先輩もしかしてキレてる?
「説明がまだだったね」
「これは私のオリジナルの魔法で解除魔法の中でも私だけは魔法を使えるんだよ」
「俺が言うのもなんですけど、、、チートですね」
この空間では先輩以外は魔法を一切使えなくて
逆に先輩だけは魔法を使える
相手にとっては絶望的な状態だ
「これが月城学園の生徒会長か」
確かに俺でも勝てる気がしない
魔法が使えるのならまだしも
魔法が使える相手に生身で戦うなんて無謀すぎる
「おい、反抗勢力だかなんだか知らないが」
「ナイフを使うなんて卑怯な真似してタダで済むと思うなよ!」
ナタリア先輩は笑いながら可愛く言ってるけど
声が震えてるし顔が引きつってる
分かる、めちゃくちゃ怒ってる
ナタリア先輩は基本的には優しい先輩だ
本当に怖いのは一ノ瀬や結衣みたいに感情豊かな人が怒ることではなくて
いつもニコニコしていて怒らない人が怒ることだ
そして、今ナタリア先輩は確かに怒っている
そして、先輩は生徒会長であり学園最強の魔法使い
「お前ら私の前で卑怯なまねをして、可愛い後輩を危険にさらしたんだ」
「覚悟はできてるよな?」
ナタリア先輩から魔力が漏れ出ている
漏れた魔力がオーラみたいにナタリア先輩の背後で揺れている
ナタリア先輩の右手が輝きだす
どうやら、魔力を右手に集中させているようだ
後ろにいる俺もこの魔力のヤバさがビシビシ伝わってくる
攻撃をもろに喰らえば、確実にやられることが
そして、先輩は相手に向かって一瞬で距離を詰める
控室で見ていた一ノ瀬と結衣は驚きを隠せない
「一瞬で相手との距離を詰めた?」
瞬きするに等しい時間で先輩は相手の懐にいた
そして、月のように光り輝く右手を
「月の拳」
先輩の一撃は凄まじい威力だった
俺は立ってるだけで精一杯だった
会場にいる生徒も先輩の技の衝撃に耐えることで必死だった
衝撃が落ち着いて先輩と相手を見てみると
相手の背後にあったはずの模擬戦闘会場の大岩が跡形も無くなっていた
凄まじい威力だ、、、
あんな技食らったら命がいくつあっても足りないな
それにしても、、、、
「技の名前ダサすぎぃぃぃ!」
俺を含めて会場のみんなが思った。
「えっ?そうかな」
「私はめちゃくちゃかっこいい名前だと思うんだけどな」
なんか、技の威力の凄まじさと名前のギャップでダサさが目立つんだよな〜
そして、相手は膝から崩れ落ちて戦意喪失しているようだ
確かにあのトンデモ技をまともに食らったら確実にタダでは済まないよな
自分の技の威力を知ってるからこそ、
先輩は相手の戦意を喪失させるためにわざと攻撃を外したんだろうしな
俺は気になることがあった
「あの、ナタリア先輩、、、」
「俺が活躍して学園代表になる作戦はどうするんですか?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・えへっ♡」
「ナタリア先輩ぃぃぃぃぃぃ」




