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第7話 盗賊討伐の報酬

 昨晩、早くに寝たのに起きたら昼前。

 お腹がすいて起きました。

 グ~~~


 格安宿屋1階の食堂へ

「やっと、起きてきたか」

 こんなに長い時間寝たの、いつ以来かな

『すみません、寝坊しました』

「盗賊退治騒ぎになってるぞ、朝から若造に会いたいって奴が来たけが追い返しといたぞ」

 騒ぎって昨日の今日だよ、商業ギルドマスターの爺さんが探してるのかな

『ありがとう御座います』

「追い返したが外で待ち構えてると思うぞ」

 商業ギルドマスターの爺さんに会うのは後回しにしたいから

『出かける時、裏から出さして下さい』

『まずは何か食べさせて』

 グ~~~

 満腹後、宿屋の裏から出て東門へ。



 東門

 今日も居す、守衛隊長さん。

 来いって言った本人ですけど、いつ休んでいるんでしょうか?

「来た来た、待ってたぞ」

『すみません、遅くなりました』


 守衛室へ招かれました。

 小さい窓が1つの部屋、机に椅子が2脚と隅にもう1脚、まるで取り調べ室。


「昨日のうちに領主さまへ報告して報償金を預かってきた」

 革袋が机の上に2袋置かれてます。

 覗いたら小金貨がたくさん。

「100枚だぞ」

『小金貨100枚って え!え~』

 金貨なら10枚、大金貨1枚。

 喜びが、声、顔、態度に出まくりです。

「使いやすいよう小金貨にしてもらった」

『大金貨で支払いするような買い物する予定がなかったので助かります』

 本当、優しいし気が利く守衛隊長さんです。

「隣領にも被害が出ているから、辺境伯さまと伯爵さまからも報償金が出るだろうって領主さまが言ってたぞ」

 え!まだ貰えるの、何を買おうかな。

 オイラは欲しい物無いし、男装の魔法使いさん、聖女さんに何かプレゼント買ってと考えたけど、オイラには喜んで貰える物が思いつかないや

【ユウから貰いたいのは物ではありません、愛ですわ】

 聖女さんの叫びが脳内に木霊、そんな重い物はあげられません。


----------


 守勢隊長の独り言


「喜んでるのに水を差すのも、討伐隊を出すより断然安上がりって言ってたのは内緒にしとくか」

「討伐隊を編成してたら、俺も加わってたはず生きて戻れたか、感謝してるぞユウ」


----------


「そういえば、どうやって捕らえたんだ、領主さまにも聞かれたんだ、盗賊達に聞いたら、気付いたら縛られてたって」

『内緒です』

 守衛隊長さん、渋い顔しています。

 誰でも寝ちゃう魔法が使えるって要注意人物ですよね、安易に喋れません。

 これ以上詮索されないよう話をすげ替えねば

『盗賊達は牢屋ですか』

「領主さまのお屋敷へ連行した」

 突っ込みますよ

『あの人達軍人さんですよね』

「気付いたのか、あまり詮索しないでくれるか」

 盗賊の正体、聞かずにいてあげますから、交換条件ですよ。知ってるんですけどね!

