですか鳳くん」
一ノ瀬は俺の方を見て笑っていた
幼馴染が強くなるって、なんか嬉しいなぁ
そして、結衣にふざけたこと言い過ぎると殺されるかもしれないと
俺は思った