『なら、捕らえた方法も聞かないで下さいね』

「それとは話が違うって言いたいが、しょうが無いか、馬はどうする」

 預けたお馬さん達か、どうしよう

『考えてませんでした』

「盗賊の奪った物は全て退治者に所有権があるって知ってるよな、馬も当てはまるんだよ」

『し、し、知ってないです!全て退治者に所有権って』

 驚きで言葉が詰まりました。

「そうしないと、私の、家のと言い出す輩で収拾が付かないんだよ、常識だと思うぞ」

 領主さまからの報酬に続いて驚きです。

 当然の権利だけで盗賊退治を行ったから、格安宿屋のオヤジさんは無報酬って言ってたんだ、商業ギルドマスターの爺さん一言も触れなかったよ。

 そう言えば、薬屋婆さんが阿漕な報酬内容って言ってた気が、守衛隊長さんも常識って、オイラは常識知らずの阿呆ってことですか・・・

 あの爺に、いいように使われたのか!王族に好き勝手使われていたのが嫌だったけど、オイラは何処行って同じなのか・・・


「オイオイ平気かユウ」

 やばいやばい、負の感情に囚われる

『すみません、ちょっと物思いに』

「領主さまが、盗賊が使てった馬の中に街郊外の牧場で飼ってたのが居るはずだから安く売ってやって欲しいと」

 領主さまの報酬を想い出して、負の領域から復活。

 成る程、それで報償金沢山くれたんですね了解です領主さま、売るなんて言わずにお返しします。

 他のお馬さん達も預かってくれるか聞いてみよう。

『商業ギルドに預けた荷馬車の馬もあるので、明日にでも全て連れて牧場に行ってみます』

「そうしてくれると助かる」

『此処のお馬さん達、明日まで預かりを頼めますか』

 満面の笑みで

「頼まれてやろう、あと、領主さまが会いたいから屋敷へ来てくれって」

 オイラはお会いしたくない、礼儀作法無理、飯とか出されたら本当に無理

『行かないと駄目ですか』

 目でも訴えます

「駄目だろう なんだったら同行してやるぞ」

 お断りできませんか、なら引き延ばし

『後日、相談にのって下さい』

「小金貨100枚、後で薬屋まで持てってやろうか」

『お願いします、助かります』

 優しくて気が利く守勢隊長さん、昨日は、惚れちゃいそうでしたが、今日、惚れちゃいました。


 引き続き預かって貰うお馬さん達8頭に、ニンジンを見つからないようスキル-収納の時間経過無しから出し餌桶に入れて回ったら、昨日の視線は感じずに商業ギルドへ向かえました。



 商業ギルド

 入り口の扉を開けて中へ。

 マスターの爺さん

「探したぞ若造、何度も格安宿屋に使いを出したのに」

 奥から出てきて立ち話。

 逃げましたからね、謝って言い訳も言っときますか

『すみません、東門の守衛隊長さんに呼ばれてて』

「盗賊を退治どころか捕らえて来たって聞いたぞ」

 商業ギルド1階にいた人達、「あの若造か・捕らえて来たって本当だったのか」彼方此方で囁かれてます。


 退治者の権利、突っ込んでやらないと

『聞きましたよ、盗賊のお宝は退治者に所有権って酷いじゃないですか』

 言い訳聞いてやろうじゃないか

「ガハハハ、ギルドの出費なし、領主さまにも恩を売れた、感謝してるぞ若造」

 ばんばんと肩を叩かれ、言い訳なしどころか、大声でギルドの出費なしで退治させたと宣言に、商業ギルド1階にいた人達、「爺さん、無報酬で退治させたのか」、彼方此方で囁かれてます。


 酷い、こんな爺さんに頼みたく無いけど価値中の品だから良いか、価値大は絶対に商業ギルドマスターの爺さんには買い取りには出さないぞ

『預けた荷馬車と積んであるお宝の鑑定、お願いできますか』

 買い取り願いでは無く鑑定願い、提示額が酷かったら買い取りは拒否してやる。

「王都の鑑定人を呼び鑑定させるから、換金までに1ヶ月以上かかるぞ」

 鑑定は正規のって契約書に書いてあった、鑑定が商業ギルドマスターの爺さんじゃ無ければ信用出来るかな、念押しで

『期間は平気なので鑑定、換金の準備は双方の同意後でお願いします。』

 換金の用意を理由に買い取り強要されても困るし。


 商業ギルドマスターの爺さんの微笑みを見るとまだ何か有りそう

『荷馬車を引いてたお馬さん達を街郊外の牧場に連れてきます』

「まてまて、馬も買い取るぞ」

『領主さまに、牧場で飼ってたお馬さんが居るはずだから返してやってくれって言われてるんです』

「牧場で飼ってた馬以外は買い取るから連れて戻ってくれよ」

 連れ戻る事には返事はしません

『お馬さん達は』

「裏に繋いである」


 商業ギルドを出て裏手へ。


 繋がれていたお馬さん達を連れて牧場へ向かいます、商業ギルドマスターの爺さんには絶対売らない、信用ならない、牧場で預かって貰えるよう頼まなきゃ。


 6頭の馬を連れ、再度、東門へ


 馬引きも無しにゾロゾロとオイラに着いてくるお馬さん達、街中の注目を集めてます。



 東門

『守衛隊長さん、明日と思ってましたが商業ギルドの話が早く済んだので此から牧場に、場所を教えて貰えますか』

「場所は南門に向かう道を行けば直ぐだ」

『行ってきます』


 東門の守衛隊長さんに預けていた8頭を合わせ、全部で14頭のお馬さん達を連れて牧場へ向かいます。



 柵が見えてきました。

 牛が沢山います、凄く広くて牧場全体が見通せません。

 子供が居ます

『牧場の人ですか』

「はい」

『牧場主さんに会いたくて』

「父を呼んでくるので待っててください」

 お手伝い偉いな、言葉遣いもしかっりしてるし。


 お馬さん達に、スキル-収納の時間経過無しから出したニンジン与えて待ってると馬に乗った人が向かってきます。

 馬から下りて

「お待たせしました、私が牧場主です」

 牧場主の目線がお馬さん達に注がれてます

『ユウと申します』

『このお馬さん達の中に、この牧場の馬が居るはずだから返してやってくれと言われて来ました』

「あれと、あれで2頭居ます」

 2頭だけか、残り12頭、、預かってくれるかな

『ではお返しします』

 最近、驚愕の表情見慣れちゃいました。

「買い戻しですよね」

『いえ、お返しです』

 なんたって懐には領主さまからの褒章金、実は、仲間からのお金はもっと有りますが使うのに抵抗があります。


『あと、残り12頭の預かりを費用を出すのでお願いできますか』

「預かりですか、貸し出しをしてよければお金を払いますよ」

 ん?お金が貰える

「見て分かります、いい馬ばかりで商業ギルドや産業ギルドに領主さまへ高値で貸し出せると思います。馬不足で牛でも良いから貸し出してくれと言われているんですよ」


 牛でもって、そうか、盗賊に襲われて馬も奪われたから不足してるんだ。

 よさげな1頭を選んでオイラ専用に

『お金はいらないので、お馬さん達に無理をさせない程度に、それと、このお馬さんだけはオイラ専用としてもらえますか』

「良いんですか・良いんですか、馬の貸し出しって高いんですよ」

『12頭も馬が増えたら面倒みるの大変じゃなんですか』

「これでも大規模経営で人を使ってるので何とか」

『では、預かりお願いします』


「あの・・・、欲が足りないって言われませんか?よく騙されたりしてませんか?世間知らずって言われませんか?」

 ん!思い当たる、薬屋婆さんに商業ギルドマスターの爺さん!


 帰ろうとしたらお馬さん達の悲しい視線、あれ、あれ、気のせいですよね、昨日の東門での視線と同じ気がします。


 トボトボと宿への帰り道、牧場主さんの言葉

 欲が足りないって言われませんか?

 よく騙されたりしてませんか?

 世間知らずって言われませんか?

 これからは、しっかりしようと肝に銘じました。


----------


 商業ギルドマスターの爺さん、オイラが馬を連れ戻るのを心待ちに。


「若造、盗賊の宝、鑑定にこだわってたが買い取りは拒否するつもりか、先の事より、まずは馬だ、契約書に正規の鑑定対象はお宝と記載したから馬は対象外、買い叩いて儲けるぞ」


「まだか、若造」


「なぜ来ない、若造」


「門が閉まったぞ、若造」


「来るのは明日か、若造」


 待ち惚けの商業ギルドマスターの爺さんでした。

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